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第88回 前回に続き今回も、ここもとの株価下落に関する考察を2024.8.9 浜口です。さて、まずは今回も定点観測を。前回の当ブログのアップ日(2024年7月29日)以降の「浜口流コア・サテライト戦略」銘柄について、左は株価が7月26日時点、右は8月9日時点のデータです。 銀行・損保・商社株とも、株価は下落していることがわかります。この期間に区切れば、業種を問わず、ほぼ全面安だった状況です。この理由については、後述します。 以下は8316三井住友FGの日足。足元では大きく下落していますが、日本株相場が全体として下落していることに加え、金利上昇期待が後ずれしていることが背景にあります。しかしこの銘柄の業績は以下の通り好調であり、楽観しています。
主観ですが、中長期的には20,000円があってもおかしくないという考えに変化はありません。 三井住友フィナンシャルグループ(8316) 一方でテック株の人気銘柄、6920レーザーテック。足元ではわずかに反発していますが、趨勢的に安値トレンドになっています。ここまで株価が下落してもなお、予想PERは43.95倍。三井住友FGと対照的ですが、これが現実です。投資対象を銀行・損保・商社株の累進配当銘柄に絞り込んで、ほんとうによかったと思いますね。 レーザーテック(6920) デイトレは行いませんでした。ここもとの大荒れの相場では、「火中に栗を拾う」ことはしたくないと考えたからです。 日本株の相場観については、長期的には今回も基本、変化なしです。日本は、景気後退になる可能性は低く、米国のインフレ懸念は日本に脱デフレをもたらし、加えて海外観光客の増加等、経済再活動につながり、今年年前半にかけ、日本株はここで紹介している高配当バリュー株を中心とした、堅調な相場展開を予測しています。「浜口の相場観は、いつも同じだよな」と受け止められている向きも多いことでしょう。しかしながらこのことは、現在の日本株市場が私が想定した通りに推移している証左と受け止めていただきたいと思います。 ただし後述しますが、国内の長期金利上昇は後ずれする可能性が高くなったため、私がおススメしている銘柄の出直りは、少し先になりそうと認識しています。 ここもとの株価下落に関する考察さて、ここからは今回のテーマ、「今回も、ここもとの株価下落に関する考察を」について。 私の日本株に対する現状認識・対応方法などについて、基本的には「第87回 ここもとの株価下落に関する考察」で書いている内容の通りです。 ただしこの日以降、さらに大きく下がっている。この背景については、やはりエミン・ユルマズ氏による 「キャリー・トレードの崩壊で相場が大荒れ!」の8分30秒経過あたりから詳しく説明されていますので、是非、ご覧になってください。 8月7日の日経新聞にも同様、以下の記載がありました。 「8月の歴史的な株安を引き起こしたのは、日銀が7月末に利上げに踏み切ったのがきっかけだ。低金利の円を借りて米ドルなどの高金利通貨に投資する『円キャリー取引』やそれと連動した日本株買いが巻き戻された。」実際、その通りだと思います。 また、株安を受けての8月6日の日銀内田副総裁の発言を受け、「年内の利上げは無くなった」と現状、私は考えます。この点は、銀行株にとってややネガティブ(銀行株は上昇すると思いますが、そのタイミングが先送りになるということ)と考えます。 以上です。なお皆さんの株式運用は、くれぐれも自己責任でお願いします。ここは再強調させていただきます。今回はこの辺で。みなさんの株式運用の参考になれば幸いです。
<著者プロフィール> 浜口準之助(はまぐち・じゅんのすけ) 約15年にわたり機関投資家のファンドマネージャーとして株式運用に従事。信託銀行などで主に年金資金の日本株運用を行う。その後約14年にわたり投信運用会社にて投資環境のセミナー講師に携わる傍ら個人投資家として株式運用を行い、「億り人」の仲間入りを果たす。「浜口流コア・サテライト戦略」を提唱し自らも実践している。「醍醐味に満ちたライフワークとして、株式投資に勝るものなし」との基本観から、個人投資家に実践的な株式投資手法の研究を続けている。 社団法人日本証券アナリスト協会検定会員。主な著書に『黄金サイクルと農耕民族型投資戦略』(パンローリング刊)、ブログ 浜口準之助のテツ・ホテル・グルメ・株式運用 をほぼ毎日更新中、こちらでは旅の話もしている。 |
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