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フィスコ投資ニュース

配信日時: 2024/07/04 13:56, 提供元: フィスコ

アール・エス・シー Research Memo(6):2024年3月期は2度目の増額修正予想をさらに上回る大幅な増収増益

*13:56JST アール・エス・シー Research Memo(6):2024年3月期は2度目の増額修正予想をさらに上回る大幅な増収増益
■決算概要

1. 2024年3月期の業績概要
アール・エス・シー<4664>の2024年3月期の連結業績は、売上高が前期比34.3%増の8,097百万円、営業利益が同48.5%増の284百万円、経常利益が同51.2%増の300百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同91.4%増の245百万円と、2度目の増額修正予想をさらに上回る大幅な増収増益となった。

売上高は、新たにグループインした友和商工がPMI(買収後の統合プロセス)の順調な進展により増収に大きく寄与した。また、同社単体については、人材サービスが新型コロナウイルス感染症ワクチン接種会場の案内業務の終了などで落ち込んだが、旺盛な店舗改装や設備リニューアル需要を取り込んだ設備工事の伸びなどにより堅調に推移した。なお、計画を大きく上回ったのは、期初時点では読み切れない性質のスポット的な設備工事(主に友和商工)の上振れによるものである。

利益面でも、増収による収益の押し上げや固定費吸収により大幅な営業増益を達成した。特に、相対的に利益率の高い設備工事の伸びにより営業利益率は3.5%(前期は3.2%)に改善した。

財政状態については大きな動きはなく、総資産は前期末比1.2%減の4,201百万円とわずかに減少した。一方、自己資本は利益剰余金の積み増しにより同8.9%増の2,057百万円に増加し、自己資本比率は49.0%(前期末は44.7%)に改善した。

セグメントごとの業績及び活動実績は以下のとおりである。

(1) 建物総合管理サービス事業
売上高は前期比43.6%増の7,179百万円、セグメント利益は同20.9%増の672百万円と大きく拡大した。友和商工のグループインに伴う設備工事の伸びが業績に大きく寄与した。同社単体についても、警備部門において、東宝日比谷プロムナードの警備業務を開始したほか、清掃部門では名古屋、埼玉などにおける新規受注や巡回清掃業務(埼玉、名古屋、大阪エリア)※が着実に増加した。設備部門においては、サンシャインシティにおける店舗改装に伴うシャッター更新工事や大型家電量販店における昇降機設備等のリニューアル作業、学校給食センターにおける設備機器の修繕作業など多数の案件を受注することができた。利益面でも、原材料費や人件費の上昇などがコスト増加要因となったものの、受注拡大や価格の見直し、コストコントロールにより吸収し大幅な増益を実現した。

※巡回清掃とは月や週に何回など、頻度を決めて定期的に行う清掃のこと。人手不足の下、需要が拡大するなかで、同社にとっても集積度を高めながら、巡回エリアを広げていくことにより、限られたリソースで効率的に受注件数を増やすことができるため、今後も注力する業務の1つとなっている。


(2) 人材サービス事業
売上高は前期比10.6%減の918百万円、セグメント利益は同10.0%減の36百万円と減収減益となった。イベントプロモーション運営業務やアミューズメント施設の案内誘導業務、施設駐車場の管理業務などの臨時案件を受注したものの、新型コロナウイルス感染症ワクチン接種会場の案内業務の終了が大きく影響した。利益面でも、派遣スタッフの待遇改善と並行して、登録スタッフの採用・教育手法の見直し、イベント制作業務の内製化など原価管理の徹底を継続実施したものの、減収による収益の下押しにより減益となった。

2. 2024年3月期の総括
2024年3月期を総括すると、友和商工の連結化をしっかりと業績の伸びに結び付け、計画を上回る増収増益を実現した点で大いに評価できる結果となった。ただ、上振れの要因がスポット的な設備工事の伸びであった点には注意が必要であり、後述する業績予想の見方でも触れるが、その部分をどのように判断すべきかについては、今後もフォローしていきたい。また、活動面においても、AI警備システムの開発・販売を行うアジラとの業務提携を締結し、サンシャインシティにおいて実証実験を開始したことに加え、サンシャインシティプリンスホテルでのAI警備システムを活用した警備サービスの受注に結び付けたところは、警備DXの進展に向けて大きな前進と言えるだろう。さらに、東宝日比谷ブロムナード(丸ノ内・有楽町エリア)の警備業務の開始や巡回清掃業務の拡大などについても、エリア管理体制の構築により業務の効率化を図る同社戦略に沿ったものと評価することができる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)


《SO》

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