2024.6.3
浜口です。今回は重要な情報があるので、一週間でブログを更新します。さて、まずは今回も定点観測を。前回の当ブログのアップ日(2024年5月7日)以降の「浜口流コア・サテライト戦略」銘柄について、左は株価が5月17日時点、右は5月21日時点のデータです。
総じていえば、銀行株は上昇、商社はぼ横ばいといったところでしょうか?
以下は8316三井住友FGの日足。新高値更新、ついに10,000越え、6月16日大引けは10,290円になりましたね!
デイトレは行いませんでした。ここもと、相場のボラティリティが大きくなっているので、デイトレはリスクが高いと考えたからです。
日本株の相場観については、長期的には今回も基本、変化なしです。日本は、景気後退になる可能性は低く、米国のインフレ懸念は日本に脱デフレをもたらし、加えて海外観光客の増加等、経済再活動につながり、今年年前半にかけ、日本株はここで紹介している高配当バリュー株を中心とした、堅調な相場展開を予測しています。「浜口の相場観は、いつも同じだよな」と受け止められている向きも多いことでしょう。しかしながらこのことは、現在の日本株市場が私が想定した通りに推移している証左と受け止めていただきたいと思います。
さて、ここからは今回のテーマ「MS&AD(8725)の投資妙味」について。
MS&AD(8725)は、三井住友海上&あいおいニッセイ同和のこと。株価は大きく上がっていますが、この状況で配当利回りが4.42%あることに驚かされます。以上から現状の株価でもなお、投資してよいと考えます。
同社の今回の決算からは、以下の点が読み取れます。
普通配当については、事実上累進配当。
グループ修正利益の50%を還元。
29年度までに政策保有株式をゼロにするが売却期間(最大6年間)を対象に特別配当を実施。今期25年3月期は、普通配当は100円、特別配当は45円。
総還元額から配当を控除した額で自社株買いを実施。
政策保有株式売却加速により、24年度グループ利益は6,300億円、25年度は7,600億円を見込む。ちなみに23年度は、3,799億円だった。 銀行・損保とも、私はおススメしていますが、その理由は異なります。銀行は長期金利上昇に伴う利ザヤ拡大が理由。一方で損保、特に法人部門は、旧財閥系グループ企業からの収益が大きく、保険料の値上が容易であるからです。
なお私が東京海上ではなくMS&ADをお勧めしているのは、三井と住友の両旧財閥をグループに持っているからです。東京海上日動は、三菱だけですからね。
以上です。皆さんの株式運用は、くれぐれも自己責任でお願いします。ここは再強調させていただきます。今回はこの辺で。みなさんの株式運用の参考になれば幸いです。
<著者プロフィール> 浜口準之助(はまぐち・じゅんのすけ)
約15年にわたり機関投資家のファンドマネージャーとして株式運用に従事。信託銀行などで主に年金資金の日本株運用を行う。その後約14年にわたり投信運用会社にて投資環境のセミナー講師に携わる傍ら個人投資家として株式運用を行い、「億り人」の仲間入りを果たす。「浜口流コア・サテライト戦略」を提唱し自らも実践している。「醍醐味に満ちたライフワークとして、株式投資に勝るものなし」との基本観から、個人投資家に実践的な株式投資手法の研究を続けている。 社団法人日本証券アナリスト協会検定会員。主な著書に『黄金サイクルと農耕民族型投資戦略』(パンローリング刊)、ブログ 浜口準之助のテツ・ホテル・グルメ・株式運用 をほぼ毎日更新中、こちらでは旅の話もしている。