「システムトレードの達人」で トレンド判定の効果を検証してみよう
■日経平均の株価位置でトレンドを判定する
まず始めに、日経平均を使ったトレンドの判定について検証を行ってみたいと思います。
トレンドの判定に用いる指標は様々なものがありますが、今回は「株価位置」というものを使用することにします。
「株価位置」とは、現在の株価(終値)が過去1年間の最高値と最安値からみて、どの位置にいるのかを%で表した指標です。
例えば、現在の株価が過去1年間でもっとも高い価格である場合は株価位置が100%となり、逆に過去1年間でもっとも安い価格である場合は0%となります。
今回は日経平均の株価位置が50%以上の場合を「上昇トレンド」と定義し、株価位置が50%未満の場合を「下落トレンド」と定義することにしましょう。
ベースとなる売買ルールに対し、「日経平均によるトレンド判定」を加えて検証したものが下記のとおりです。
2−1.日経平均が上昇トレンド(日経平均の株価位置が50%以上)の検証結果
【運用資産の推移】
【検証結果】
| 勝率 | 53.62 % |
勝ち数 | 792 回 |
負け数 | 685 回 |
引き分け数 | 0 回 |
平均損益(円) | 4,030 円 | 平均損益(率) | 1.34 % |
平均利益(円) | 45,104 円 | 平均利益(率) | 15.03 % |
平均損失(円) | -43,459 円 | 平均損失(率) | -14.49 % |
最大連勝回数 | 17 回 |
最大連敗回数 | 16 回 |
最大ドローダウン(簿価ベース) | 4,003,084 円(2010/02/09) |
最大ドローダウン(時価ベース) | 4,051,683 円(2010/02/09) |
PF | 1.200 |
平均保持日数 (イグジット済み銘柄のみ) | 9.67 日 |
2−2.日経平均が下落トレンド(日経平均の株価位置が50%未満)の検証結果
【運用資産の推移】
【検証結果】
| 勝率 | 51.07 % |
勝ち数 | 958 回 |
負け数 | 918 回 |
引き分け数 | 0 回 |
平均損益(円) | 1,690 円 | 平均損益(率) | 0.56 % |
平均利益(円) | 43,037 円 | 平均利益(率) | 14.35 % |
平均損失(円) | -41,459 円 | 平均損失(率) | -13.82 % |
最大連勝回数 | 14 回 |
最大連敗回数 | 12 回 |
最大ドローダウン (簿価ベース) | 4,299,881 円(2008/10/23) |
最大ドローダウン (時価ベース) | 4,486,149 円(2008/10/17) |
PF | 1.083 |
平均保持日数 (イグジット済み銘柄のみ) | 9.90 日 |
【検証結果の考察】
トレンドの判定を考慮しない結果と比較すると、日経平均が上昇トレンドの場合の成績は、勝率52.05%→53.62%、平均損益率0.96%→1.34%と向上していることから、一定の改善効果はあったといえそうです。
一方、日経平均が下落トレンドの場合は52.05%→51.07%、平均損益率0.96%→0.56%と
悪化しています。
つまり、まったくトレンドを考慮しない場合と比べると、上昇トレンドのときに買い付けた場合は成績が向上し、逆に下落トレンドでは成績が悪化するという明らかな傾向があるといってよさそうです。
次は、個別銘柄の株価位置でトレンドを判定します。
※本コラムの検証は、斉藤正章氏が開発した【システムトレードの達人】を使って検証しています。60種類を超えるテクニカル指標による検証や、外部データ等を使用したフィルター機能により、様々な方法でトレンド判定を行うことも可能です。
|
|