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ヘッジファンドの売買技術

トレンドを把握するために多くのアナリストとトレーダーは200日間単純移動平均線を使っている。しかし、視覚的な移動平均線自体はトレードの役に立つとは言い難い。

著者は、全て定量化して、その結果をもとにトレードしているクォンツ系運用者だが、検証結果だけに頼るのではなく、そのロジックに目を向けている。

発行から10年が経過しているが、日経平均が2万円台にのせて、動きが活発になってきた今だからこそ、本書で紹介されているアプローチは検証する価値が高い。

なりた・ひろゆき


 ファンドに対して投資のプロ集団といったイメージを持っていたため、その戦略とテクニックに過大な期待を寄せていたのだが、そもそもその考え方が間違っていたことがよく分かった。個々の戦略を単体で捉えて云々言うのが素人、システム自体の相関性にまで目を向けるのがプロなのだ。トレンド中、レンジ中といった単純なことではなく、システムを分散させることにおける有効性や安定性といった優位性を得られれば、実際、どれほどの強みになることだろうとワクワクしてしまう。また、それぞれの組合わせのシュミレーション結果や活用しているグラフなどが多数が示されているのだが、そこでも、プロが何をチェックし、どのような分析や判断をしているのかといったことを垣間見ることができるという点で、とても興味深く、面白かった。

 本書は、テンポよく簡潔にまとめられており、類書の中では珍しくかなり読みやすかった。単純にチャートパターンを眺めるのではなく、どのような動きの何を狙おうとしているのか、その根拠や状況が詳しく述べられており、その背景を考える重要性がうかがえる。これ以外にも新たなアイデアも試してみたくなったのだが、それがベストのスプレッドなのかどうかは、著者が幾重にも釘をさしているように、自身の環境や市場に沿って1つ1つ検証してみるしかない。とはいえ、具体的な検証方法や、判断基準についてまでは述べられていないではないかと欲張ったことを思ってしまう。

 取り扱う商品もその運用手法も多岐にわたるうえ、結果を出し続けているプロというのは、とても要領が良いようだ。そして群集心理を常に分析しており、随所で利用している。また、個人投資家向けに書かれているからかもしれないが、短期売買が多いのだ。これらはとても意外な印象を受ける。すべてのファンドがこうだとは思わないが、それでもLTCMのようなファンドばかりでないと分かると、成績の振るわないファンドや消えていくファンドがあるのもうなずける。

 勝つために本当に知っておかなければならないことや、やるべきことについて、筆者の掲げる内容は時間を要することが多いが、そのひとつに自分と重なる点があり、これまで疑心暗鬼で行ってきたことは正しかったのだと認められたようで自信が持て、今後の大いなる励みとなった。株、為替、債権、商品などを教科書通りにかじってきたが、全体を見渡す余裕のない個人投資家にとって、視点を変え、応用力を養うのに良い意味で手軽な一冊だと言える。

(20代 まっちゃ 脱サラ志望のSE)


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