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オプション ―その基本と取引戦略

シカゴオプション取引所付属オプション専門学校 / 可児 滋

現在、日本で個人投資家が参加できるオプション市場には 株式・金融関連では、「株価指数先物オプション」、「債券先物オプション」、 「金融先物オプション」、「通貨オプション」、「個別株オプション」があり、 商品先物市場では「東京トウモロコシオプション」、「東京米国産大豆オプション」、 「東京粗糖オプション」、「関西粗糖オプション」がある。 しかし、私が働いている商品先物市場においては、オプション商品の出来高は多くなく、市場参加者も少ない。 証券市場においても、個人投資家をあてこんだ「個別株オプション」も活況からほど遠い。「株価指数先物オプション」においても個人投資家の資金などわずかなものだろう。

何が原因であろうか。
取引所、証券会社、商品取引員、個人投資家、それぞれにその一端があろうが、基本 的には、オプションというものがよくわかっていない、あるいは、オプションを基本から体系的に学ぶ場所がない、というのが大きな原因だろう。

本書『オプション−その基本と取引戦略−』は、米国のシカゴオプション取引所付属オプション専門学校の講師陣が執筆したもので、決して机上の空論を説いているわけではない。 マ−ケット・ウィザ−ドでインタビュ−されたトニ−・サリバ氏も執筆陣の1人だ。そのため、オプションの基本から説きおこし、その基本的な使い方、応用(ストラティジ−)、実践的な使い方までを難しい数式を使うことなく、初心者にもわかるように説明して いる。そこには、巷であふれている、「オプションの買い戦略は儲かる」、「オプションは結局売りが儲かる」というような偏った解説はない。 オプションはその使い方によって、ヘッジにもなるし、投機にもなる。オプションの買いもオプションの売りもそれぞれ利点があるという、結局は、あなたがどう市場を見ているかに依るのである、という公正な見方である。

そして、感心したのが、ボラティリティの説明である。 わざわざ1章をさいて「ボラティリティ(第3章)」の解説があり、この章を熟読することで、数式を使わず、市場で使われている「ボラティリティが上がった、下がった」の意味を正確に理解することができるだろう。

また、個人投資家には第4章の「オプションの戦略:分析と選択」が大変参考になる。 基本的な「コ−ルの買い・売り」「プットの買い・売り」から徐々に複雑なストラティジ−を解説していく手順は本当にわかりやすい。 そして、それぞれのストラティジ−にヘッジ機能と投機機能があることが解説してあるため、オプションをどう利用していけばいいのかが理解できる。 個人投資家はこの『オプション−その基本と取引戦略−』を熟読して、経験を積めば、21世紀のグロ−バルマ−ケットをしたたかに乗り越えていくことができるだろう。 そして、日本でも、先物やオプションといったデリバティブを教育する機関の設立が強く求められている、と強く感じた次第だ。

一つ要望があるが、基本的な概念がシンプルに解説されているので、それを補う意味で、数式の解説も巻末当たりにいれて欲しかった。

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