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フィスコ投資ニュース
配信日時: 2024/12/17 15:01,
提供元: フィスコ
リアルゲイト Research Memo(1):営業利益で前期比39.7%増。ストック型収入が堅調に積み上がる
*15:01JST リアルゲイト Research Memo(1):営業利益で前期比39.7%増。ストック型収入が堅調に積み上がる
■要約
リアルゲイト<5532>は、渋谷エリアを中心とした都心の築古中小ビルをスモールオフィス・シェアオフィス等に再生するフレキシブルワークプレイス(FWP)事業を展開する成長企業である。2009年の創業以来、15年連続で増収を達成してきた。同社を創業以来率いるのは、一級建築士の資格を持ち、海外のヴィンテージ建築をこよなく愛する岩本裕(いわもとゆたか)代表取締役である。創業当初のビジネスモデルはプロパティマネジメント(PM)であったが、2012年にマスターリース(ML)を開始し、2017年以降は設計・施工にも進出した。コロナ禍にあった2021年7月にはサイバーエージェント<4751>の連結子会社となり、経営管理やガバナンスの体制が整備された。2023年6月には、東京証券取引所(以下、東証)グロース市場への上場を達成した。現在は金融機関との信頼関係も強化されて物件の保有や売却を積極化しており、多様なスキームの駆使によって成長が加速している。
1. 2024年9月期通期の業績動向
2024年9月期通期は、売上高が前期比14.0%増の7,948百万円、営業利益が同39.7%増の766百万円、経常利益が同30.0%増の629百万円、当期純利益が同36.5%増の380百万円と大幅な増収増益を達成した。売上高に関しては、ストック型・フロー型ともに順調に推移した。ストック型では既存運営物件は年間を通して安定した稼働を維持し、2024年9月末には稼働率で99.04%と過去3年間の最高値を記録した。下半期には「AMBRE」(渋谷区)や「OMB目黒中町」(目黒区)など保有物件が開業し事業規模が拡大した。運営中物件は62棟(前期末は58棟)、運営面積は98,923平方メートル(同85,437平方メートル)といずれも前期を上回る。フロー型では、3件の大型工事竣工・引渡に加え、2件の売却が上期に成立した。売上原価は前期比11.1%増、販管費は同21.0%増と一定水準を維持した。結果として、営業利益は同39.7%増の766百万円と通期計画の640百万円を余裕を持って達成した。利益好調の要因は、稼働率の上振れ、新規物件の早期リースアップ、販売用不動産の売却益上振れなどである。
2. 2025年9月期通期の業績予想
2025年9月期通期の業績予想は、売上高で前期比19.5%増の9,500百万円、営業利益で前期比30.4%増の1,000百万円、経常利益で同31.0%増の825百万円、当期純利益で同49.9%増の570百万円と高い利益成長が続く計画である。成長戦略としては、物件の高稼働によるストック型収入を着実に増やしながら、積極的な自社保有物件並びに大型ML物件の新規獲得を進めることで、業績拡大及び収益性向上を目指すとしている。売上高の内訳としては、ストック型売上5,904百万円(前期比7.0%増)、フロー型3,595百万円(同48.1%増)となりフロー型の伸びが著しい。フロー型では、計画していた2件の物件売却が既に2件とも売却契約が完了している。「(仮称)目黒区大橋1丁目新築PJ」の土地は引渡し済であり、「OMB目黒中町」については25年3月引渡し予定となっている。。営業利益に関しては、中期経営計画の利益成長目標に従い30%成長を目指し、売上高営業利益率では10.5%(前期は9.6%)に達する予想である。新規開業する物件のリーシングを進め早期に黒字化させることや、既存物件の賃料適正化の取り組みの成否が収益性向上のカギとなるだろう。弊社では、既存獲得物件のみで2025年9月期の売上高の達成が可能であることや、建築費上昇の影響でビルオーナーから築古再生の問い合わせが大幅に増えていること、リーシングに注力する物件はいずれも同社が得意とする渋谷区・港区エリアであり早期のリースアップが期待できること、などから業績予想の達成可能性は高いと考えている。
3. 中長期の成長戦略
同社は2025年9月期を初年度とし、2027年9月期を最終年度とする3ヶ年の新中期経営計画をスタートさせた。この計画は、前中期経営計画(2024年9月期〜2026年9月期)をローリングさせたもので、大幅に計画値が上方修正された。具体的には、前中計では営業利益の成長ペースが年率15%前後だったのに対し、新中計では年率30%前後に引き上げた。この背景には、外部要因として建築費高騰や利上げ、環境配慮のトレンドなどから築古再生ソリューションの需要が伸びていることが挙げられる。また、内部要因としては、財務基盤や人的資本が強化され、物件の獲得を積極的に行える体制が整ったことが大きい。既に獲得済の物件による売上構成が2025年9月期で100%、2026年9月期で90%、2027年9月期で70%と高いため、売上計画達成に向けた確度は非常に高いと言えるだろう。なお、7年後の2031年9月期の営業利益目標は50億円としている。
■Key Points
・築古中小ビルをスモールオフィス・シェアオフィス等に再生・運用する事業を展開。サイバーエージェント傘下で成長加速
・2024年9月期は営業利益で前期比39.7%増。運営物件の稼働率は99%を超え、ストック型収入が堅調に積み上がる
・2025年9月期通期は、営業利益1,000百万円を計画。獲得済物件の販売によるキャピタルゲインが利益貢献の見込み
・新中期経営計画では、営業利益を年率30%以上成長させ、2027年9月期に営業利益17億円を目指す。保有モデルとML大型化を継続、オフィス+ホテルなど新たな企画にも挑戦
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
《HN》
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