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<< Home / 著者インタビュー / File 017 『東京時間半値トレード』 アンディ氏

長年の相場経験から、売りと買いが拮抗する売買勢力分岐点=「半値」に 着目するトレード法を築き上げたFX専業トレーダーのアンディさん。 初の著書となる 『17時からはじめる東京時間半値トレード』の出版を記念して、 お話を伺いました。

Q. 『東京時間半値トレード』の出版おめでとうございます。執筆のきっかけを教えてください。

母から生前、「あなたは波乱万丈な人生を歩んできたのだから 本を書きなさい」と言われたことがきっかけでした。

Q. 本書の執筆で大変だったところは?

やはり図に苦労しました。こだわったのは、図解をみてわかることです。

Q. 読者に一番伝えたいことは何ですか?

相場の本当のおもしろさ、素晴らしさっていうのかな。 相場の値動きの仕組み、根本にあるもの。 そこに何を求めるかっていうことですね。

相場は人気投票だと言われますが、 沢山買う人がいるなら値段が上がりますよね。 買う人が売る人よりも多くなれば上がるというのは、 根拠のある売買です。

一方で、相場の先行きを予想して、当てにいく売買だと、 当てよう、当てようと思っても、 「売買のやり方」として蓄積されない。

例えばネックラインや半値など、 根拠に基づいた売買なら、結果は後からついてくるだろうと思います。

Q. 相場をはじめたきっかけを教えてください。

もともと、株とか商品が好きだったんです。

営業マン時代、自分で相場を張ってたんですよ。 お客さんのところへ行って、いくら儲かったとか、手張りの話をしたんです。 営業先でそんな話、今はできませんよね。

会社に戻ると、みんな必死になって営業電話を架けてるんです。 ところが、僕は全然営業しないんですよ。 なぜなら、お客さんの方から僕へ電話がかかってくるんです。

昨日は生糸でいくら儲かったとかね。
それが本当だから、また伝わるんですよ。
そのときは、とくに勝ちが続いてね。

お客さんって、追いかけると逃げていくじゃないですか。
逆ですよね。当時、会社の中で僕は特殊な存在だったと思いますよ。

Q. はじめのころの失敗はありますか?

失敗談? ものすごい失敗がありますよ。 乾繭を80枚、生糸を50枚くらい売ったんですよ。 それでストップ高で外れなくなっちゃった。 それは地獄だったですね〜 すごい金額ですよ。(レバレッジが)乾繭で300倍、生糸で150倍だもんね。

*1: 『マムシの本忠』に登場する本田忠氏。

こずかた治著『仕手相場』のモデルと言われる。

僕の上司が、本田さん *1 の一番の玉(ぎょく)を扱っている人で、 ものすごい仕手戦だったんですよ。寺町さんと。

その闘いで、僕は本田さんの陣営だったので、売りを入れたんですけど もっていかれちゃって。

最後には寺町さんは負けてしまうんですけど、すごかったんです。 僕は、本田さんからも寺町さんからも、仕手戦の敵味方、 両方から玉をうけたことがあります。

今はそんな仕手戦はありませんが、 このあいだのライブドアショックで、信用で全力買いして外れなくて、 20代の人が何千万円も借金をつくってしまったという話がありました。 ああいう状態に近いですよね。

生糸・小豆は、そういう時代がありましたね。 すごかったですけどね。 あの仕手戦を見せてもらったのは有難いなと思います。

Q. 最近、失敗したことはありますか?

相場の張り方』に書いてあったでしょう。
「大勝負は神様のいたずら」って。

勝ったときのイメージが脳に残ってしまう。
勝ったら必ず損するというね。
月が変われば同じパターンじゃないんですよね。
それが最近の失敗ですね。

Q. 読者へのアドバイスをお願いします。

自分の感覚になるまでやってください。

*2: 山崎種二

米相場と株式投資で成功を収めた相場師。重要な食料である米を買い占めて値段をつり上げることを嫌い「売りのヤマタネ」の異名がついた。小説『そろばん』で紹介されている。日本画に造詣が深く、のちに山種美術館を設立。

僕、絵が好きなんですよ。
速水御舟の「炎舞(えんぶ)」っていう絵があるんですよ。

小学生のときに母親に連れられて、山種美術館にいってね。
そのとき見た絵が忘れられなかったんですよ。

あるとき、30歳くらいの頃かな。 先輩が教えてくれたんです。
その絵がね、山崎種二*2 が速水御舟に注文して書いた絵なんですよ。
すごい偶然でしょ?

あの絵は本当にインパクトがあってね。

それが写真だったらね、すべてをあらわしているけど
僕にはあまり価値がない。絵だったから価値があった。

つながる部分は自分がやっていくものなんじゃないかな。
結果は売買日誌にヒントがあって、自分の日誌を振り返ると、 全部つながってくると思います。

Q. 本書を読んだあと、自分で実践してみると、見えてくるものがあるということですね。

特に、半値トレードで一番、誤解されるのは、 持ち合いから順張りに変わるとき。

両方とも同じように見るとごちゃごちゃになってしまう。

だから、はじめは持ち合いのときだけ、パターンをやってほしいんです。
順張りは無視して。そうすると順張りのときもわかってきますから。

順張りで僕は何を見ているかというと、
売買日誌どおり、東京時間をみて、窓にヒゲで見えてきたら高値には行かないなとか考える。 そうすると、そのあとの半値押しがものすごく綺麗にきまるんですよ。

(第2回インタビューに続く)

収録日:2012年8月29日


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