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マーケットのテクニカル百科 入門編ロバート・D・エドワーズ/ジョン・マギー/W・H・C・バセッティ/長尾慎太郎 パンローリング「テクニカル分析の古典にふれる」 私はこれまでテクニカル分析については、かなり懐疑的であった。ただ、「食わず嫌い」的なところがあり、テクニカル分析についての著作をきちんと読んだこともなかったので、本書を読んでみた。 本書は、テクニカル分析を中心にした内容の書籍としては「古典」と言われるものだろう。改訂が続けられているとはいえ、紹介されている具体例は1940年代のものが多い。 ダウ理論を基本として、様々なチャートパターンについて詳しく解説がなされているが、ダウ理論そのものを詳しく解説したものではないため、全体の印象としてはパターン分析的な内容が中心となってとおり、これを現在、すぐに日々の売買に生かすことはそんなに簡単ではないと感じた。 チャートには人間の複雑な心理的な動きが反映されているという指摘は、全体として見ればそのとおりだと思う。ただ、傾向としては「後講釈」的になりがちな面はあり、実践に応用するためには、これを自分なりに消化して自分のルールを確立する必要かあるだろう。 私自身、テクニカル分析に懐疑的であるとは言っても、実際に売買する時にはチャートの傾向や出来高程度は確認する。ファンダメンタルズ的に大きな問題がないと思われる銘柄について、チャートが急落していたり、あるいは横にべたーっと寝ている状況の時に、そこから分割して買い下がり、反発したら部分的に売却していくような方法を取っているが、本書の内容なども参考にしつつ、自分が注目している銘柄にあてはめて自分なりの解釈や方法論を深める中で、よりしっかりとした「自分ルール」を確立していきたいものだと思う。 ただ、少なくともファンタセメンタルズ分析がその前提となる予想なの見通しが当たらないことによりさしてあてにならないのと同程度には、テクニカル分析も過去の株価の値動きの一般的な傾向を整理したものであり、決して株価を「予見」できるようなものではないことは意識しておきたいものだと思う。 (ふしみん 40代 公務員)
初版刊行から50年以上読まれているという、テクニカル分析の名著。以前より、その存在は知っていましたが、実際読むのは今回初めてでした。 内容は、ダウ理論に始まり、ヘッドアンドショルダー・トライアングル・ダブルトップなどの反転パターン、保ち合い、ギャップ、支持線&抵抗線、などのテクニカル分析の基本が中心となっている。その説明についても、細かく丁寧で、初心者にもわかりやすい構成になっている。初版が50年以上前ということだから、今まで私が読んできたテクニカル分析の本の著者も、この本で勉強している可能性が高いのでは?テクニカル分析を学んだ人にとっては、既知のテクニカル分析になるのかもしれませんが、この本を使って再度復習すれば、今まで気付かなかった“何か”を発見できるかもしれません。 テクニカル分析の入門書としての内容は、十分満足のいくものでしたが、この本を読んで私自身が最も感銘を受けたのは、著者のテクニカル分析に対する信頼感です。特に、ランダムウォーカーに対し、チャートを見せて、そこに何度も現れるチャートパターンやトレンドチャネルを“これらのパターンがランダムだと本当に思うか”と問い掛けたという話に、感心しました。確かに、チャートを見ると、きれいなダブルボトムなど見つけることが、あります。ただ、ランダムウォーカーの本を読むと、やっぱりチャートパターンはないのかな?と思ったりして、テクニカルとファンダメンタルで、どちらが正しいのか?と悩んだこともありました。ただ、この本を読んで、テクニカル分析の有効性を確信した次第です。(ただ、分析の能力は、個人差があるので、その差による分析結果が、テクニカル分析の有効性を懐疑的にさせる原因なのかと思います。) 入門編でも、かなり内容のある本だったので、是非、続編も読んでみたいと思います。 (実践編は、トレード戦術なので、実際のトレードに活かしてみたいです。) (ペンネーム: ロンリートレーダー)
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