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本書はNHKスペシャルとして放映されたドキュメンタリー番組を3分冊でまとめたも のの第3巻である。
その内容はタイトルにもあるように、リスクを巡る実話が中心と なっている。リスクを甘く見積もり破綻した例として、ベアリングズ社、大和銀行、 オレンジカウンティ、そして第2巻でも登場したＬＴＣＭの例が、各々１章を割いて 語られている。そして、リスク管理の難しさや、はっきりとリスクを認識することな く取引が行われている現実に対する恐ろしさを紹介し、そこには、成功するチャンス も破綻する危険も同時に存在することを読者に知らしめることになる。また、リスク を押さえ込んだひとつの成功例として、ブラック・マンデーの際のＣＭＥのレオ・メ ラメッドとＦＲＢのグリーンスパンの活躍が紹介されているのが救いであろうか。
いずれにせよ、本書は末端の個人投資家から機関投資家、国家に到るまで、リスクを無 視して金融の世界に関わることは極めて困難であると言う事実を明らかにし、甘くて 悠長な現実に警鐘を鳴らすものとなっている。
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