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フィスコ投資ニュース
配信日時: 2025/03/14 15:34,
提供元: フィスコ
【ヘッドウォータース】過去最高売上高を6年連続更新・今期は積極投資も|2024年12月期通期決算説明(5)
*15:34JST 【ヘッドウォータース】過去最高売上高を6年連続更新・今期は積極投資も|2024年12月期通期決算説明(5)
【ヘッドウォータース<4011>】過去最高売上高を6年連続更新・今期は積極投資も|2024年12月期通期決算説明(4)の続き
しかし、最近はAI系のプロジェクトが圧倒的に増えているため、多くのエンジニアがその領域に関わるようになっています。フルスタックエンジニアというわけではありませんが、クラウドの知識がありつつ、AI開発もできる、さらにバックエンドやフロントエンドの開発も対応できるなど、幅広いスキルを持つ人材が増えてきています。
結果として、さまざまなプロジェクトの波や、それぞれのプロジェクトの要素に応じた人員のやりくりがしやすくなり、利益率の向上にもつながっています。また、単に「プロジェクトを通じて勉強した」というレベルではなく、実際にAIソリューションの開発を経験したエンジニアが非常に増えているという状況になっています。
あとは、実施案件数についてですが、一時的に下がったものの、現在は下げ止まり、再び増加傾向にあります。
これまで、幅広い企業のプロジェクトを営業的に獲得してきた部分もありましたが、最近は本当にエンタープライズ企業に絞って営業を進めています。具体的には、年商1,000億円規模の企業でも慎重に検討するレベルで、基本的には年商1兆円以上の企業をターゲットにしています。そのため、一時的に案件数は減少しましたが、現在はエンタープライズ企業の案件が次々と獲得できており、案件数も再び増加しています。
また、AI関連の案件が増えていることに加え、1件あたりの売上も上昇しています。お客様をエンタープライズ企業に絞ったことで、1案件あたりの年間売上も上がっており、これは戦略通りです。
続きまして、成長戦略の進捗状況についてお話しします。今年のキーワードとして、全世界的に「AIエージェント」が注目されています。私もアメリカの展示会に行き、アクセンチュアなどの講演を聞いてきましたが、やはり「AIエージェント」という言葉が頻繁に登場していました。日本でも、AIエージェントを活用したいというニーズが増えているのを感じます。
AIエージェントとは、ユーザーインターフェース(UI)の一つの形であり、1つのエージェントがさまざまなことを理解し、能動的に作業を進める仕組みです。ただし、その実現には高度な技術が必要であり、特にバックエンド側ではクロステック(X-Tech)が不可欠になります。単純なチャットボットのようなものは比較的容易に開発できますが、本当に求められるエージェントは、状況を理解し、自ら判断して対応できるものであり、その開発には高度な技術が求められます。
過去には、RPA(Robotic Process Automation)が流行した時期がありました。RPAは、パソコン上の業務を自動化し、ユーザーの操作を記録・再現する技術で、ルールベースのAIに近いソフトウェアでした。しかし、現在のAIエージェントは、その領域を超え、人間のように思考し、判断し、対応するレベルへと進化しています。
当社はすでにいくつかのAIエージェントの事例を持っており、本日発表しているIR資料にもAIエージェント向けの新たなサービスを展開していることを示しています。今後、トップランナーとしてこの領域をしっかり捉え、成長を加速させていきます。マイクロソフトを中心とした大手企業とのアライアンスを、短期的にはしっかりと伸ばしていく方針です。
長期的には、ストック収益を積み上げていくことが重要だと考えています。私はよく、「ストック比率が50%程度ある方が健全だ」と話していますが、そのために、プロジェクトの受注だけでなく、ライセンス提供を進めながらストック収益の比率を上げていくことが必要です。
どのような状況でも収益を安定的に確保しながら、最新のテクノロジーを素早くキャッチアップし、実装していくことが、当社の本質的な強みです。そのため、半分はストック型の収益を確保しつつ、もう半分は新規の技術やサービスを次々と形にしていくエンジニア集団であり続けることが、最大の武器だと考えています。このバランスが取れた状態が、最も理想的な形だと思っています。
これはよく話す内容ですが、1つの事例としてコンビニエンスストア向けのソリューションについて説明します。当社が窓口となり提供しているこのソリューションは、基本的に当社のソリューションですが、各部品にはさまざまな技術が組み込まれています。
例えば、コンビニエンスストアの天井には多くのカメラが設置されており、これにはソニー製のスマートカメラ(センサー+AI搭載のエッジAIカメラ)を使用しています。これらのカメラで取得した映像データは、クラウド上で分析され、AIによる付加価値の提供が行われます。クラウド環境にはマイクロソフトのAzureを利用しています。ただし、すべてのデータをリアルタイムでクラウドに送信し分析すると、トランザクションコストがかかりすぎるという課題があります。
そのため、オンサイト(現場側)である程度の処理を行い、小さくしたデータをクラウドとやり取りする仕組みが現実的だと考えています。これを実現するために、現場ではスーパーコンピューターやNVIDIAのGPUを活用し、処理を最適化する形でコンビニエンスストア向けのソリューションを提供しています。現在、複数の企業に導入しています。この技術の応用として、現在物流関係や不動産領域にも展開しています。例えば、ビル内に多くのセンサーを設置し、リアルタイムで可視化・運用する取り組みも進めています。
これは、クライアントとのやり取りによるため、発表できるタイミングが来れば改めてお話ししたいと思います。ここで伝えたいのは、当社のソリューションの部品として、マイクロソフトやソニーといったグローバル企業の技術を組み込んでいくということです。単に「使う」という表現ではなく、パートナーシップを組みながら、一緒にソリューションを構築していくという考え方になります。
例えば、iPhoneのカメラについているビジョンセンサーはソニー製ですが、iPhone自体は世界中の最高品質と言われる部品を組み合わせて設計されており、その結果、世界最高峰のガジェットとして完成しているわけです。内部の7割近くは最高レベルの外部部品を活用し、それらを最適に組み合わせることで、iPhoneという製品が生まれています。当社も、この考え方をソフトウェアで実現していきたいと考えています。
ここ1年で当社と関わる企業が増えており、その関係性も多様化しています。時にはお客様として関わり、また時には共同で開発したものを一緒にサービス化し、販売するケースもあります。例えば、ソニーと協力して展開しているプロジェクトなどがその一例です。
つまり、お客様でありながら、当社がその企業の顧客になる場合もあり、相手から技術や製品を仕入れたり、共同で展示会に出展したりするなど、さまざまな形で連携を進めています。
こうしたアライアンスをしっかりと構築し、今後もさらに拡大させていくことが、当社の営業戦略および事業展開の大きな柱の一つです。この戦略は、日本国内にとどまらず、グローバル展開においても同様の方針で進めていきたいと考えています。
【ヘッドウォータース】過去最高売上高を6年連続更新・今期は積極投資も|2024年12月期通期決算説明(6)続く
《FA》
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