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天才数学者、ラスベガスとウォール街を制す(下)

「第27章:資産配分と運用の考え方」に目がとまり、まずこの章から読んだ。

ブラックジャックでカードカウンティング戦略を使ってカジノを打ちのめしたことはわかるが、いったい、エッジのある手がきたときに、いくら賭けるのか、それがとても気になった。もちろん、チャンスなので大金をかけることは容易に想像できる。それでも、確率的に優位であって完璧に勝てる手ではないため、財産全てを賭けることはできない。

著者はジョン・ケリーが1956年に出した論文を参考にしたと語っている。ベル研究所にはケリー以外にクロード・シャノンが在籍していた。著者はベル研究所と運命的な出会いをしている。PIMCOの共同創業者、ビル・グロスもケリー基準を参考にしていると本書に書かれている。

また、ウォーレン・バフェットのものの考え方がケリー基準に一致している点を解説している文章は興味深い。バフェットのパートナー、チャーリー・マンガーは、運用額が2億ドル(約230億円)のときはたった5つほどのポジションに資金の大部分を投資していた。時には資産の75%を1件の投資対象に賭けることもあったそうだ。堅実な投資スタイルで知られているバークシャーであるが、かなり積極的な運用をしていたようだ。

トレーディングの世界では確率は不確かであり、ケリー基準を使って賭ける場合はかなり保守的になる。この点はラリー・ウィリアムズとラルフ・ビンスから多くを私自身学んだが、コンスタントに利益をあげているトレーダー、運用者の共通点は資金管理計画が明確で、実践可能なシンプルなアプローチを用いている。この章があまりに強く印象に残り、他の章はあまり記憶していない。

なりた・ひろゆき


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