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ジョン・J・マーフィー/長尾慎太郎/関本博英 市場間分析入門

市場間分析入門

ベテラン度: ★★★
ジョン・J・マーフィー, 長尾慎太郎, 関本博英
パンローリング
A5判 上製本 344頁 2005年4月発売
本体 5,800円  税込 6,380円  国内送料無料です。
品切れのためご注文いただけません。 (発送可能時期について)


目次読者のご意見

原油や金が上がれば、株やドルや債券は下がる!

マーケットは相互に関連し合っている!

「本書には貴重な情報が満載されている。日々インターマーケットの分析に従事して いる私はその価値を十分に知っているが、この本には私でも知らない新しい視点が盛 り込まれている。プロとビギナー投資家のどちらにも本書を強く推薦する」――「イ ンターマーケット・レビュー・ニュースレター」の編集長でもあるマーチン・プリン グ・プリング・ドット・コム社長(『アメリカの株式テクニカル分析』[東洋経済新 報社]の著者)

市場間分析(インターマーケットの分析)は、ジョン・マーフィーの画期的な著書 『インターマーケット・テクニカル・アナリシス』の刊行から10年を経てようやく脚光を浴びるようになった。グローバルなマーケットは相互に関連し合っているという考え方は今から10年前には疑いの目で見られていたが、現在では最も重要なテクニカル分析の原則のひとつになっている。現在のマーケットウオッチャーは歴史のなかに、将来のマーケットの動きを予測する手掛かりを得ることができる。

マーフィーは本書のなかで、グローバルな各マーケットの最新データを駆使して、 世界のさまざまなマーケットが相互に関連し、またそれぞれに影響し合っていること を明らかにしている。1980年代のアメリカの株高をもたらしたインターマーケット (市場間)の相互関係を概説したあと、1987年の株式大暴落とインターマーケットの 原則におけるその重要性を分析。イラク危機による1990年の株式暴落はその後のグ ローバルな出来事と関連付けて検討され、また1997年のアジア通貨危機に端を発した デフレトレンドが、どのように2000年の株式バブル崩壊とそれに続く3年間の弱気相 場をもたらしたのかについても深い分析が加えられている。

一方、長期のグローバルなマーケットの関係を大きく変化させた最近の状況につい て、従来のインターマーケットの原則は今でも立派に機能しているとしながらも、大 きく変質したインターマーケットの相互関係を詳しく分析している。本書ではイン ターマーケットの原則は「静的な」ものではないという前提に立ち、次の点にも鋭い メスを入れている。

  • 二度にわたる湾岸危機とイラク戦争
  • 10年以上に及ぶ日本経済のデフレスパイラル
  • テクノロジー株の異常な人気化とナスダック株バブルの崩壊
テクニカル分析の教育者であり、また熟練したトレーダーとしても豊富な経験を持 つ筆者は、グローバルなインターマーケットの相互関係を理解するための分析ツー ル、それを使って投資家がどのような景気でも利益を上げられる方法を紹介してい る。各景気局面でどのマーケットとマーケットセクターが人気化するのかが分かって いれば、上昇するマーケットにタイムリーに参入し、下降するマーケットからうまく 退出することで大きな利益を上げられるだろう。 →つづき

著者紹介

ジョン・J・マーフィー(John J. Murphy)
CNBCの元テクニカルアナリスト、ストックチャーツ・ドット・コム社のチーフテクニ カルアナリスト、マーフィーモリスETFファンド社長。30年以上にわたるマーケット 経験を持つ筆者は、テクニカル分析の必読書と言われる Technical Analysis of the Financial Markets(邦題『先物市場のテクニカル分析』)などをはじめ、多くのベストセラーをこの世に送り出している。『市場間分析入門』は市場間の相互関係に焦点を当てた新しいテクニカル分析の著書であり、ストック・アンド・コモディティ誌(2002年10月号)は同書を「比類のない傑作」と絶賛している。

目次

訳者まえがき
謝辞

序文
前著で分析した1980年代/日本株バブルが崩壊した1990年/2000年の3回目の株式バブル崩壊/デフレのシナリオ/1980〜1997年のインターマーケットの原則/1998年とその後の状況の変化/原油の役割/金の復活/アセットアロケーションと景気の予測/チャートの重要性

第1章 1980年代の再検討
1980年に大天井を付けた商品/1980年に底入れしたドル/1981年に底入れした債券/1982年に底入れした株式/4つのマーケットの相互関係/1987年の株式大暴落/1987年春の商品高と債券安/8月に大天井を付けた株式/株安をもたらしたドル安/グローバルだった1987年の株式大暴落/それ以降のインターマーケットの相互関係/ドルの遅行する動き/1990年

第2章 1990年と湾岸戦争
1990年初めに下降した債券/1990年初めから急騰したCRB先物指数/債券と株式の乖離/米株高を確認しなかった世界の株式/8月のイラクによるクウェート侵攻/金と原油の急騰/湾岸戦争勃発後はそれ以前とは逆の動き/1990年に原油と石油株が乖離/原油価格40ドルの重要性/1990年のインターマーケットのトレンド/1991年と2003年の比較/上昇トレンドを取り戻せなかった日本株

第3章 1994年の忍び寄る弱気相場
1990〜1993年の明るい局面/CRB先物指数/CRB先物指数は1993年前半に上昇/工業用金属の動き/JOC-ECRI指数/金と原油も重要な指標/ゴールドマンサックス商品指数/債券は株式の先行指標/忍び寄る弱気相場/1994年の公益株安と金属株高/1995年に逆転したインターマーケットのトレンド/CRB先物指数÷債券レシオ/債券と株式は1998年まで上昇

第4章 1997年のアジア通貨危機とデフレトレンド
1997年のアジア通貨危機/債券と株式の乖離/デフレのシナリオ/1997〜1998年は単なる序章/1997〜1998年のインターマーケットのトレンド/ドルと商品/香港株と工業用金属がそろって天井/商品と債券/債券と株式 1998年に債券と株式が乖離/CRB先物指数÷債券レシオとセクターローテーション/景気循環株と消費関連株 1997年にレシオが急下降/レラティブストレング分析/この2つのセクター指数のレシオ/1997〜1998年のインターマーケットの教訓

第5章 株式の大天井に至る1999年のインターマーケットのトレンド
1999年に逆転した1998年のトレンド/1999年に始まった商品の上昇/商品と債券利回り/原油と工業用金属の底入れ/金利上昇が株式に及ぼした影響/NYSE騰落ラインが急落/株式市場の各セクターに対するインターマーケットの影響/原油高は石油株にプラス/手痛い打撃を受けた運輸株/原油高は金融株にも大きな打撃/その他のセクターに対する影響/セクターローテーションと景気サイクル/1999年のグローバルな影響/香港株と半導体株/豪ドルと商品

第6章 インターマーケット分析の再考
序/進化するテクニカル分析/セクター分析の重要性/アセットアロケーション手法/インターマーケット分析の基本条件/グローバルなマーケット/グローバルなセクタートレンド/米市場に及ぼす日本の影響/日本発のデフレトレンドがFRBの努力を無効に/経済的な教訓/インターマーケット分析のテクニカルな性質/チャートのメリットは大局観/景気の予測/景気トレンドを先取りするマーケット/ドルの役割/為替相場のグローバルな影響/多国籍企業に対するドルの影響/ドル安で潤うマクドナルドやP&G/医薬品株に対するドルの影響/小型株は内需株/ドル安はサービス関連株にもプラス/インターマーケットの原則のまとめ

第7章 2000年にはじけたナスダック株バブル
歴史的な年/景気減速を示唆する逆イールドカーブ/チャートに表れた警告のシグナル/物事が起きたときにその意味を理解する/逆イールドカーブ――2000年1月30日付のマーケットメッセージ/またも1969年のような状況が出現したのか/1月の安値をブレイク/現金比率を高めよ/ナスダック株の移動平均ブレイクとNYSE株の低迷/REITが人気化/レラティブストレングを有するREIT/REITの上昇/景気減速――2000年4月21日付のマーケットメッセージ/2000年初めに銅と債券利回りがピークに/景気減速期には消費関連株が有利/消費関連株が上昇/状況は良くない方向に/バリュー株にシフト――2000年8月11日付のマーケットメッセージ/景気サイクルとセクターローテーション/エネルギー株や消費関連株が買われると景気が悪化/景気の減速――2000年11月10日付のマーケットメッセージ/セクターローテーション図の2つの利用法/2000年の教訓

第8章 2003年春のインターマーケットの状況
光り始めた金/債券と商品は逆相関の関係/9.11以降の逆転/商品に先行する株式/株式が商品に先行して反転上昇/債券と株式が逆相関の関係/9.11以降にトレンドが逆転/株安は金にプラス/2002年5月22日――ドルが大天井/ドル安は金にプラス/金鉱株の輝き/ようやくデフレの脅威に気づいたFRB/ドル安

第9章 2002年の商品高とドル安
商品の上昇/ドルの天井と商品の底が一致/債券と商品の乖離/「戦争プレミアム」が原油価格を押し上げ/個別商品の乖離した動き―天候と景気/工業用金属と金利は順相関の動き/商品と債券利回りは順相関の動き/アジア発のデフレトレンドが債券利回りを押し下げ/グローバルな弱気トレンド/日本がグローバルなマーケットを押し下げ/デフレのシナリオ―米株式と金利の低下/商品高をもたらしたFRBのデフレ回避策/ドル安で金も上昇トレンドに/実物資産の見直しか

第10章 金融資産から実物資産へ
金の復活/金が15年にわたる下降トレンドラインを上方にブレイク/金と株式/20年ぶりに商品が株式よりもアウトパフォームに/1991年のような状況が2003年に再来しなかった理由/循環的なトレンドと長期トレンド/循環的な上昇トレンドの歴史的な検証/長期の株安は金にプラス/ドル安と他国通貨高/ドル安の影響/ドル安に影響されない中国/資源国通貨の上昇/先物市場の活用/従来のマーケットには有利な代替投資先がない/商品関連株

第11章 先物市場とアセットアロケーション
各資産クラスのレラティブストレング分析/債券と株式/商品と債券/株式÷金レシオ/商品と通貨/アセットアロケーションにおける商品先物の役割/アセットアロケーション/商品先物の買いと売り/マネージド・フューチャーズ・アカウント/先物と債券・株式の低い相関関係/資産クラスとしての商品先物/有効フロンティア 資産クラスとしての通貨/ドル安の影響/各国通貨建ての金価格/各国通貨の上昇率と比較した金の上昇ペース/主要通貨の上昇率を上回るペースで急騰した金/要約

第12章 インターマーケットの分析と景気サイクル
4年の景気サイクル/景気サイクルとインターマーケットのローテーション/各景気局面における債券、株式および商品の動き/カギをにぎる債券/景気サイクルの6つの局面/2000年の教訓/景気先行指標としての債券/先行指標としての株式と商品/JOC指数/2001年の景気後退の到来時期/3つのマーケットが順番に天井/1920〜1930年代の3マーケットのローテーション/1920年に天井を付けた商品/1920年に底入れした債券/1921年に底を打った株式/1928年に反転下降した債券/1929年に乖離した債券と株式そして商品の動き/1930年代初めにそろって底を打った株式と商品/1930年代のリフレーション/1931年に急騰した債券利回り/1940年代初めに底を打った株式と商品/数十年に見る3マーケットのローテーション/3マーケットの長期ローテーションの結論/コンドラチェフの波/4つの季節に分類できる生涯サイクル

第13章 株式セクターに対する景気サイクルの影響
各景気局面のセクターローテーション/2000年のセクターローテーション/景気サイクルのもうひとつの見方/2003年のセクターローテーションは景気拡大初期を示唆/消費嗜好品株とテクノロジー株が人気化/消費支出の回復/小売株の人気化/テクノロジー株の人気化は好材料/2003年のリード役はナスダック株/運輸株の人気化/消費嗜好品株が消費関連株よりもアウトパフォームに/景気の谷では小型株が人気化/セクターローテーション/セクターローテーションと経済データ/金利/イールドカーブ/2003年に平坦化したイールドカーブ/もうひとつのイールドカーブ

第14章 不動産への投資
立地がすべて/これまでとは違う景気局面/ナスダック株の大天井とREITの上昇/2000年の状況/2002年夏に状況が変化/2002年にREITが天井/2002年夏以降のREITのアンダーパフォーム/金利に敏感な住宅/インフレに連動しない不動産/必ずしも金利動向を反映しない不動産価格/株式とも連動しない不動産/不動産価格を左右するロングサイクル/さまざまなサイクル/現在と1930年代の類似点と相違点/1940年以降の不動産サイクルの歴史/住宅株は株式全体または金利のどちらに連動しているのか/1999年に住宅株は平均株価から乖離/金利と逆相関の住宅株/2000年のマーケットローテーション/住宅株と株式全体が再び連動/FRBのデフレ回避策も住宅株を押し上げ/住宅株のトレードオフ/日本の不動産は株式暴落から2年遅れで急落

第15章 グローバルに考える
すべてのマーケットは相互に関連し合っている/為替レートが及ぼすグローバルな影響/新興市場/インターマーケットのセクター分析/静的ではないインターマーケットの原則/債券と株式の乖離/歴史を学ぶ重要性/株式ブームに続く10年の低迷期/インターマーケット分析とテクニカル分析/広い視点を持つ/インターマーケット分析は革新的なステップ/学ぶべきことはまだたくさんある

付録

(ウィザードブックシリーズ89)

読者のご意見

ジョン・J・マーフィー 長尾慎太郎 関本博英 パンローリング

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