投機と投資を混同している人々が多い今こそ本書で
バリュー投資の重要性を再確認すべきだと思いました。
特にこれから投資を始めたいと考えている人は必読です。
バフェットの恩師と言われるグレアムの「古典」的著作。
出版は今から30年以上前のものである。
この著作の本質は「時価に対して大きな安全域を有した価値のある
銘柄を探す」ということである。そうした意味で、いわゆるバリュー株
投資の教科書とも言われるもの。
本書は30年以上も前の著作であり、とりあげられているのも米国市場
の状況、具体的に紹介されている銘柄も当然、当時の米国市場の銘
柄であるため、私たちがこの本を読んですぐに具体的なイメージをと
らえるということは難しい。そうした意味で読みやすい内容、気軽に読
める内容ではない。
しかしながら、その本質は、日本のバブル、近くはITバブルやインタ
ーネット関連銘柄の高騰と暴落なと繰り返される株式市場の波の中に
あって、現在も充分に通用するものがあると感じられた。
投機と投資を厳密に区別し、自らの基準を明確にし、それに合わない、
それは少々厳しすぎる基準のように感じられる面があったが、銘柄を除
外して分散投資のポートフォリオ運用を行うこと、特定銘柄への集中投
資はもちろんのこと、分散投資であっても株式のみへの投資を行うので
はなく債券と株式の運用割合の比率を充分に検討することなど、長期
運用の視点に立てば、今日、なお言われ続けながらそれを忠実に実践
するのはなかなか難しい基本的な投資スタンスが示されていると感じた。
しかし、やはりそれをきちんと実践するのはたやすいことではない。
目先の値動きのよい銘柄に着目し、そこから抜け目なくある程度の利益
をかすめとるような方法も、時には有効であり、その方が手っ取り早いよ
うに感じられることもあるからである。
しかし、それでいいのかどうか。自分自身の投資方法や投資スタンスを
本書をじっくり丁寧に読み込むことによって見つめ直してみるのは、やは
り意義のあることだと思われる。
オーディオブック 賢明なる投資家
まず、CDの内容についてですが、文中に何度も出ている個人投資家のあるべき姿として、(1)防衛的投資家、(2)積極的投資家が述べられていますが、大変細かく、丁寧に何度も開設されており、納得できる部分や、目からウロコが落ちるような感覚が何度も体験できました。内容的には例が古い部分が多く、外国の話(出版されたのが古く、外国なので当たり前)で分かりにくい面もありますが、基本的な考え方・見方は変わらない部分もあり、その底辺に流れる根本的な理屈は今も十分生きていると思えました。
ただ、内容的には少々難しく、初めて読む・聴くには分かり難いかな?とも思えました。また、時間も約12時間と大変長く最後まで一気に聞くには大変な根気が必要となります。しかし、原本の本を読もうとした時に、この内容の難しさで最後まで読破できるか自信がもてない事を考えると、オーディオブックとなり、勉強し易い状況にあるのは大変な助けとなると思います。オーディオブックでなければ多分最初の1時間ほどペラペラとページをめくって諦めていたような気がします。
また、オーディオブックの問題点として、文中にでてくる表現に”表○○の通り△△である”と言うのがたびたび有り、その表がまったく見れない事は(CDなので当然ですが)とても残念であるし、内容を理解する上でマイナスとなってしまっている。
作品の内容の話ではありませんが、普通のスピードのCDと倍速のCDがセットになっており、倍速が聞ける人には凄く嬉しい心遣いだと思いました。逆に倍速が聞けない人にはそのCDをなくして、その分安くした方が購入しやすいような気もします。あと、CDのケースからCDを取り出すときに、CDが多い所為もありますがとても取り出しにくく、CDが曲がってしまうほど取るのに苦労します。
最後に、全体の評価として、CDとなり、投資の勉強をしたいと思ったときに取っ掛かりやすくなっており、大変良い作品だと思いました。製品としては少し改良の余地はありますが、内容はほぼ満点で、十分に満足する仕上がりとなっています。他の作品も購入してでも聴く価値が十分にあると思えました。
(じゅえる 30代 会社員)
私にとってオーディオブックは初めてのジャンルで、自宅や通
勤途中で聞きました。パッケージには音声が倍速のものと普通
のものの2種類が入っていて、電車の中など集中できる環境で
は倍速版が役立ちました。速聴などで耳を鍛えている方にオス
スメです。初め、聞き流すだけではほとんど記憶に残らないだ
ろうと思っていましたが、2回を聴き終えた今、本を読むのと
変わらぬくらい記憶に残った印象があります。
現在の混乱した相場の中で、投資には勉強が必要だと痛感し
ています。全てを経験で学ぼうとすると、随分と高くつくか、
途中で「退学」せざるを得なくなるでしょう。学生の頃、優れ
た参考書をたくさん有する出版社があったように、パンローリ
ングは投資の分野で優れた参考書を持つ会社だと思います。イ
ンターネットで情報が氾濫する時代に、根拠の無い必勝法に惑
わされたり、無駄な情報に埋もれたりすることなく優れた教材
で学ぶことが不可欠ではないでしょうか。
最後になりましたが、「賢明なる投資家」の内容のすばらし
さは言うまでもありません。儲けたいと思う人の心はいつの世
も同じことでしょう。私がやっていることは投資なのか?それ
とも投機なのか?グレアムから問われている気がします。古典
に学ばなければなりません。
(40代 クマクマ)