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宮崎正弘 「円」VS「人民元」

「円」VS「人民元」

宮崎正弘
かんき出版
四六判 237頁 2001年10月発売
本体 1,600円  税込 1,760円  国内送料無料です。
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WTOの加盟で躍動する中国

このところ経営者、企業家、財界関係者、ビジネスマンに会うと、必ずといってよいほど話題に上がってくるのは、中国の人民元切り上げ観測である。これは日本の産業界の希望といってよいかもしれない。中国経済の現場に明るい経済新聞も、最近は大きな特集を組んだりしている。本書の基本的な執筆意図は、中国経済の過去・現在・未来を人民元の観点から分析し直してみることで、従来あまり試みられなかったアングルである。本書の第一部では、中国経済のダイナミズムさを光に当てて考察した。中国は奇跡の高度成長を維持し、やがて生活レベルまで香港、台湾と並び、WTO(世界貿易機関)加盟の後、2010年頃にはOECD(経済協力開発機構)の仲間入りを果たすだろう。バラ色の近未来は、日本のみならず世界経済全体にとってよいことだが、かといって中国が軍事力の拡大もいまのペースで進めるとすれば、高度成長の持続は難しい局面を迎えることになる。そうした巨大な落とし穴がないか、総合的に考えてみたい。続く第二部では「中国人とはいったい何か」を考察した。一見、本書のテーマとは関係がないように見える中国人のモラル、儒教、軍事戦略などについても論究したのは、経済全体の観察にも常に複眼思考が必要だからである。時折、彼らの見せる面妖な行動を、私たち日本人はどう解釈したらいいのか。本書は経済解説を主眼とするけれども、最新情報を豊富にそろえることも心がけた。ビジネスマン、経営者以外にも多くの人に読んでもらえれば望外の幸せである。(「はじめに」より)

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