題名は心理学となっていますし、投資における重要な心構えを説いた本ですが、単なる精神論に留まる内容ではありません。分かりやすい言葉で綴られていますので、初心者にもお勧めします。一方でベテラン投資家が読んでもその都度、新たな気づきが得られる非常に深い内容を含んだ本です。
投資手法やテクニカル分析の種類は沢山ありますが、それらを自分の資金量と立場に合わせて煮詰める手法が書かれています。相場で勝ち続けるためには、いわゆる必勝法では無く、自身の投資環境に合う勝率の高い売買ルールを作らなくてはなりません。投資において自分のルールを守ることは大切ですが、自分の相場環境に合わない売買ルールを作るとやはり勝つことはできません。これがその方なりの必勝法となります。この本では敢えて今では使えない昔の手法も紹介しています。すなわち、投資手法は投資環境に応じて新しくしないと使えないということです。
相場の勝ち方というとエントリーする時期にのみ注目が集まりますが、利益を上げるにはそれだけではなくて、ポジションサイズ(投資金額)こそ重要であると書かれている本です。相場は変動するので相場環境に合わせて自分の投資手法(システム)を変える事が大切であるという心構えが大事であり、それがこの本で語られる「心理学」です。投資経験を積んだ後で読み返しますとこの本に書かれた深遠な内容をさらに深く理解できるので、得られる所が大きいです。