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バブル再来 2022年までの株価シナリオと投資戦略

ハリー・S・デント・ジュニア ダイヤモンド社

 「バブル再来」などど大きく書名にあると、一見「とんでも本」の類かと思ってしまうが、そうではない。

 本書は米国の動向を中心として今後の株式市場の動向について、主として人口動態人口トレンドから予測しようとしたものである。

 本書によれば、2009年までに株式市場はバブルの様相で急上昇する可能性が高く、その後は深刻な不況が訪れるとしている。

 人口動態から株式市場、というよりも経済の状況の予測をしようという発想は、私自身はこれまで接したことがなく、新鮮な印象は持った。

 ただ、本書の予測が当たるかどうかは、率直に言って占星術が当たるかどうかと同様 ではあると思う。また、例として示されるのが、米国の書籍の翻訳であるから当然といえばそうなのだが、ほとんど米国の事例であり、それ以外の部分も資料として示されている場合もあるが、その例は少ない。

 また、多様なグラフなどが資料として入れられているが、基本的に著者の見解に合うような内容を引っ張ってきているという印象をぬぐえない。(ただ、こうした傾向は別に本書に限ったことでもないし、一定の主張を展開しようと思えば当然このようになることが多いものではある。)

 私自身は市場の今後の方向性をかなりの確度で正確に予測することは相当に困難だと考えている。しかしながら、可能性としていくつかのシナリオを想定する事は可能であり、本書の内容もそのシナリオの中の一つと理解することもできなくもない。

 可能な事は、複数のシナリオを想定し、それぞれの場合にどのように対応するのがよ いのか、自分自身の資産の状況、運用スタンスや性格などに基づいてあらかじめ一定 の戦略を立て、適宜それを見直しつつ、前に進むことではないか。

 こうした視点でいえば、本書は直接的に有用なものとも思えないが、一つの参考にはなるし、最終章の「ミリオネア」のところなどは、独立した読み物としても興味深いものはあった。

(ふしみん 公務員 40代)


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