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『相場の心理学』

ラース・トゥヴェーデ
ダイヤモンド社
四六判 416頁
2001年1月発行
定価2,800円+税

今回コメントくださったお客様は 亜味 米人さんです
Q1 オススメ書を教えて下さい。

「相場の心理学」は私の株売買技術の研究において、 その根拠を得られる投資書の一冊になっている。

相場に限らず身の周りに起こる事象には不可解で予 測しがたいことが多くなっている。近年に至ってはます ますその度合いを強めているのではないだろうか。相 場は元々不可解で予測できないものと思っている。そ れに加えて不確実な時代が到来しているのだから、ま すます「明日の相場は分からない」と思わざるを得ない。 それでも相場に向き合っていきたいと思っているので、 知識を駆使し、知恵を絞り出して売買技術を研究する ことになる。よく考えると、半年や一年後のことは見通 せなくても一ヶ月先くらいは見通せることがあるのに気 づく。相場が一週間後や一ヶ月先にどうなるかは全く考 えられないことではない。そんな思いをしているとき、 「相場の心理学」で「タバコの煙はタバコから遠ざかる 程に拡散する。しかし、タバコから出たばかりの煙は どこに立ち昇るかは予測できるだろう」という主旨の 文言に出会った。これぞまさしく私が追求している株の 短期売買技術の考え方に符合するものであった。

「相場の心理学」で心理学そのものに言及した記述は 難解なところはあるが、論旨がはっきりしていて相場に 向き合う人の心理を解き明かしている。全般は短期売買 でのテクニカルな面の有意性が記述されており、そのこと は前記した主旨の文言に象徴されていると思う。

かっての高度経済成長期では長期投資が王道とされて 、多くの個人投資家は資産の形成をみたであろう。しか し1990年頃からのバブル経済崩壊によってその様相 は一変している。失われた10年、ということが言われて いるが、それには経済成長の再来への期待があること を否定できないだろう。経済成長の再来について私は 懐疑的である。不確実な現在と将来において、投資と 投機はどうあるべきかを今こそ考えねばならない。株の 短期売買は兎角に刹那的、姑息という見方をされがち であるが、安全で継続していける売買技術が見出せる のであれば、これからの不確実な時代での有用性を もたらすことは間違いない。

そういうわけで、「相場の心理学」は短期売買技術を研 究したいと思っている人にお薦めしたい一冊である。

Q2 5点満点で採点すると?
読みやすい★★★
知識がつく★★★★★
おもしろい★★★
専門的★★★★
総合オススメ度 ★★★★

亜味 米人さん

1940年代後半の団塊世代生まれ。製造業の生産技術、住宅機器販売等の職種を経て、現在は金融情報システム のインテグレーションに関わっている。

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著書:『ヘッジ売買法』

ありがとうございました。

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