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フィスコ投資ニュース

配信日時: 2025/04/22 10:36, 提供元: フィスコ

ダイナパック Research Memo(6):投資有価証券の含み益が豊富で財務の健全性は高い

*10:36JST ダイナパック Research Memo(6):投資有価証券の含み益が豊富で財務の健全性は高い
■ダイナパック<3947>の業績動向

2. 財務状況と経営指標
(1) 財務状況
2024年12月期末の資産合計は前期末比3,510百万円増加の76,537百万円となった。主な増減要因を見ると、流動資産ではTKTの株式取得費用約31億円の支払いや下請事業者に対する支払いサイト短縮を進めたことで現金及び預金が2,321百万円減少した一方で、売上債権が1,046百万円、たな卸資産が577百万円増加した。固定資産では中国蘇州工場の移転に伴う設備投資やTKTの連結化により、有形固定資産が830百万円増加したほか、TKTの連結化によりのれんが2,268百万円増加した。また、保有株式の時価上昇により投資有価証券が414百万円増加した。なお、TKTののれんは2,473百万円で10年定額償却となっている。

負債合計は前期末比373百万円増加の30,491百万円となった。仕入債務が1,135百万円減少した一方で、TKTの株式取得費用を借入金で調達したことにより有利子負債が2,190百万円増加した。純資産合計は同3,136百万円増の46,046百万円となった。親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により利益剰余金が2,386百万円増加したほか、その他有価証券評価差額金や為替換算調整勘定などその他の包括利益累計額が632百万円、非支配株持分が97百万円増加したことによる。

(2) 経営指標
経営指標を見ると、安全性指標となる自己資本比率は株主資本の増加により前期末比1.3ポイント上昇の59.9%となった。M&Aの実施により有利子負債比率が同4.6ポイント上昇の7.8%となったが水準としては低く、財務の健全性は高いと判断される。現金及び預金の3,921百万円と事業規模に対して必ずしも潤沢とは言えないものの、取引先の株式を中心とした投資有価証券を21,481百万円保有しており、含み益も96億円と大きいことから、これらを含めた金融資産は潤沢な水準にあると言える。同社は2024年12月期からスタートした中期経営計画において、資本コストの最適化と成長戦略の1つとして、これら政策保有株式を売却して成長投資資金に充当するため、年に1回の取締役会において資本コストや配当利回りなどを考慮しながら、売却の可否を決定する方針を揚げている。

収益性指標については、売上高営業利益率で2.8%、ROAで3.3%、ROEで6.7%となった。ROEに関しては特別利益計上の影響が大きく、実力値ベースでは前期並みの水準だったと思われ、いずれの指標についても改善余地が大きいと思われる。ROEを3要素に分解すると総資産回転率が0.84回、財務レバレッジが1.69倍、売上高当期純利益率が4.8%となっており、ROEを向上させるためには、それぞれの指標を引き上げていくことが重要となる。

3. 2025年12月期の業績見通し
2025年12月期の連結業績は、売上高で前期比3.9%増の65,000百万円、営業利益で同55.6%増の2,700百万円、経常利益で同20.5%増の3,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同33.0%減の2,000百万円を計画している。

売上高は、TKTの売上が通年で寄与することや、段ボール部門の若干の数量増並びに価格改定効果が増収要因となる。営業利益は価格改定に伴う原価率低減効果や、前期に計上した一時費用(TKTの買収費用、蘇州工場の移転費用)がなくなることで大幅増益となる見通し。営業外収支が4.5億円程度悪化するが、為替差益や助成金収入を見込んでいないことが主因だ。なお、親会社株主に帰属する当期純利益は前期に特別利益を計上した反動で減益を見込んでいるが、同社は2025年2月に株式保有銘柄の1つである中央紙器工業<3952>の公開買付に応募することを発表しており、第1四半期に投資有価証券売却益852百万円を特別利益として計上する見込みであることを発表しており、会社計画比での上振れ要因となる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)


《KM》

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