2024.9.24
浜口です。さて、まずは今回も定点観測を。前回の当ブログのアップ日(2024年9月9日)以降の「浜口流コア・サテライト戦略」銘柄について、左は株価が9月6日時点、右は9月20日時点のデータです。
市場全体が戻り歩調にあるため、銀行・商社株は株価は上昇、損保株は調整局面となっていることがわかります。
以下は8316三井住友FGの日足。足元の株価は大きく戻った後、やや調整局面にあることがわかりますが、この銘柄の業績は以下の通り好調であり、楽観しています。
8316三井住友FG純利益進捗率は35%と好調、余震費用も低ポジティブというが
メガバンクの中でも、現在、最も安心して長期保有できる銘柄、と私は考えます。
テクノロジー株を中心とした下落相場がひと段落したら、まず株価が上昇に転じるのは同銘柄のようなメガバンク三行が中心と考えます。
8316三井住友FG、中間決算時の株主還元強化に期待/投資魅力が大きいというが
このレポートには私も同感で、三井住友FGの投資力魅力は大きいと思いますね。
主観ですが、中長期的には20,000円になってもおかしくないという考えに変化はありません。
一方でテック株の人気銘柄、6920レーザーテック。足元ではわずかに反発していますが、趨勢的に安値トレンドになっています。ここまで株価が下落してもなお、予想PERは43.95倍。三井住友FGと対照的ですが、これが現実です。投資対象を銀行・損保・商社株の累進配当銘柄に絞り込んで、ほんとうによかったと思いますね。
デイトレは行いませんでした。ここもとの大荒れの相場では、「火中に栗を拾う」ことはしたくないと考えたからです。
日本株の相場観については、長期的には今回も基本、変化なしです。日本は、景気後退になる可能性は低く、米国のインフレ懸念は日本に脱デフレをもたらし、加えて海外観光客の増加等、経済再活動につながり、今年年前半にかけ、日本株はここで紹介している高配当バリュー株を中心とした、堅調な相場展開を予測しています。「浜口の相場観は、いつも同じだよな」と受け止められている向きも多いことでしょう。しかしながらこのことは、現在の日本株市場が私が想定した通りに推移している証左と受け止めていただきたいと思います。
さて、ここからは今回のテーマ「10月後半以降、日本株は上昇に転じるか?」について。
現状の日本株は、前回の当ブログ「第90回 年間で最も上昇しずらい9〜10月を迎える日本株」で書きました渦中にあるわけですが、そろそろ上昇に転じる機運が高まりつつあると考えます。
それは大和証券のチーフテクニカルアナリストの木野内さんが9月22日付の日経ヴェリタスで書かれている通りと私は考えるからです。
重要な部分はピンクのマーカーで囲んでありますが、少し見づらいかもしれません。以下に書き出しておきます。
衆議院の解散総選挙が取り沙汰されている。解散日から投票開票日直前までの日経平均の騰落は、1969年以降18連勝中だ。理由を考えたい。
短期的には10月27日か11月10日の可能性が言われる衆議院選投開票に向け、株高と考えたい。
この考え方に私は同意します。
以上です。なお皆さんの株式運用は、くれぐれも自己責任でお願いします。ここは再強調させていただきます。今回はこの辺で。みなさんの株式運用の参考になれば幸いです。
<著者プロフィール> 浜口準之助(はまぐち・じゅんのすけ)
約15年にわたり機関投資家のファンドマネージャーとして株式運用に従事。信託銀行などで主に年金資金の日本株運用を行う。その後約14年にわたり投信運用会社にて投資環境のセミナー講師に携わる傍ら個人投資家として株式運用を行い、「億り人」の仲間入りを果たす。「浜口流コア・サテライト戦略」を提唱し自らも実践している。「醍醐味に満ちたライフワークとして、株式投資に勝るものなし」との基本観から、個人投資家に実践的な株式投資手法の研究を続けている。 社団法人日本証券アナリスト協会検定会員。主な著書に『黄金サイクルと農耕民族型投資戦略』(パンローリング刊)、ブログ 浜口準之助のテツ・ホテル・グルメ・株式運用 をほぼ毎日更新中、こちらでは旅の話もしている。