増田丞美 先生から未来の第19期生へのメッセージ
オプション倶楽部の初級者講座は、“オプション取引に関する実践の基礎を学ぶための講座”です。
オプション取引に興味のある方で真剣にオプションの実践を真剣に学びたいと望んでいる方に是非お勧めしたい講座ですが、その前にこの講座について以下のことを知っていただきたいと思います。
本倶楽部は現在、正会員の募集を積極的に行っていません。 ちょっとオプションの実践を学んでみようという軽い気持ちで入会されても、また、オプション取引の実践について基本的な知識をもつことなしに入会されても、そのような方のほとんどは恐らく同倶楽部の内容についてこられないと思われるからです。
そこで設けたのが「初級者講座」です。
初級者講座は“オプション取引に関する実践の基礎を学ぶための講座”ですが、“基礎”=“易しい”という意味ではありません。 内容はむしろ初めてオプションを学ばれる方にとっては、難しいという印象をもたれるかもしれません。
まず、理解していただきたいことは、“オプションの理論”と“オプションの実践”は異なるということです。
そして、オプション倶楽部初級者講座ではこれらを明確に区別し、後者に力を入れています。
同講座の内容ですが10回のレポートと10回のウェビナー、そして、受講期間に原則毎日配信するオプション日記、さらに、1か月間のオプション倶楽部ニュースレターの購読およびプレミアムウェビナーの視聴を通じて、オプションマーケットに参加して成果をあげるための“土台”を築きます。
同講座を受講したほとんどの方々がオプションの実践を学ぶ以前になんらかのトレードや投資の経験を持っていました。
そこで、彼らにお願いしたのが、オプションの実践を学ぶにあたってそのような経験の一切を一度忘れてほしいということでした。 この場合の忘れるとは、英語の“forget”ではなく“unlearn”です。 経験や学んだことを一度捨て去るという意味があります。
なぜなら、オプションを一般の相場の延長として扱うと、オプションの本質を掴めないからです。
それが本講座において修得すべき核心的部分なのです。
さて、皆さんの最大の関心事はオプションを利用してマーケットでどうやって利益をあげるのかということだと思います。
そこで、以下のことを掲げます。
**********『「お金を稼ぐ」ということ』**********
株価変動やボラティリティ、マクロ経済やミクロ経済のファンダメンタルズの情報、米FRB政策、オプションにおける理論価格算出モデルのブラック・ショールズ公式などの話の方がスマートに聞こえるにちがいありません。
それに対して、「お金」の話は少々生々しく聞こえるかもしれません。
しかし、私たちがマーケットにおいて、また、現実の経済社会において扱っているのは「お金」なのです。
「お金を稼ぐ」という意味の英語は“make money”といいます。
この言葉(英語)について、ちょっと考えてみましょう。“make money”の“money”は“make”の目的語で「お金を作る」という意味です。
これに関して、ちょっと興味深い話があります。
ある金持ちの大人が2人の子供に「お金を作る」ための方法を学ばなければならないと説き、その子供たちは言葉通り金属を加工してお金を作ろうとする話を耳にしました。
この話を聞けば、誰もが思わず吹き出してしまうでしょう。
ですが、その金持ちの大人は真面目にこのように語っているのです。
「そのように物理的にお金を作ることは政府にだけ許されることで一般人がやれば違法ですが、“make money” (=お金を稼ぐこと)はそれに似ています。」
つまり、「お金を稼ぐ」ということは、上述のように子供が金属を加工して物理的にお金を作ろうとした行為に似ているというのです。
私は上述の子供の行為についての話を耳にしたとき、吹き出すよりもむしろピンときました その金持ちの大人が語っていることがなんとなくオプションマーケットで私の行っていることに重なり合うと感じたのです。
私たちがマーケットで扱っているのは現実のお金(マネー)です。
単なる数ではありません。 これを忘れるべきではありません。
利益がどうのようにして生み出されるのか、そのメカニズムを知らないとマーケットにただよう数の流れにもてあそばれてしまうでしょう。
実のところ、私はオプションマーケットにおいて「お金を儲ける」というより、上述の子供が行ったように物理的に金属を加工してお金作るというイメージを持っています。
私はオプションを「数のゲーム」だといい続けてきたのだが、マーケットに関わるあらゆる数を単に平面図の上に書かれた数とはとらえていません。 数字を立体化して物理的に触れることのできる金属のように扱っているのです。
だから、「金属を加工してお金作る」というイメージと私がオプションマーケットで行っている数の操作が重なり合います。
マーケットで扱う“数”にはそれぞれ意味があり背景があります。 数の裏側には、お金という数字が動いています。 そう、私たちが扱っているのはお金なのです。 ポジションを取れば、お金の流れが起きます。 いや、私たちはポジションを取ることで、お金の流れを作っているのです。
お金がどのようにして生み出されるのか、それがわかると、このゲームの本質が見えてくるでしょう。
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「安く買って高く売る、高く売って安く買い戻す」だけが“投資”で儲ける方法ではありません。 マーケットにはお金を生み出すメカニズムが働いています。 オプションのマーケットにはそのような装置があるのです。
多くの人たちが金融マーケットで行なっている「売り・買い」は以上のこととは、ほど遠いといえます。 以上の「お金を稼ぐこと」の話に出てくる子供の話はオプションにも通じるものがあります。
“Why is investing confusing?”
(なぜ投資は混乱を招くのか)とロバート・キヨサキ氏は問い、この問いに自らこのような答えを与えています。
“Investing means different things to different people.”
(投資は異なる人によって異なる物事を意味している。)
さらに、続けてこのように語っています。
“What most people call investing is not really investing.”
(ほとんどの人が投資と呼んでいるものは、本当は投資ではない。)
“投資”の対局にあるものは“投機”です。 “投機”になんら悪いことはありません。 しかし、売り買いによる値ザヤ稼ぎ(“投機”)を目的に行うオプションの実践においては、オプション本来の魅力も本質も見えてこないでしょう。
また、“投資”をベンジャミン・グレアム(Benjamin Graham)が“The Intelligent Investor”(邦語訳版『賢明なる投資家』)で述べているように理解しても、あまりにもアカデミックすぎて実践上、混乱を招くかもしれません。
そこで、“投資”をこう理解したらどうでしょうか。
「投資とは、“お金を産み出す装置”にお金を投じることです。」
オプションマーケットには、そのような装置が隠されているのです。
本講座ではそれに至る土台を作り、実践のための基本的な技能を身に付けるために必要なことを学習します。 本講座の受講終了後にこう確信できるはずです。
オプションマーケットで“make money”するのは、一般に思われているほど難しくありません。
オプション倶楽部 増田丞美
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