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フィスコ投資ニュース配信日時: 2025/04/16 11:06, 提供元: フィスコ ヨコレイ Research Memo(6):2025年9月期は成長のための先行投資期間と位置付け*11:06JST ヨコレイ Research Memo(6):2025年9月期は成長のための先行投資期間と位置付け■横浜冷凍<2874>の今後の見通し 1. 2025年9月期の業績見通し 2025年9月期の連結業績に関して同社は、売上高で前期比3.9%増の127,000百万円、営業利益で同8.6%減の4,250百万円、経常利益で同13.7%減の4,150百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同28.8%減の2,800百万円と増収減益を見込んでいる。売上高に関しては、冷蔵倉庫事業、食品販売事業ともに前期の実績を上回る見込みだが、新・中期経営計画第II期「繋ぐ力」の目標達成に向けた先行投資により減益を見込んでいる。 2. 事業セグメント別見通し (1) 冷蔵倉庫事業 冷蔵倉庫事業の売上高は前期比2.2%増の35,900百万円、セグメント利益は同3.7%減の6,930百万円を見込んでいる。売上高に関しては、前期に竣工した恵庭スマート物流センター(北海道)、夢洲第二物流センター(大阪)、箱崎FACILITY物流センター(福岡)がフルで寄与するうえ、十勝フードバレー物流センター(北海道)、岡山CONNECT物流センター(岡山)、ベンルック物流センター(ベトナム)が期中に竣工することからトップラインの伸びに寄与しはじめると見込む。利益面に関しては、前期の完了済み及び期中完了予定の物流施設の減価償却費、新拠点の立ち上げ費用などの影響により減益を見込む。同社は新・中期経営計画第II期において、物流センターの加速度的拡大を戦略の1つとして掲げており、2025年9月期が投資負担のピークを迎える見通しである。 また、業績予想の達成と中長期的な成長加速に向けて、事業戦略としては3つの重点施策1) 環境配慮型センターの加速化、2) スマートコールドサービスの実現(次世代型冷蔵倉庫の新設)、3) ASEANグローバル展開に注力していく。1) 環境配慮型センターの加速化に関しては、SDGsやESGといった環境保全に対する企業の意識や災害リスクに対応した備蓄機能へのニーズが高まっていることなどを商機と捉え、「地球にやさしい物流センター/BCP対応型センター」の拡大により、顧客サプライチェーンのグリーン化と持続可能化を支援していく。2) スマートコールドサービスの実現(次世代型冷蔵倉庫の新設)に関しては、物流2024年問題、労働力人口の減少といった外部環境の変化が予見されるなかで、拠点の拡充やマテハン・ロボットを活用した生産性の向上に取り組み、同社冷蔵倉庫の競争力を高めていく。3) ASEANグローバル展開に関しては、ASEAN地域での展開を強化して同地域の経済成長を業績に取り込み成長を加速する方針だ。 (2) 食品販売事業 食品販売事業の売上高は前期比4.5%増の91,000百万円、セグメント利益は同15.4%増の1,700百万円を見込んでいる。水産品は、ノルウェーサーモンが同1,000トン増の4,500トン、大西洋サバが同1,500トン増の9,000トン、自社凍結加工品が同10,000トン増の73,000トンと、着実な拡大を計画している。畜産品(国産)はインバウンド需要により、同500トン増の2,300トンを計画しており、同事業の売上高は着実な成長を見込んでいる。利益についても、取り扱い商品の市場価格の安定により前期比で拡大すると見込んでいる。 事業戦略としては、1) 収益性向上のための構造改革、2) 事業品・全社取組商材の販路拡大、3) 独自商品と販売網の開発、4) 海外における販路拡大の4つの改革・成長パッケージに注力し、業績予想の達成を目指す。1) 収益性向上のための構造改革については、引き続き徹底した在庫管理やDXの推進、販売推進事業部の新設などによって、利益の最大化を追求していく。2) 事業品・全社取組商材の販路拡大に関しては、量販店の新規開拓及び既存顧客との取引深耕を継続しながら、ノルウェーサーモンをはじめとする事業品と北海道産ホタテをはじめとする全社取組商材の販売拡大に注力していく。3) 独自商品と販売網の開発に関しては、B2Cビジネスの強化により消費者のニーズを吸い上げ、消費者ニーズに寄り添った商品を開発していくほか、各地の買参権を生かした高付加価値製品の開発を行い、利益率を高めていく。また、クローズドマーケット向けにスタートさせたEC事業で、一般消費者向けの販売を本格化している。4) 海外における販路拡大に関しては、ASEANを中心にさらなる売上の拡大を図りつつ、海外パートナーの販路を活用しながら欧州・北米市場での新規開拓に取り組む。2024年9月期においては、収益性向上のための構造改革をはじめ、「繋ぐ力」の各種施策が着実に進展した。東日本での不漁などが一巡することで、利益の積み上げが期待される。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 星 匠) 《HN》 記事一覧 |