「時代劇みたいだな・・・」読み始めた頃の印象です。しかし読み進
めていくにつれその内容に一喜一憂し、気がつけば電車の中で読みふけて乗り過
ごすという日々が続きました。米会所をめぐる男達の熱き戦いだけでなく、その
背景にある幕府の動き。臨場感あふれる描写は、読み始めれば電車を乗り過ごす
事請け合いの一冊です。
また、先物取引がなぜ必要なのか?そういう観点から読んでも、非常に良い勉強
になる本だと思います。世界一の先物取引所と詠われているシカゴ・ボード・オ
ブ・トレードでも「この取引所のルーツは日本の先物取引所であり、大坂が発祥
の地である。私たちの市場は世界で最初に整備された日本の市場を参考に開設さ
れました。」との解説テープが流されているようです。
日本の先物市場は海外諸国に比べ整備が遅れていると言われていますが、我が国
が先物取引所の祖であるという誇りをもう一度実感させられる一冊でした。
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