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フィスコ投資ニュース

配信日時: 2024/07/26 13:46, 提供元: フィスコ

ローランド Research Memo(6):利益増を伴う「質の高い成長」により、企業価値の拡大を目指す(1)

*13:46JST ローランド Research Memo(6):利益増を伴う「質の高い成長」により、企業価値の拡大を目指す(1)
■中期経営計画

ローランド<7944>は、2023年2月に中期経営計画(2023年12月期〜2025年12月期)を公表した。「Create Fans For Life! 〜生涯にわたるファンを生み出し、より多くの音楽愛好家に愛されるブランドになる〜」をターゲットとして、Game Changerによる市場創造と潜在顧客へのアプローチによる「需要創造」、ポータブル・キーボード市場への再参入と新興国での販売拡大、Roland Retailによる「シェア拡大」、音楽を生涯楽しんでもらうための仕組みづくりによる「LTV向上」、長期ビジョン実現に向けた人的資源活性化とインフラ投資による「基盤強化」の4つを基本戦略としている。業績目標は、2025年12月期に売上高1,232億円、営業利益179億円、親会社株主に帰属する当期純利益134億円、ROIC20%以上を掲げている。なお、長期ビジョンとして「The World Leader in Music Creation 〜音楽創造分野において世界的リーダーとなる〜」を掲げ、売上高2,000億円以上、営業利益率15〜20%を長期的な目標としている。なお同社は、コロナ需要の反動減や各国の経済状況の変化から、中期経営計画の数値目標達成時期は後ろ倒しになることを、2023年12月期決算発表時に表明している。

中期経営計画におけるキャピタルアロケーション方針では、営業キャッシュ・フローは「投資」「株主還元」「借入金返済」にバランス良く配分するとしている。2023年12月期から2025年12月期までの営業キャッシュ・フロー累計額は422億円を見込んでおり、そこから投資へ166億円、株主還元へ159億円、借入金返済へ97億円を充てる。投資では、新製品開発に伴う金型投資等の通常投資に54億円、事業所再編や基幹システム、生産設備等の基盤強化や、Roland Retailの強化といった成長投資に112億円を投資する。また、借入金返済については、財務健全性を向上させ、次の成長投資に向けたデットキャパシティの拡大を意図している。同社では、営業キャッシュ・フローをキャピタルアロケーション方針に基づき適切に配分しており、利益の蓄積に伴って財務基盤も強化されると弊社では見ている。

1. 基本戦略
中期経営計画における基本戦略には、Game Changerによる市場創造と潜在顧客へのアプローチによる「需要創造」、ポータブル・キーボード市場への再参入と新興国での販売拡大、Roland Retail戦略による「シェア拡大」、音楽を生涯楽しんでもらうための仕組みづくりによる「LTV向上」、長期ビジョン実現に向けた人的資源活性化とインフラ投資による「基盤強化」の4つを掲げている。

(1) 需要創造
Game Changer製品・サービス及び新製品により市場を創造する。新製品は不確実な環境下でも売上と利益に確実に貢献しており、特にGame Changerはより高い利益率が期待できる。具体的な取り組みとしては、ポテンシャル市場(eスポーツ、ポータブル・キーボード、ギター・シンセサイザー等)への新製品投入や、Drum Workshop, Inc.との技術シナジー創出、「Roland Cloud」を通じたサービスやアップデータの提供を挙げている。

また、潜在的な顧客獲得によるビジネス拡大も目指す。電子ピアノでは、製品・サービス及び販売機会(チャネル)の拡大に注力する。エントリーモデルとしては、新規チャネルの開拓や購入しやすい価格帯の販路限定モデルを発売する。中高価格製品は、アコースティックユーザーを狙った新製品やコラボレーションモデルの促進を進める。「Roland Cloud」は、コンテンツや連携レッスンアプリを充実させる。ドラムでは、Drum Workshop, Inc.とのシナジーを創出し、電子ドラム・アコースティック・ドラム市場の深耕を図るとともに、ハイブリッド・ドラム市場の拡大に注力する。これにより、ドラム市場でのさらなる優位性を確立する。

(2) シェア拡大
新市場への挑戦と新興国での販売拡大を推進する。このうち新市場については、ポータブル・キーボード市場へ本格再参入する。同社は、世界のポータブル・キーボード市場規模(同社定義)約700億円に対してシェアは3%未満と考えており、成長余地は大きい。製品ラインナップを大幅に拡充するとともに、「Roland Cloud」でのコンテンツ、サービスの提供により差別化を図る。一方で、新興国市場については、膨大な人口を持ち、かつ中間層が増加している中国・インド・インドネシアを注力市場と定めている。新興国専門チームをグローバルに構築し販売拡大をすすめる。Roland Retailについては、オフライン面では米国、日本、中国、欧州エリアといった主要国への出店を計画しているほか、各国の主要楽器店に、同社専用コーナーを追加設置することで世界重点地域を網羅する。オンライン面では「Roland Direct EC」や3rd Party Platformを活用し、D2Cを強化する。これらの取り組みにより、顧客接点を質・量ともに向上させる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木稜司)


《SO》

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