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第9回 「大勝ち」した個人投資家の多くが「大負け」する理由

2007/08/07

最近はあまり多くは見かけなくなりましたが、少し前までは、書店の株式投資 のコーナーには、「株で○億円儲けた」とか「1年間で○十倍に増やした」と いった景気の良いタイトルの本が並んでいました。

では、こうした本のように、短期間で何億円にもしたり、1年間で資金を何十 倍にまで増やすことは可能なのでしょうか?答えは「可能」です。

例えば、2003年から2005年にかけての新興市場の銘柄の値上がりには目をみは るものがありました。 100億円の給料をもらったファンドマネージャーの話を ご記憶の方も多いと思います。そのファンドマネージャーも、本人の実力だけ でそれだけの成績をあげられたのではなく、新興市場大幅上昇の恩恵を多大に 受けているのです。

2003年のはじめに200万円の投資資金があったとしたら、それを2005年までの 3年間で1億円(50倍)まで増やすことは、実はそれほど難しくありませんで した。

その方法は単純です。新興市場株を資金目いっぱい買って、さらに買った株を 担保に信用取引でさらに新興市場株を枠いっぱいまで買います。そして、当初 の資金で買った新興市場株が値上がりすることによって、担保価値が上がりま すから、信用取引枠が増えます。そこで、さらに新興市場株を買い増すのです。

このようにすれば、当初の資金の何倍ものレバレッジが効いた状態になります ので、株価が上がれば上がるほど、加速度的に利益が増えていく、という図式 です。

さて、年が明け、2006年になると、2005年までとは逆に、年初の「ライブドア ・ショック」を皮切りに、坂道を転がり落ちるように新興市場株の株価が下げ 続けていったのです。

2005年まで大儲けをしていい思いをした個人投資家の多くは、それまでと同じ ように、現物買い+信用取引という、同じ投資スタイルをとり続けていました。 その結果、2005年までとは全く逆の流れで、株価が下がれば下がるほど損失が 膨らみ、場合によってはそれまでの利益を吐き出すだけでは済まずに、信用取 引の損失を穴埋めできず、多額の借金が残った投資家もいました。まさに「天 国から地獄へ真っ逆さま」の状況です。

現物取引に信用取引を組み合わせることで、レバレッジを大きく効かせて大勝 ちを狙った投資手法は、ツボにはまれば莫大な利益をもたらします。ですから 運がよければ一時的には大勝ちできることもあるでしょうが、いつまでもその 方法を続けていると、いつかは大負けして全財産を失うことになるのです。

投資に回せる資金が少ないうちは、失敗したときに失うお金も相対的に少なく 済みますから、多少無理しても大勝ちを狙って短期間に資金を増やしにいくの も作戦の1つです。しかし、ある程度資金がたまったら、いつまでも無理をし ないで、大勝ちはしなくとも、大きく負けないような方法(資金の一部はキャ ッシュで残しておくとか、多額の信用取引をしないなど)に変えていかなけれ ば、あっという間に一文無しになってしまいます。

「大勝ち」と「大負け」は紙一重です。大きく上昇した後は大きく下落するこ とが非常に多いものです。運よく「大勝ち」をした後は、さらに儲けてやろう と欲張るのではなく、「大負け」をしないように慎重になるべきなのです。


足立武志
公認会計士、税理士、ファイナンシャル・プランナー(AFP)
株式会社マーケットチェッカー取締役

1975年生まれ 神奈川県出身 一橋大学商学部経営学科卒業。資産運用に精通した公認会計士として、執筆活 動、セミナー講師等を通じ、個人投資家が資産運用で成功するために必要な知識や情報の提供に努めている。

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