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浜口流コア・サテライト株式運用戦略の実践
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第78回 当局の実行力次第だが…全くコストをかけず、ドル/円を140円台に戻すことは可能

2024.5.7


<著者プロフィール> 浜口準之助(はまぐち・じゅんのすけ)

黄金サイクルと農耕民族型投資戦略 約15年にわたり機関投資家のファンドマネージャーとして株式運用に従事。信託銀行などで主に年金資金の日本株運用を行う。その後約14年にわたり投信運用会社にて投資環境のセミナー講師に携わる傍ら個人投資家として株式運用を行い、「億り人」の仲間入りを果たす。「浜口流コア・サテライト戦略」を提唱し自らも実践している。「醍醐味に満ちたライフワークとして、株式投資に勝るものなし」との基本観から、個人投資家に実践的な株式投資手法の研究を続けている。 社団法人日本証券アナリスト協会検定会員。主な著書に『黄金サイクルと農耕民族型投資戦略』(パンローリング刊)、ブログ 浜口準之助のテツ・ホテル・グルメ・株式運用 をほぼ毎日更新中、こちらでは旅の話もしている。



 浜口です。さて、まずは今回も定点観測を。前回の当ブログのアップ日(2024年4月8日)以降の「浜口流コア・サテライト戦略」銘柄について、左は株価が4月15日時点、右は5月2日時点のデータです。

コア・サテライト戦略 株式銘柄群

 GWであったこの期間、日本株の売買可能日はわずかに8日、つまり2日少なかったので、比較する意味があるのかという意見も聞こえて来ましょうが、まあ、比較しましょう。総じて上昇していますね。

 さて今回は、新たな投資銘柄を追加します。8309三井住友トラスト・ホールディングスです。以下の開示の通り、累進配当になったからです。現状から投資する上では配当利回りもまずまずでしょう。

 株主還元方針の変更に関するお知らせ

 この中の、「2. 株主還元方針の変更の内容」を確認してください

 以下は8316三井住友FGと6857アドバンテストの日足。アドバンテストは下落に転じており、売却はやはり正解だったと考えます。

8316三井住友FG
三井住友フィナンシャルグループ(8316)
6857アドバンテスト
アドバンテスト(6857)

 デイトレは行いませんでした。前々週から一転し、相場のボラティリティが大きくなっているので、デイトレはリスクが高いと考えたからです。

 日本株の相場観については、長期的には今回も基本、変化なしです。

 日本は、景気後退になる可能性は低く、米国のインフレ懸念は日本に脱デフレをもたらし、加えて海外観光客の増加等、経済再活動につながり、今年年前半にかけ、日本株はここで紹介している高配当バリュー株を中心とした、堅調な相場展開を予測しています。「浜口の相場観は、いつも同じだよな」と受け止められている向きも多いことでしょう。しかしながらこのことは、現在の日本株市場が私が想定した通りに推移している証左と受け止めていただきたいと思います。

 また私は先日、Twitterでスペースを行い、150人以上の方に参加いただき、ありがとうございました。 その中で、8411みずほFGはシステム障害を繰り返しているが、大丈夫か?との質問がありました。金融庁からすでにお墨付きが出ていますので、問題なしです。この点は、この記事をご覧ください。

みずほの業務改善計画、定期報告を終了 金融庁

金融庁は19日、システム障害をめぐってみずほ銀行とみずほフィナンシャルグループ(FG)に課した業務改善計画の定期報告を終了した。

 この記事の中の、「財務省も再発防止などが整備できたとして、すでに定期報告を不要にしたとみられる。当局への定期報告を終えることは、みずほにはひとつの節目となる。」にご注目ください。

 但し当面の相場については、私の個人ブログで紹介している以下の内容に沿った展開になる可能性もあると考えます。

39,000円処を終値で下回ると調整局面入りが濃厚にというが

ドル/円を140円台に戻すことは可能?

 さて、ここからは今回のテーマ、「当局の実行力次第だが…全くコストをかけず、ドル/円を140円台に戻すことは可能」について。

 現在、岸田首相は補欠選挙で3名とも自民党が敗北、支持率は低迷。また、鈴木財務大臣は大幅な円安・ドル高で対応策を打つこともできず、足元では円買い・ドル売り介入をしていますが、これは対症療法で時間稼ぎに過ぎない事は明白です。

 ところがここで全くコストをかけず、為替を円高方向に持っていくことが可能な手法があるのです。一言で言えば減税です。

 一番わかりやすいのは消費減税でしょう。まずは一定の期間を定めて、消費税を5%にする。これに反対をする個人はいないでしょう。これにより、消費が刺激される。例えば今持っているレクサスを新しいのに乗り換えるのを迷っていた方が、これで一気に乗り換えようというふうに考える。クルマ以外では、新築マンション等の高額商品の消費が加速すると思います。期間を限定するのは、例えば期間が1年となったのであれば、1年以内に買わなければ!としないと、減税メリットが得られないからです。

 さてこの結果として、国内景気は良くなり金利は上がり、この場合日米金利差は縮小するため、ドル安・円高方向になると考えます。これを1年ほどやってみて効果を見る。もう少し円高に持っていきたいなぁと思ったら、思い切って、やはり期限を定め消費税を「ゼロ」にする。これでいいんだと思います。これらのことで消費税は入ってきませんが、景気が良くなることで法人税は増えていくことが明らかなので、そのうちの一部を消費税の目的である福祉に回せばいいんだろうなと思います。あとは両大臣の実行力の問題ですね。

 また、これは元財務省の高橋洋一さんが自身のYouTube「円安止まらないと大騒ぎ!何が悪い?」で言われていることですが、 外為特別会計で保有している米国債券を売却し、為替の含み益がいくらになるかを計算し、その部分を消費税の代わりとして使用するという手もあります。あるいは日本国民に配ってもいい。また米国債を売却すれば、そこで発生した円で為替介入を行うこともできますしね。

 でも私は、為替介入を行うよりも消費税を下げたほうが良いと思います。国民にお金を配ると、かなりの部分貯蓄に回り、消費に使われないため、経済効果としては想定した通りにならないリスクがあるからです。

 以上です。なお皆さんの株式運用は、くれぐれも自己責任でお願いします。ここは再強調させていただきます。今回はこの辺で。みなさんの株式運用の参考になれば幸いです。


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