2005年の力強い株価上昇は「起こるべきして起こった事実」と言えるでしょう。
2003年、当時の金融担当大臣竹中平蔵氏は「日本の平均株価(ETF)を買っておけば儲かる」と断言しました。ペイオフが解禁され、その後は証券仲介業の解禁も徐々に進み、最近では銀行や郵便局でも投資信託の取扱がスタート。一部のコンビにエンスストアーでは、専用のマシーンで個別株の取引さえ行える時代になりました。これは個人投資家の預金を投資型商品へと移行させるための「国策」であったといっても過言ではありません。
この流れをいち早く察知した賢明な投資家は、今回の株価上昇でも多大な利益を得ています。
今回の日本株式市場と同様に「起こるべきして起こる」世界の大きな流れを把握していれば、いくつものノウハウ本を積み上げ、チャートやファンダメンタルを事細かに分析し、日々の値動きにビクビクする必要もなくなります。
では「起こるべくして起こる事実」は、どこに潜んでいて、どのように見つけ出せば良いのでしょうか。それは、私たちの生活の中にも、日々見聞きするニュースや誌面にもたくさんヒントが隠されています。
たとえば、「量的緩和解除」という昨今のニュースを話題にとれば、利上げが実行されるのも「秒読み段階」と示唆することができます。金利が上昇したら・・・?を仮定すれば「債券ベア」や「物価連動型ファンド」などにも目が向けられるのではないでしょうか。
同様のヒントは、世界中に潜んでいるはずです。中国株にはじまり、インド、ロシアの市場にも世界中の投資家が昨今、注目しています。通貨も取引時間帯も違う外国株式ですが、投資信託なら小額予算で分散投資することができますよね。
金や原油といったリスクの大きな商品先物も、その価格に連動する投資信託なら家庭のポートフォリオに組み入れることが可能ではないでしょうか。
ただ、私たちが足を運べる国や地域は限られています。実際、海外へ旅立ったとしても、その国民性や政治、カレンシーリスクを一旅行者が体感できるとは限りません。
そこでオススメしたいのが、世界中を旅する冒険投資家ジム・ロジャーズの本書。
わたしたちがスーパーのチラシでお買い得商品を選ぶように、世界中から割安な市場・不動産をチョイスするジム・ロジャーズ氏のお買い物手法には圧巻。もちろん、個人の小額資金ではポートフォリオの分散にも限界がありますが、投資先を広い目線で選択し、信じたものを長く見守る…この姿勢は是非、見習いたいものです。
五感をフル回転させ、彼の投資家としての目線を借りた擬似トラベルをあなたも体感してみてはいかがでしょう。