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フィスコ投資ニュース

配信日時: 2024/12/04 11:06, 提供元: フィスコ

売れるネット広告 Research Memo(6):M&Aをスムーズに進めるためホールディングス化を計画

*11:06JST 売れるネット広告 Research Memo(6):M&Aをスムーズに進めるためホールディングス化を計画
■売れるネット広告社<9235>の成長戦略

1. 市場環境
同社の属するEC市場は物販系分野のBtoC EC市場が右肩上がりに成長、EC広告市場は国内広告費がオフライン4媒体やプロモーションメディアからインターネット広告へシフトする流れが加速、海外でも成長が継続している。同社の顧客に多い健康食品市場は、高齢化・健康意識の高まりから右肩上がりに成長、ターゲットである健康食品のクライアントも増加している。オルリンクス製薬が展開している化粧品市場は、女性の社会進出によりインターネットを通じた消費が拡大、供給サイドの中小化粧品メーカーも通販やOEM製造の普及から増加している。越境EC市場は、同社がターゲットとするシェアの高い中国、米国、日本を中心に成長を続けている。M&A市場は、300万社以上あると言われる中小企業において事業承継型のM&Aは高水準を維持、緩やかに増加を続けている。グローバル情報通信市場が狙うインバウンド旅行者数はコロナ禍を経て再拡大、政府目標として2030年には6,000万人を目指す一方、アウトバウンド旅行者数も回復傾向にある。

このように同社の関わる市場環境は良好なうえ、M&Aも活発化しており、サービス領域を拡大しやすい状況となっている。これを受けて、M&Aをスムーズに進めサービス領域の拡大を加速するため、2025年1月に同社のホールディングス化を計画している。特に内部環境面で、M&Aに適した柔軟な体制に加え、グループの管理体制強化、横軸組織による経営資源の最適化、意思決定の迅速化、協力し切磋琢磨するための事業会社間の対等な関係、従業員の経験となるチャンスの付与、経営者の育成などホールディングス化の効果は大きく、その結果として、「爆発的に成長する」ことを目論んでいるようだ。


国内はダイレクトマーケティング、海外は越境ECで成長

2. 主な成長戦略
同社は特に、国内ダイレクトマーケティング事業、越境EC事業、D2C(ネット通販)事業、グローバル情報通信事業を中心に成長戦略を推進する意向である。

(1) 国内ダイレクトマーケティング事業
D2C(ネット通販)向けデジタルマーケティング支援事業の国内ダイレクトマーケティング事業における成長戦略では、新規クライアント数、長期継続クライアント数、クライアント単価の増加を狙っている。新規クライアント数の増加では、セミナーやインターネット広告に加え、サービス領域拡大とともに増えるクライアント同士やグループ会社間の紹介を増やす計画である。長期継続クライアント数の増加では、「売れるD2Cつくーる」に自動生成AIや決済システムを導入し利便性を高める考えである。クライアント単価の増加では、サービス領域の拡大とともにクロスセルを増やすことで単価を引き上げる方針である。加えて、既存業界に限定した場合でも約200億円の潜在的マーケットがあると同社は考えているが、保険や人材、不動産、金融などへと業界の拡大も図る。足もとでも、金融業界に強いグルプスの子会社化によって金融業界のクライアントが増えてきたようだ。このため、人員を増員して営業体制を強化しているところである。

(2) 越境EC事業
越境EC事業では、市場性が厚く日本ブームの中国と米国への特化を継続し、A/Bテストを繰り返すことで越境ECノウハウを確立する計画である。米国では、フルフィルメントを外部委託し、モール出店や広告運用を支援する。中国では、中国市場を知り尽くしたアクセスブライト社から買収した倉庫や人材などインフラをベースに、中国におけるフルフィルメント、SNS運営代行、インフルエンサーの手配などマーケティング支援を行う予定である。また、日本企業で初めて中国「小紅書(RED)」に百貨店タイプのストアページも開設した。こうして積み上げた越境ECノウハウを通じて、「売れるネット広告社に依頼すれば世界中のダイレクトマーケティング領域の課題が解決する」=「世界一のダイレクトマーケティング<売れる広告>支援グループになる」ことを目指す。

(3) D2C(ネット通販)事業
オルリンクス製薬の化粧品D2C事業では、ソーシャルEC戦略チームによるマーケティング戦略を強化し、既存商品の販売拡大とマーケットインの考え方に基づく新規商品の開発を進める計画である。また、売れる越境EC社と連携して、米国や中国など海外向け販路の拡大を図る。

(4) グローバル情報通信事業
「世界最大のツーリストプラットフォーマー企業になる!」という目標に向けて、グループ全体で旅行者の課題を解決できるサービスの提供を行う考えである。まずJCNTの「Transfone」により、通信における課題を解決するサービスを拡充する方針である。現在、「Transfone」のサービス提供はアウトバウンド旅行者(国外観光や出張者)と全国の修学旅行生向けサービスが中心となっているが、大きな成長が見込まれるインバウンド旅行者と国際旅行者(外国人による国外旅行)をターゲットに、新たな組織を設置してサービスを拡大する計画である。将来的には、「言語」/「移動」/「宿泊」など様々な課題を解決できるサービスの展開を目指す。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)


《HN》

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