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個人投資家でも可能な手法をまとめた『サヤ取り入門[増補版]』の著者である羽根英樹氏。8月25日に開催される「堅実リターンの究極手法 サヤ取り実践セミナー」を前にサヤ取りの魅力についてお聞きしました。
Q.
資産運用のプロも取り入れているといわれる「サヤ取り」ですが、
そのしくみを簡単に教えてください。
A.
株でも先物でも銘柄や限月が2つあれば、その価格には必ず「差」があります。 つまり、相場自体の上げ下げは損益に関係ありません。両銘柄の値段の差が損益なんです。
『サヤ取り入門[増補版]』 31ページより そもそも商品取引のしくみを理解することは、リスク回避のしくみを理解することでもあります。 私たちの身近な例をあげると、日本は多くの食料品を輸入しています。 豆腐や納豆など食料の原料で、畜産物の飼料としても使われる大豆やトウモロコシも、大半を海外からの輸入に頼っています。 たとえば、商社が買い付けた大豆が船で運ばれてくる間に、もし大豆価格が値下がりしたとしたら… 『マンガ 商品先物取引入門の入門』 39〜40ページより [画像を拡大する]
A. あれは、確か14年ほど前のことです。林輝太郎先生の本を読んで、「なんとなく」面白そうだなぁと思ったんですね。でも始める前って、いろいろ不安がありますよね。で、思い切って林先生のところに電話をして、あれやこれや質問したんですね。でも、あまりにしつこく聞くもんですから、しまいに「あんたねえ、サヤ取りをまだ一度もやってないんだから、とりあえず始めてみなさいよ」と怒られたわけです(笑)で、とりあえず、やり始めてみました。銘柄は東京小豆でした。
A. 同じ市場という土俵で、片バリの人とは違うルールのゲームをしている事だと 思います。 サヤ運動は、片バリの動きとは全く違います。サヤの拡大縮小の習性をおさえ ることで、サヤ取り独自の優位性が生まれるのです。
A. 株式の場合、実質的には個人投資家は賃借銘柄でなければ、空売りができません。 また、賃借銘柄でも、貸株料、逆日歩などのコストがかかり不自由です。 商品先物の場合これらのコストは一切かかりません。株式に比べると自由度が高いのです。他にも商品先物のサヤ取りならではのメリットはたくさんあり、こちらをお奨めします。
A. 売買銘柄は固定しているので、特に注目することは無いのですが、強いてあげ るならゴムですね。 ゴムは、農産物の加工品でもあるため、工業品というよりも、穀物や珈琲に近い動きをします。ですから、穀物サヤ取りのノウハウが共通で使えるのです。 こちらは、今回の堅実リターンの究極手法 サヤ取り実践セミナーでも取り上げる予定です。
A.
そうですね。アジアがゴムの生産地なんです。 他の銘柄、例えばトウモロコシはアメリカのシカゴが指標ですし、日本に上場されている多くの銘柄は海外にマザーマーケット(指標となる代表的な市場)がありますが、ゴムの場合は、東京市場がマザーマーケットなんです。
A. 昨今の市場は、非常にボラティリティが上がり、乱高下を繰り返しています。日本の先物市場は、海外の大幅な動きに振り回されて、ストップ高、ストップ安を連発していますが、サヤ取りの場合は、売りと買い同数のポジションを持っていますので、市場が大きく動いても直接は、損益に影響しません。ストップが連続しても平然といられるのもサヤ取りという手法だからです。
A. 現在の板寄せ銘柄に、ザラバ化の動きがあるようです。板寄せがザラバになると、売買の発注方法に工夫が必要になります。また、マーケット構造が変化す ることも考えられます。こちらもセミナーで触れたいと考えています。
A. 拙著サヤ取り入門が世に出て、6年が経ちました。当初「大事なノウハウを本 に書くなんて」とか、「商売の邪魔をするな」などの声も聞こえてきて、 ちょっとへこんだのも事実です。でもサヤ取りを本業にしている数人の方から 声をかけてくれたりもしました。一般向け書籍で商品でのサヤ取りの本が皆無 だったこともあるのでしょうね。 本の内容に対しては賛否いろいろでしたが、私にいろんな事を教えてくれる 専業者や半専業者もいました。普通なら絶対に出会うことのなかった人達と出 会えた事は大きかったですね。そんなサヤ取り専業者達だけでなく、凄腕トレ ーダーの土屋氏、オプションの増田氏、システムトレードのギヤ氏、ニューラ ルネットの達人DM氏など各分野のエキスパート達と知り合いになれたことは、 お金では絶対買えない財産になりました。マーケットからいかに収益を上げる のかをサヤ取りという枠を超えて勉強することができました。
A.
サヤ取りは、ビジネスとしての売買法だと私は思っています。
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