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第22回 高配当利回り銘柄の上昇とさやとりの利食い2022.2.7 <著者プロフィール> 浜口準之助(はまぐち・じゅんのすけ) 約15年にわたり機関投資家のファンドマネージャーとして株式運用に従事。信託銀行などで主に年金資金の日本株運用を行う。その後約14年にわたり投信運用会社にて投資環境のセミナー講師に携わる傍ら個人投資家として株式運用を行い、「億り人」の仲間入りを果たす。「浜口流コア・サテライト戦略」を提唱し自らも実践している。「醍醐味に満ちたライフワークとして、株式投資に勝るものなし」との基本観から、個人投資家に実践的な株式投資手法の研究を続けている。 社団法人日本証券アナリスト協会検定会員。主な著書に『黄金サイクルと農耕民族型投資戦略』(パンローリング刊)、ブログ 浜口準之助のテツ・ホテル・グルメ・株式運用 をほぼ毎日更新中、こちらでは旅の話もしている。
この表を比較してみると、驚くべき事にトヨタ自動車以外のすべての銘柄が上昇していることがわかります。バリュー株相場到来と考えます。ここ2週間、この表の中の銘柄に関し、私が行った売買はありません。これら銘柄群の中では、海運株と日本航空以外は継続保有しています。 日本製鉄や日本航空などサテライト銘柄にも増して、コア銘柄である三菱商事と三井住友フィナンシャルグループの株価上昇が大きい点が注目されます。本来、 主に高い配当をいただくことを目指すコア銘柄が、値上がり益もあわせて獲得できている状況は、何とも喜ばしいと考えます。 この背景ですが、3月の配当権利取りの動きが出つつあること、不安定なマーケットの中、配当利回りが高く安心感のある銘柄が選好されたことなどがあると考えます。 またこのような動きとなっているファンダメンタルズ要因として、米国の景気回復とインフレ懸念、それに伴うFRBの利上げ開始があるのはもちろんです。 一方で、 前回の当ブログで空売りを開始したと書いた6857アドバンテストについては、大幅下げの後の戻りで売り乗せを行いました。この売り建玉は順調、当分持続する予定です。 日本株の相場観については、前回ブログで書いた内容と変化なしです。これまで、当ブログで一貫して書いている投資環境見通し。「景気敏感バリュー株は、徐々に上昇に転じる銘柄が多くなろう」との動きが鮮明化しつつある状況と考えます。 グロース株が売られる一方で、景気敏感バリュー株が買われる。それは米国の金利上昇懸念が背景、この状況は時間の問題で訪れる。当ブログで書いてきた通りこのことは、かねてより想定していましたが、ようやくその時が訪れたと感じています。 私は当面、現在のポートフォリオは持続しますし、アドバンテストのカラ売りも持続します。 次に8801三井不動産買いと8802三菱地所売りのさや取りについて。 グラフをご覧ください。 ここでも定点観測を。上のグラフは1月21日時点の8801三井不動産と8802三菱地所の比較チャート。下はその2週間後、株価が2月4日時点の両銘柄の過去六ヶ月の比較チャート、相対株価を示したものです。 さやが縮小している状況が見て取れます。 相対株価としては、三井不動産が上昇、三菱地所が下落ということです。 前回のブログで、私は。現在は「三井不動産を買って三菱地所を空売り」する、つまり両銘柄のさやの縮小を取りに行く、そんなタイミングにあると考え、私もこの方向で試し玉を入れています」と書きました。この試し玉を入れたタイミングから、さやはすぐに縮小を始めたため、 私はこの建玉を2月3日引け成りで。つまり後述しますが、三井不動産の決算発表一日前に手仕舞いしました。 若干の利益になりました。 今後はどうするか。 引き続き、両銘柄のさやを見て行きます。当面は、相対株価で見れば三井不動産が上昇、三菱地所が下落する傾向が続く可能性が高いのでしょうが、どこかでそれも逆転すると考えます。そのタイミングを探りながら、次回は今回とは逆のポジション、すなわち「三井不動産売り・三菱地所買い」を仕掛けようと思っています。 このタイミングをどう判断するかはみなさんの腕の見せ所ですが、両銘柄のさやの方向が反対方向に動き出したタイミングで、ワンテンポ遅れて順張りでの仕掛けが上手くいくように思われます。 前回のブログでも書いた通りです。ただし、次の点は重要です。両銘柄の、2022年3月期第三四半期決算発表です。 2月4日引け後に、三井不動産の決算発表がありました。内容は概ねポジティブ。会社は22.3期通期の業績計画を上方修正し、既に実施済みの自社株買い150億円に加え、2月7日から9月30日を期日とし上限150億円とする新たな自社株買いも公表しました。 そして今週2月10日には、三菱地所の決算発表があります。 良くも悪しくも、さやの動きは、決算発表内容に影響される可能性がありますので、その点には十分注意してください。このさや取りの新規建玉は、2月10日の三菱地所の決算発表以降にした方が無難であると考えます。 なお、2月4日時点の三井不動産の株価は2,432円、三菱地所の株価は1,651円。両銘柄の株価は三井不動産を1とすると三菱地所は0.68という比率になりますので、実際に建玉する際は、この比率に準じて行うと良いと考えます。これに基づき、私のさきの建玉は、三井不動産を2000株買い、三菱地所を3000株売り建ちだったことを報告しておきます。 以上です。今回はこの辺で。みなさんの株式運用の参考になれば幸いです。 キーワード検索: #高配当 #景気サイクル #株式サヤ取り |
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