私がテクニカル・アナリストの第一歩を踏み出したときに、教科書的に使用していたのが本書である。多くのテクニカル指標が分類、整理されており、テクニカルの基本的な知識を身につけるのには最適な本である。各指標の説明、計算方法、使用方法、応用などが筆者の偏見なく記述されており、初心者にも理解しやすい。また、どのテクニカル指標が自分に適しているかを判断するための“基本的な知識”を提供してくれるものでもある。
昨今の株式相場の活況でインターネット取引を活発に行うネットディーラーが急増している。まったくの素人もいれば、プロ顔負けのディーラーもいる。彼らが良く使うアイテムが本書に収められたテクニカル指標の数々であり、株式市場に参加する以上、一通りのテクニカル指標は勉強するべきである。一目均衡表をこよなく愛する人でも、ストキャスティクスやRSIのことは理解すべきだし、エリオット波動愛好者だってボリンジャーバンドやDMIを知っておく必要があるのだ。テクニカル指標でその指標が優れているかなんていうことは誰にも分からない。ただ、自分と相性の良い指標を発掘することは重要なことであるし、もし気に入らないのならばその指標は捨てれさえすれば良い。基礎的な知識を持たないで株式市場に参入することは大怪我のもとだし、お金がいくらあっても足りない。ファンダメンタルズに関しては他の本に譲るとしても、テクニカルに関しては本書を参考にすべきである。