「世界同時株安に勝つ心理学」
−自分の心理の克服が成功トレーダーを作る−
2007年は何度も繰り返す世界同時株安に前後して、乱高下相場の荒れる展開になってきました。我々の調査でも、個人投資家の7割以上が今年2月から3月の世界同時株安で大きな被害を被っています。
このような中で、長期的に成功する個人投資家(トレーダー)とは、いったいどのような資質を備えているのでしょうか?
本格的に株式、FX、先物などのトレードに取り組む個人投資家は、マーケットが投資家の心理状態を強く反映していることを知っています。また、さらに経験を積んだトレーダーであれば、自分自身の心理がトレードに強く影響を及ぼすことに遅かれ早かれ気がつくことになります。
このトレーダーの心理的側面の問題点について答えてくれる投資文献は極めて少数です。本書は、その少ない中で最も本質と実践的な観点からトレーダーに明確な指針を与えてくれる一冊です。
著者のジェイク・バーンスタインは、テクニカルアナリストとしても人気が高い商品先物の現役トレーダーであり、同時に行動心理学者として、学術的観点から投資期の心理とそのスキルについて非常に貴重な視点を与えてくれます。
著者はまず、最初の前書き2ページでトレーダー読者の心をわしづかみにします。そして、「トレードシステムは自動車レースのようなものである。鍛錬したドライバーはレースに勝ち、信じられるようなハンドルさばきを見せるが、未熟なドライバーは数分間運転しただけでクラッシュする可能性もある」と言っています。
本文を読み進むにつれて、読者自身がいかに投資の本質を知らないか、トレードの成功はシステムよりもトレーダー自身に起因するものである事を気づかせてくれます。
バーンスタインは、マーケットを実際に理解しておらず、重要な知識がかなり不足しているにもかかわらず、大成功を収めたトレーダーが数多いことに気づきました。そして、行動心理学の観点から、それはトレーダーの経験、洞察力、自己鍛錬などのスキルが可能にするものであり、最適の学習と理解があれば、いつでも獲得可能であるとしています。
しかしこの一方で、これほど多くの個人投資家が大きな損失を被っている理由は、合理的に鍛錬され秩序だったアプローチに従うことができないと言っています。
この点に関して私どもの経験では、長年の経験から開発された戦略的投資システムのアプローチをコーチングプログラムで成果との関係を計測するなどコーチと連携することにより、これは十分に可能であることが分かっています。
「時間のない忙しい読者」や「心理学のような難しいお話しは苦手だ」という読者には、この本の以下の章を読むだけでも購入する価値があります。
プロローグ
第3部 あなたの投資家指数は?
第8章 チェックリスト
第5部 明日への挑戦
全章
「世界同時株安」の荒れる相場の中、じっくりと時間を取って自分の内面にふれてみるのも、自分自身の投資家としての成長に役立つことになるでしょう。