タイ株投資完全マニュアル 入門編 [改訂版] 本気の海外投資シリーズ2
阿部俊之,
石田和靖
パンローリング
四六判 2007年8月発売
本体 1,800円 税込 1,980円
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口座開設の話を全面改定&タイの最新情報を追加など、
タイ株投資の火付け役となった“前作”の内容を踏襲しつつリニューアル!
アセアンの中心に位置するタイ。クーデター後の民主化プロセスも進み、いよいよメガプロジェクトが始動。インフラにおいても成田空港の3倍を誇る新バンコク国際空港、(スワナプーム新空港)の誕生や、24時間稼動している想像を絶する広さのレムチャバン貿易港の存在など、ネクストイレブンの影に隠れながらひそかに成長している“熱い”国です。
本書は、タイ現地で生活している著者の、現地で生活しているからこそわかる“生情報”を加えながら、「タイ」に投資するにはどうしたらいいのかを解説した「日本初の本格的なマニュアル本」です。
タイは“これから”大きくなっていく国
まずは、ウォーミングアップとして軽く質問させていただきます。タイという言葉から、何をイメージするでしょうか。「ほほえみの国」を想像する方もいれば、観光国をイメージする方もいるでしょう。「アジア通貨危機以降、成長している国」と思い浮かべる人がいる反面、「政治が不安定な国だ」と考えている人もいるかもしれません。
われわれ日本人にとっては特に身近な国だけに、タイには人の数だけ“思い”があるといっても過言ではありません。多くの人が関心を持っている(=魅力を感じている)といっても差し支えない国、それが「タイ」なのです。
そうしたタイの現状を簡単に紹介するならば「これからの国」と言うことができるでしょう。バンコクを中心に住宅建設プロジェクトが進んでいること、(バンコクから)郊外へ向けて高架モノレールが張り巡らされる予定があること、日本企業(特に製造業)の技術者が働くアマタナコンやイースタンシーボードといった工業団地が発展していること、道路建設・発電所などを含んだ本格的始動(2008年1月以降の予定)が期待されるメガプロジェクトがあることなど、“これから大きくなるであろう”と期待できる要素がたくさん眠っています。
このように、成熟しきってしまった先進国にはない成長力がタイにはあります。例えて言うなら、戦後爆発的な経済成長を遂げた日本の製造業ような“勢い”がタイにはあります。アジアのデトロイトを目指し、製造業の生産基地として、大国インドと中国の中間に位置するなど、BRICsやネクストイレブンなどと比べても引けを取らない“力”がタイにはあるのです。
タイの魅力
いまだ発展途中にある「タイ」だけに、この国には今後発展する要素がたくさんあります。例えば、経済。1997年7月の「バーツ大幅下落」以降、下降線をたどってきましたが、財政政策を含む景気対策や好調な輸出産業などにより低迷を続けていた経済は回復基調に。その後、2001年2月に発足したタクシン政権の働きもあって経済は回復。2003年は6.9%、2004年は6.1%と順調に成長。2005年は津波の影響を受け下がりましたが(4.5%)、2006年はまた盛り返しています(5.0%)。そのほかにも、以下に列挙するように“国を上げていく”要素が数多く内在しています。
- メガプロジェクト
首都圏の大規模交通システムに着工(全長291キロメートルにわたるバンコクの都市 交通システム整備に5000億バーツを投じるほか、発電所新設などエネルギー関連 に2500億バーツ、農業関連や灌漑施設に1400億バーツを充てる)
- 巨大なショッピングセンターの誕生
- 15〜40歳の働き盛り世代が人口の中核を占めるという安定した人口ピラミッド
- タイ民族は勤勉で適応能力が優れているとの世界的な評価
- 食料は自給自足、コメの輸出世界No.1
お金は対外加工貿易で稼いでいる(一般的に、食料や資源の自給国は、通貨も強いと言われている)
- アジアのデトロイト(自動車生産好調)
- イスラム圏向けの輸出が急増・イスラム企業の進出も活発化。
タイのリスク
さて、上に挙げたようにタイには多くの魅力がありますが、どの国にもあるように、 リスクもももちろん存在しています。その主なものは以下の通りです。
- 原油の輸入依存度が高い
- 政権の交代リスク・軍部の影響リスクがある
- 治安対策へのリスク
- バーツ高の影響
- 金融マーケットが小さいリスク
このように多少のリスクはありますが、それらは“タイの可能性”を大きく否定するものではありません(もちろん、リスクに対する対策も講じられています)。
逆に言えば、2006年から2007年に掛けていろいろなことが起こったことで、マイナスの膿みが出てしまったと考えることもできます。
メガプロジェクトに代表されるように、タイには今、躍動感があります。本当に“これから”の国なのです。
タイはまだまだ割安
タイの株式市場の特長として、「PER(Price Earning Ratio=株価収益率)が他市場と比べてもまだまだ割安で、配当利回りも高く、安定した政治と経済成長により、今後大きく成長が見込める」が挙げられます。実際、PERは香港16.90倍、東京21.34 倍に対し、タイでは10.6倍とまだまだ大変割安の数値です。他アジア各国に比べて配当が高いことも特徴です。
このように、これから4〜5年程度の中長期的な運用先として魅力溢れるマーケットなのです。海外投資のポートフォリオの中のひとつの分散先として、国の基幹産業などに投資すれば、資産運用に思わぬ弾みをつけてくれる可能性もあります。比較的安く投資できる点も魅力のひとつでしょう。「タイ企業への投資は初めてだから、少し様子を見ながら……」というのであれば、2〜3万円程度からの投資も十分可能です。経済発展の入り口に差しかかった国への投資ですから、資金的な敷居はまだまだ日本よりも低いといえます。
タイへの投資手法
タイ株の個別銘柄に日本から投資する手法としては、以下に示すように
- タイの証券会社を使い、タイ株に投資する
- 日本の証券会社を使い、タイ株に投資する
- 香港の証券会社を使い、タイ株に投資する
という3つのパターンがあります。
本書では、この3つのパターン(「タイの証券会社を使い、タイ株に投資する(ユナイテッド証券&セミコ証券)」「日本の証券会社を使い、タイ株に投資する(ユナイテッドワールド証券)」「香港の証券会社を使い、タイ株へ投資する(フィリップ証券)」)について詳く解説しています(詳細は本書をご覧ください)。口座開設の仕方や入金・出金方法、オンライントレードのやり方など、実践に即した内容を紹介していきます。
本書の主な特長
- タイについての基本情報(タイの経済概略やタイの生活、タイと日本との関係など)を余すことなく紹介
- タイ投資の基本情報(ローカル株とフォーリン株とNVDRシステム、タイの株式市場の値幅制限、配当、ワラント、IPOなど)をわかりやすく紹介
- 現地在住の著者から得た“生情報”を紹介
- タイ現地の証券会社における口座開設方法やオンライントレードのやり方、日本の証券会社における口座開設方法やオンライントレードのやり方、香港の証券会社における口座開設方法やトレードのやり方など、実践的な情報を詳しく紹介
- 原稿執筆段階でのタイ情報(タイ情勢)を紹介
本書を読んでほしい人
- タイ投資に興味がある人
- タイ投資に興味があっても、「どうやって投資をすればいいのか」わからなかった人
- 長い目で見て資産を増やしたい人
- タイのお国柄を理解しつつ、タイに投資して資産を増やしたいと思っている人
- タイを愛してやまない人
(続きを読む)
目次
はじめに
序文
第1章 最近のタイ経済の概略
Amazing Thailand!!/タイの概略/ここ最近のタイ経済概略/タイの労働人口/タイのGDP/タイの製造業/タイの生活/タイの食品業/タイの金融業/日本とタイの経済連携協定/タイのリスク
第2章 タイ株投資の基本情報
タイ株式市場の概要/SETについて/日本からどうやって投資をするのか/ローカル株とフォーリン株とNVDRシステム/タイの株式市場の値幅制限/タイ株はいくらから買えるか/タイの株式の売買単位(インターネット)/呼値について/タイの株式の取引時間/銀行口座開設について/有償増資について/ワラントについて/配当について/配当金、売却利益にかかる税金について/IPO株について
第3章 ユナイテッド証券で口座を開設する
ユナイテッド証券の基本情報(ユナイテッド証券の概要、ユナイテッド証券のメリット、ユナイテッド証券のデメリット、口座開設に必要・持参するもの、手数料について、金利について、配当について)/口座開設について/ログイン方法について/実際の取引について/入金について/出金について/配当の受け取り方について
第4章 セミコ(SEAMICO)証券で口座を開設する
セミコ証券の基本情報(セミコ証券の概要、セミコ証券のメリット、セミコ証券のデメリット、口座開設に必要・持参するもの、手数料について、金利について、配当について)/口座開設の手続き(郵送のケースとダウンロードのケース)/資料請求をしてから書類を受け取り郵送して口座開設する方法/申込書をダウンロードしてから口座開設する方法/セミコ証券で銀行口座を開設する場合/実際の取引前の準備について/実際の取引について/注記/入金について/出金について/配当金の受け取り方について/売買確認レポートの見方について
第5章 フィリップ証券香港で口座を開設する
フィリップ証券の基本情報(フィリップ証券の概要、フィリップ証券のメリット、フィリップ証券のデメリット、口座開設に必要・持参するもの、手数料について、金利について、配当について、取引形態について)/口座開設について/実際の取引について/入金について/出金について/注記
第6章 ユナイテッドワールド証券で口座開設する
ユナイテッドワールド証券の基本情報(ユナイテッドワールド証券の概要、ユナイテッドワールド証券のメリット、ユナイテッドワールド証券のデメリット、口座開設に必要・持参するもの、手数料について、金利について、配当について)/口座開設について/実際の取引について/入金について/出金について/入出金についての補足
第7章 海外送金を行う方法
海外送金の準備について/日本からどうやって海外送金をするのか
付録
あとがき
著者紹介
阿部 俊之 Toshiyuki Abe
ASEAN JAPAN CONSULTING 代表取締役。早稲田大学商学部卒業。大学では日本とタイのFTAを研究する。その後勢い良く海外で働くことを決意して来タイ。英語、タイ語、中国語を駆使しながら富裕層へ高級車を販売する。3年ほど前からタイの経済の発展を信じ、タイ株投資を始める。現在のブログ「アジア株(タイ株)海外投資ロングスティ」はタイ株関連ブログではナンバー1を誇る。
石田 和靖 Kazuyasu Ishida
(有)ザ・スリービー 代表取締役。会計事務所に10年間勤務、主に法人税業務と財
務コンサルティング業務を中心に携わる。UAE、パキスタン、ミャンマー、タイ、ベ
トナム、インドネシアなど中近東〜東南アジアエリアの外国人経営者の法人を多く担
当。その後、(有)ザ・スリービーを設立。年に十数回、香港・タイ・UAEなど各国
を訪問し、香港やドバイの証券会社にも太いパイプを持つ。世界の投資情報を集約さ
せるべく構築された、「海外分散投資に燃える同志が集まるSNS “World Investors”
」を企画・デザイン。著書に『15万円からはじめる本気の海外投資完全マニュアル』
『タイ株投資完全マニュアル 入門編』がある。
(本気の海外投資シリーズ2)
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