トレーダーには、かなり勉強熱心で、さまざまな情報を収集し、ファンダメンタル分析やテクニカル分析に時間をかけて取引に臨むが、いざ取引となると、力を発揮できない人がいる。
また、平然とリスクをとって、自分の分析を売買に生かすトレーダーもいる。
達人トレーダーの特徴は、リスクを積極的に取れることだという。しかし、私達のような個人投資家は、積極的にリスクを取るということが、どれほどたいへんなことかわかっているし、リスクを取るという一歩をなかなか踏み出せないでいる。つまり、リスクとは、一種の恐怖なのである。
それならば、なぜ恐怖なのだろうか。
つまり、自分が過去の経験から培った常識からはみ出してしまうからである。
この本の著者であるアリ・キエフ氏は精神科医で、私達に、リスクを取るという恐怖との上手な付き合い方を教えてくれる。そして、常識の呪縛を解き放してくれる。
もし、みなさんが、常に、損切りという行為に躊躇しているのなら、ぜひ読んでほしい。
また、塩漬け株を長期間保有し続け、どうにも身動きがとれない人がいたら、この本に目を通してほしい。
積極的にリスクを取る重要性とリスクに対する恐怖心の対処法が理解できれば、みなさんも達人トレーダーへ一歩近づいたことになるだろう。