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ヘッジファンドの錬金術――絶対スーパーリターンを追求し進歩する投資手法公開

2006年に出版された本書はリーマンショック前に書かれていたこともあり、今の投資環境とは少し違う点もある。しかし、投資をビジネスとして自己資本運用会社等の設立を考えているトレーダーや運用者には是非、読んで頂きたいのが、「第13章 ヘッジファンドを立ち上げますか?」である。ここでリストされている注意点は投資を本業とする方にとって必読。また、ヘッジファンドを含む海外投資商品に直接、投資を検討している方には、「第12章 要注意!」を必ず読むべきだろう。高リターンを上げているファンドは多いが、同時に、不透明なオフショアファンドは詐欺まがいの案件も多い。その見分け方について、端的に、また、具体例をあげて解説している。

2015年3月に来日したビクター・ニーダホッファー氏のもとで運用した経験のある著者は市場の特性を定量分析している。「第8章 空売り」で紹介している米株投資はショートに向いていない理由も定量化して解説している。

著者はヘッジファンド運用者でもあるが、起業家として多くのビジネスに携わっているが、その成功率は極めて低い。もちろん、上場させた企業も含め、起業家としての手腕もすぐれているようだが、なにより、自由な発想を尊重している点は共感できる。多くのファンドはいろいろな発想やアイデアをもとに組成されている。ヘッジファンド業界を単純にトレードだけではない。リターンを追求して、利益を投資家に還元する極めて自由経済原理に則ったビジネスである。

久しぶりに良書と出会えて、パンローリング社のスタッフには感謝している。

なりた・ひろゆき氏)


ヘッジファンドの多様な投資戦略を理解する

 ヘッジファンドと一口に言っても、その投資戦略は様々で、実際に投資対象となるものも様々である。

 本書は多様なヘッジファンドの投資手法について具体的に紹介がされている。  例によって翻訳物の隔靴掻痒感はぬぐえないものの、不動産担保ローン、生命保険料融資、クレジットカード債権への投資など、多様な投資手法が具体的に紹介されている。

 これらの投資手法で共通しているのか、株式、債券、不動産そのものといって従来からある投資対象の値動きとは直接の関係がなく、独自の値動き、パフォーマンスを示すファンドが多いということである。そうした意味で、こうした従来にない投資対象を活用した投資手法は分散投資の対象として有用と感じられた。

 ただ、日本でこうした多様な金融商品はまだ一般的でない。異常な高利回りを謳った商品は逆にうさんくささを感じてしまったりする。事実、詐欺事件なども後を絶たない。

 日本でも今後、多様な金融商品が登場してくると思われるが、それらが投資対象として適当なのかを判断する前提として、本書に示されたような多様な投資手法を知っておくことは有意義だろう。

 なお、終わりの方で紹介されている参考文献も、一般的な株式投資入門書とは異なる視点での書籍が紹介されている。機会があれば、これらも読んでみたいと思う。

(ふしみん 40代 公務員)


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