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フィスコ投資ニュース

配信日時: 2024/07/23 14:30, 提供元: フィスコ

MDNT Research Memo(10):企業ビジョン「VISION2030」の下、新中期経営計画の策定を進める

*14:30JST MDNT Research Memo(10):企業ビジョン「VISION2030」の下、新中期経営計画の策定を進める
■事業活動の進捗及び成長戦略

3. 企業ビジョン「VISION2030」の構築と新中期経営計画への展開
2022年4月より創業者である木村氏から久布白氏へ経営トップが交代し、新たな視点や論点を加味した新中期経営計画の検討を進めている。メディネット<2370>は、2030年を見据えた企業ビジョン(同社の10年後の目指したい姿)を描いた「VISION2030」を発表し、バックキャスティング(未来から現在へとさかのぼり道筋を描く手法)で「VISION2030」を達成するための新中期経営計画の策定を進めている。

同社は「VISION2030」を踏まえ、「経営方針と事業展開」を定めた。第1に「メディネットの強み・経験を最大限に活かした成長」の経営方針の下、事業展開として1) 特定細胞加工物製造受託の拡大、2) CDMO事業の基盤強化、3) 再生医療等製品の開発の加速化と新規シーズの育成を掲げた。第2に「環境の変化に対応し、継続的成長に向けた変革の推進」の下、1) 同社事業の収益性/生産性の向上、2) 同社事業へのシナジー、VISIONに合致する新規事業の育成を掲げた。第3に「会社基盤の強化」を掲げ、1) 「先を見据え、自ら一歩先の考動ができる」人財への活性化、2) DX実現に向けた社内環境整備の加速化を推進する。

さらに「経営方針と事業展開」を達成するため、「細胞加工業の2025年9月期の黒字化」「再生医療等製品の検証試験の開始」「新規事業の育成・収益化」を掲げた。そのなかで弊社が注目するのは、久布白氏が改めて「細胞加工業の2025年9月期の黒字化」を強調したことである。同社のコア事業である細胞加工業はコロナ禍の影響を大きく受けて、営業損失が拡大した。利益回復と黒字化を2023年9月期と設定していたが、コロナ禍の長期化による患者数回復の遅れと新細胞種による加工受託メニューの提供開始時期の遅れにより黒字化を先送りにした。しかし、再び細胞加工業の複数の売上拡大要因を確実に実行し成果を上げることで、「細胞加工業の2025年9月期の黒字化」を確実に達成できるよう万全を期して臨むこととなった。

さらに「経営方針と事業展開」で第3に掲げた「会社基盤の強化」における取り組みとして運用を開始した「株式報酬制度」に注目したい。「株式報酬制度」は、業績・株価と連動して支給されるインセンティブ報酬制度のことで、簡単に言えば自社株をもらう権利を付与される制度である。企業によって設けられた勤務条件を達成した場合に、一定期間経過後に報酬として株式を受け取ることができる仕組みである。日本企業の慢性的人材不足が言われて久しいが、同社でも若手の優秀な人材(細胞加工技術者やバイオ研究者など)確保が喫緊の経営課題となっており、現有社員のモチベーション高揚と優秀な人材獲得の有効手段として、2023年9月期より導入した。細胞加工業の黒字化と株価が上手く連動すれば、社員にとっては働きがいの動機付けになり得るだろう。

2022年4年に久布白氏が社長就任時に「細胞加工業の2025年9月期の黒字化」を強調したが、現時点の業績から見ると達成は厳しいように思われる。「黒字化目標の期ずれ」は止むを得ないとするも、検討中の新中期経営計画では早期黒字化のための“あらゆる施策”を総動員したアクションプランと実行が期待される。

4. 2024年9月期第2四半期における事業展開の進捗
「VISION2030」で掲げた第1の経営方針「メディネットの強み・経験を最大限に活かした成長」における、2024年9月期第2四半期の具体的な事業展開の進捗は以下のとおりである。

(1) 特定細胞加工物製造受託の拡大
新規加工技術を生かした取り組みの進捗は以下のとおり。
・「NKT細胞活性化樹状細胞」は安定受注
・「脂肪由来間葉系幹細胞(ASC)」の加工受託開始(2024年10月開始予定)
・「歯科領域における新たな骨造成治療法」のセルアクシアとの共同開発を推進

(2) CDMO事業の基盤強化
ヤンセンファーマの治験製品「カービクティ(R)点滴静注」の製造受託が拡大した。同治験製品の市販製造受託を目指し取り組んでいる。

(3) 再生医療等製品の開発の加速化と新規シーズの育成
九州大学との共同研究(α-GalCer/DC)について、慢性心不全患者を対象とした医師主導第IIb試験は2023年9月末で症例登録終了した。現在は試験データの解析を進めている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水啓司)


《SO》

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