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フィスコ投資ニュース配信日時: 2024/12/18 15:07, 提供元: フィスコ エレマテック Research Memo(7):中期経営戦略を展開中。重点市場深耕に加え、資本コストを意識した経営を推進*15:07JST エレマテック Research Memo(7):中期経営戦略を展開中。重点市場深耕に加え、資本コストを意識した経営を推進■エレマテック<2715>の中長期の成長戦略 1. 中期経営戦略「エレマテック・プロプラス」の基本方針 同社では、2023年3月まで進めてきた「エレマテックNEXT」に引き続き、中期経営戦略「エレマテック・プロプラス」(2024年3月期〜2026年3月期)を発表しており、以下がその概要である。 (1) 外部環境と挑戦課題 同社では、外部環境の動向として、「地政学リスクと内外マーケットの変動」「顧客ニーズの高度化・多様化」「サステナビリティ課題への関心の高まり」「働き方の変化とダイバーシティの伸展」を挙げている。このような外部環境を踏まえて、以下の挑戦課題を掲げている。 a) 成長とリスク分散の観点から日本・中国以外での事業を拡大する ・北米・欧州へのリソース投入 ・ASEANでの調達代行からの脱却 b) 開発部の機能強化と各部門の連携強化、外部資源の獲得を目指す ・取引先軸、商品軸での取り組みの強化 ・中長期トレンドの継続的フォローと投融資の拡大 c) 地球環境への配慮と社会課題解決への取り組みを強化する ・本業を通じたサステナビリティ課題解決への貢献 ・顧客の環境配慮重視を踏まえた仕入先への支援 d) 個々がやりがいを持ち、自己表現できる体制を構築する ・ダイバーシティ&インクルージョンの推進 ・従業員エンゲージメントを高める教育・研修・配属の仕組みづくり (2) 重点施策と定量的目標、重点市場 中期経営戦略の基本方針としては、「前施策は継続進化させ、新中期経営戦略では経営基盤の拡大・強化を進めつつ、ポテンシャル分野に挑戦する」ことを掲げている。これに基づき、以下の4つの重点施策を推進する。 a) 重点施策 (ポテンシャル分野の開拓・深耕として) ・ポテンシャルエリアの本格開拓 ・開発部の機能強化 (経営基盤の拡大・強化として) ・M&A・アライアンスによる顧客基盤・事業領域の拡大 ・サステナビリティと人的資本への取り組み b) 定量的目標と重点市場 定量的目標としては、「2023年3月期から2026年3月期までの当期利益※年平均成長率(CAGR:Compound Average Growth Rate)を10%以上とする」としている。この目標を達成するための重点市場として、「オートモーティブ」「アフターマーケット」「医療機器」の3つを挙げている。 ※ 当初は「経常利益」であったが、IFRS適用に伴い、目標を「当期利益」に変更した。 各種取り組みは着実に進捗中 2. 各種計画の進捗状況 (1) 高付加価値型ビジネスの強化/自動車領域への注力 これまでの部材単体での提案から、モジュール提案による案件の高付加価値化を促進している。具体的な事例としては、自動車領域における新規顧客のEMCフィルター※案件がある。同社の技術力や、専門性の高い品質保証部門・グローバルなネットワークといった強みを活かし、積極的なモジュール化提案を行った結果、案件の大型化・高付加価値化を実現した。 ※ EV車などにも使用される、電磁波干渉を抑制するためのフィルター。 (2) M&A・アライアンスによる顧客基盤・事業領域の拡大 持続的な成長に向け、積極的な投資を推進している。直近では以下の2つのマイナー出資を実行した。 【Esperanto Technologies Inc.】 2024年10月2日にEsperanto Technologies Inc.(以下、ET社)への出資を発表した。同社の強みであるネットワークを活用し、ET社製品の日本での展開を推進していく。ET社は米国シリコンバレーに本社を置くスタートアップ企業で、AI向けRISC-Vベースプロセッサの供給・提供を行っている。日本の先端半導体メーカーであるRapidus(株)と半導体の設計開発で協業している。ET社製品は、低放熱・低騒音の特徴を持ち、高性能を維持しつつ、消費電力を低く抑えられるため、ローパワー稼働が可能になる。 【MEDIROM MOTHER Labs】 2024年10月29日にMEDIROM MOTHER Labs(以下、MM社)との資本業務提携契約の締結を発表した。今後は同社のグローバルなネットワークを活かし、安定的な部材調達のサポートを行う。MM社は、メディロムグループの子会社で、ヘルステック事業を中心に事業展開している。ヘルスケアアプリを利用した体質改善プログラムや、24時間365日充電不要のトラッカー「MOTHER Bracelet」を開発し提供している。介護・流通・デベロッパーなど、BtoB向けに各種ソリューションを展開している。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇) 《HN》 記事一覧 |