私の投資方針はごくシンプルで、「企業の本来の価値よりも株価のほうが大幅に安い銘柄を買う」ということです。わかりやすく例えれば、300円の価値がある株を200円で買う、という考え方です。これはバリュー投資と呼ばれる考え方で、元本の安全性を確保しつつ、利益を得る可能性も高い、個人投資家にとっては堅実な手法だと思っています。
この手法の最大のポイントは、「いかにその会社の本来の価値を計算するか」という点に尽きます。
この本は、企業価値計算の実務の専門家である著者が「企業の本来の価値の計算の仕方」を実例をまじえて解説しているとてもわかりやすい本です。企業価値評価、などというと難しい数式と理論の世界に入りがちですが、この本は前提知識のほとんどない人にも理解できるように書かれている素晴らしい良著だと思います。また、M&Aの実務の現場の体験談などもところどころに散りばめられ、企業価値評価の臨場感も伝わってきます。
株式投資そのものについて書かれた本ではありませんが、株価を評価するシートの例など、株式投資家も意識したつくりになっています。バリュー投資に本気で取り組みたいかたに是非おすすめしたい書籍です。