2024.5.13
浜口です。今回は重要な情報があるので、一週間でブログを更新します。さて、まずは今回も定点観測を。前回の当ブログのアップ日(2024年4月8日)以降の「浜口流コア・サテライト戦略」銘柄について、左は株価が5月2日時点、右は5月10日時点のデータです。
短い期間ではありますが、総じて堅調に推移ししています。5401日本製鉄が下がってるな。背景について、ここで説明しています。
以下は8316三井住友FGと6857アドバンテストの日足。アドバンテストは下落に転じており、売却はやはり正解だったと考えます。
デイトレは行いませんでした。前々週から一転し、相場のボラティリティが大きくなっているので、デイトレはリスクが高いと考えたからです。
日本株の相場観については、長期的には今回も基本、変化なしです。日本は、景気後退になる可能性は低く、米国のインフレ懸念は日本に脱デフレをもたらし、加えて海外観光客の増加等、経済再活動につながり、今年年前半にかけ、日本株はここで紹介している高配当バリュー株を中心とした、堅調な相場展開を予測しています。「浜口の相場観は、いつも同じだよな」と受け止められている向きも多いことでしょう。しかしながらこのことは、現在の日本株市場が私が想定した通りに推移している証左と受け止めていただきたいと思います。
さて、ここからは今回のテーマ、「トヨタのIRに「累進配当」を行っているのか、そして山陰合同・宮崎銀行に累進配当のスタンスを確認」について。まずは会社四季報の利益見通しをご覧ください。
売上高 | 営業利益 | 税前利益 | 純利益 | 1株益 | 1株配 | |
---|---|---|---|---|---|---|
21年3月 | 27,214,594 | 2,197,748 | 2,932,354 | 2,245,261 | 160.6 | 48特 |
22年3月 | 31,379,507 | 2,995,697 | 3,990,532 | 2,860,110 | 205.2 | 52 |
23年3月 | 37,154,298 | 2,725,025 | 3,668,733 | 2,451,318 | 179.5 | 60 |
先日Twitterで行ったスペースで、こんな質問をいただきました。
「7203トヨタ自動車ですが、2022年3月期は純利益ベースで減益であるにも増配しています。これは累進配当と言えるのでしょうか?」
私はこの質問を受けて、この点をトヨタのIRに実際に電話をしてみると、こんな回答が返ってきました。
トヨタのIRの方:トヨタ自動車は株主に対する還元を重点している企業です。したがって、結果として増配が続いているわけですが、累進配当という言葉は初めて聞きましたし、そういう考えに基づいてやってるわけではありません。
浜口:なるほど、わかりました。、私は銀行・損保・商社の中で累進配当を実施している銘柄に投資をしています。これはトヨタ自動車に投資を検討している投資家としてのアドバイスですが、先日、宮崎銀行が累進配当を発表したところ、株価が急騰しました。トヨタも累進配当という言葉を使って説明すれば株価上昇に寄与すると思いますので、ご検討いただければと思います。
トヨタのIRの方:分りました。トヨタ自動車のIR部門の中で検討したいと思います。貴重なご提案、ありがとうございました。 との事でした。
なおトヨタのIRについては、トヨタの代表電話に電話したところ、朝9時半の段階では全員が電話対応しているとのここで、30分後におかけ直しくださいとのとことで、そのタイミングでお話ができた次第です、みなさん、熱心ですね。
また、先に累進配当を発表した宮崎銀行のIRの方にも、電話で尋ねてみました。累進配当を見直す事はありますか?と。すると、今後業績が悪化して、累進配当ができないと判断された場合には、事前にアナウンスをして、累進配当を一旦停止するとこともあり得るということでした。
「3年に1度更新される中期経営計画とリンクしていますか?」と質問したら、それとは全くリンクしていないということでした。
もう一行、累進配当を発表している山陰合同銀行にも確認しました。すると、基本的に累進配当は継続させていく。今後、山陰合同銀行は、エリアを兵庫や岡山にも拡大させていくので、利益は拡大していく。したがって、よほどのことがなければ累進配当は止めないと言うことでした。この部分において、宮崎銀行よりも力強さを感じましたね。
以上です。
皆さんの株式運用は、くれぐれも自己責任でお願いします。ここは再強調させていただきます。今回はこの辺で。みなさんの株式運用の参考になれば幸いです。
<著者プロフィール> 浜口準之助(はまぐち・じゅんのすけ)
約15年にわたり機関投資家のファンドマネージャーとして株式運用に従事。信託銀行などで主に年金資金の日本株運用を行う。その後約14年にわたり投信運用会社にて投資環境のセミナー講師に携わる傍ら個人投資家として株式運用を行い、「億り人」の仲間入りを果たす。「浜口流コア・サテライト戦略」を提唱し自らも実践している。「醍醐味に満ちたライフワークとして、株式投資に勝るものなし」との基本観から、個人投資家に実践的な株式投資手法の研究を続けている。 社団法人日本証券アナリスト協会検定会員。主な著書に『黄金サイクルと農耕民族型投資戦略』(パンローリング刊)、ブログ 浜口準之助のテツ・ホテル・グルメ・株式運用 をほぼ毎日更新中、こちらでは旅の話もしている。