相場の世界では9割の人が負け、勝つ人はわずか1割程度といわれています。
相場は上がるか下がるかの二つに一つなのに、なぜ負ける人が多いのでしょうか
。それは人間の脳に組み込まれた非確率論的思考の影響を受けているからだと思
います。
相場だけではなく、ビジネスや政治、それに日常生活は不確実性に満ちています
。その不確実性の存在を理解し、確率論的思考に意識を変えることにより、相場
には100%勝てる手法が存在しないことをしっかりと認識でき、破滅せずに長く生
き残ることができるでしょう。
不確実性とか非確率論的思考などと書くと難しく感じますが、本書では宝くじや
サッカーのワールドカップ、織田信長や豊臣秀吉など歴史上の人物などを具体例
として挙げて説明してあるのでとてもわかりやすく読むことができます。
本書には具体的な取引手法が書かれているわけではないので、これを読んだから
と言ってすぐに勝てるようになるものではありません。
しかし、本書の内容を理解している人とそうでない人とでは、自分自身の投資手
法を確立するまでの時間に大きな差が生じるのではないでしょうか。
急がば回れということわざもあるように、取引手法が説明してある本ばかりを読
むのではなく、投資とは直接関係のない本書を読むことが、意外にもあなたの投
資スキルのスピードを早めてくれることでしょう。