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フィスコ投資ニュース

配信日時: 2024/03/01 17:06, 提供元: フィスコ

P−京橋アートレジ Research Memo(6):強みはネットワーク、推進力、企画力

*17:06JST P−京橋アートレジ Research Memo(6):強みはネットワーク、推進力、企画力
■京橋アートレジデンス<5536>の事業概要

4. 強みと課題
不動産開発創造事業の強みは、数々の事業実績に伴い構築した事業パートナーとのネットワーク、資産性やデザイン性の高い商品の安定供給、不動産開発へのDX導入による高い生産性と効率の良い事業展開である。つまり、ニッチな新築マンションを建設できる施工業者など、協力会社とつながるネットワークを持ち、瑕疵・住民対策を含め開発から販売までおおむね2年という短期間で事業を展開する推進力、同社内の建築企画部を中心にグループ企業や協力会社を巻き込んだ企画力が強みになっているということができる。また、ネットワークの一部とも言えるが、用地取得から設計施工、販売・賃貸に至る協力会社に対する監理力と一気通貫性も強みと言えよう。さらに、知名度や信頼が高まるにつれ太くなっている不動産仲介業者ほか、銀行や証券会社、税理士事務所、会計事務所とのネットワークも強みになってきた。このネットワークは今後の飛躍にとって大変重要で、物件や顧客である富裕層の紹介など同社ビジネスの入口と出口を補強する強みになってくると思われる。なお、ESG関連事業では、環境課題や社会課題に継続的に取り組んできたことで構築してきた、様々な業種とのネットワークが強みとなっている。

こうした強みによって、東京23区内の住環境や生活利便性、賃貸需要の高い立地に、4〜5階建、8〜14戸数という、他社があまり手を出さないニッチな不動産を開発、販売優位性の高い3〜5億円という手頃な価格で販売することができるのである。それが認知度と信用度の向上の源泉となり、同社の成長を支えていると言えるだろう。一方、強みをより発揮するための課題は、人材の確保及び育成にあると考えられる。

ニッチで参入企業が少ないため、特に同社の新築マンション事業の開発余地は非常に大きいと言える。上場によって管理面の人材が補強でき、内部統制やリスク管理体制の整備・強化及びコンプライアンスの徹底は進んだので、今後は開発や企画の人材を増強することで、新築マンションの引渡しを安定的に増やす計画である。なお、総資産86億円に対し在庫が54億円、借入金が68億円という財務体質が課題と言える。在庫と借入金については、在庫自体がプロジェクトとして資金調達と紐付いていること、金融機関とのネットワークが強固になってきていることから、事業の拡大に伴って増加する分には問題ではないと考えられる。ただし、財務数値的には、在庫をしっかり収益化し(できれば在庫回転率を引き上げ)、将来的に自己資本比率を向上させていく必要があるだろう。


事業展開を図るうえでM&Aも検討へ
5. 今後の事業展開
資産形成用賃貸不動産の開発については、人員体制や社外ネットワークの継続的な強化により23区を中心に開発数を増やす方針である。特に新宿、池袋、上野、品川など知名度の高いエリアでの供給を増やすことで顧客層の拡大や海外投資家向けの商品ラインナップの強化を図り主力である資産形成用賃貸レジデンスのマーケットにおける地位確立を目指す。現在も、仕入、企画、施工等に関して不動産DX企業との連携により情報収集管理システム、企画プランシステム、施工管理システムを採用しており、今後も出資先のAI、DX企業等との連携によりさらに開発力を高めていく予定である。新築戸建・宅地開発事業は今後も開発力を生かした共同事業を中心とした展開を行う予定であるがマンション開発に比べるとシェアは低下傾向にある。

リノベ再販事業では、企画力を生かせるレジデンスやオフィス、店舗などの一棟リノベ再販に加え、高額ヴィンテージマンションのリノベ再販を強化する方針である。また、企画、推進を主とした不動産コンサルティングやプロジェクトマネジメント事業についても拡大を図りつつ、オフィス、商業、医療などの複合開発も行う方針だ。次の展開として、不動産小口化やクラウドファンディングによる個人の資産形成用商品の構築も行い、認知度を高めていく方針である。一方、ESG関連事業においては再生可能エネルギー事業を継続、暮らし関連事業では地域貢献など環境や社会課題解決への取り組みを広げる予定である。そのほか、スタートアップ企業への出資や提携については既に事業シナジーのある企業やDX関連企業等数社と行っており、今後も積極的に展開を図る予定で活動している。こうした開発、コンサル、ESG関連の事業展開を広げるうえで既存事業とのシナジーや新規事業領域の拡大につながるM&Aについては積極的に推進する方針である。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)


《HH》

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