破天荒な経営者たち 8人の型破りなCEOが実現した桁外れの成功
ウィリアム・N・ソーンダイク・ジュニア,
長尾慎太郎,
井田京子
パンローリング
四六判 350頁 2014年1月発売
本体 2,800円 税込 3,080円
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配当を払わず、自社株を買いまくるアウトサイダーたち
非常識なことこそが優れたパフォーマンスを上げるコツ!
企業経営で非常識を貫いた破天荒な者たち
読者の声 | 目次
優れたCEO(最高経営責任者)とはどのような人たちなのだろうか。たいていの人は「業界に深く通じた経験豊富な経営者」のような定義を思い浮かべるだろう。あるいは、今日のいわゆる有名CEOの資質から、カリスマ性、巧みなコミュニケーション力、自信に満ちた経営スタイルなどを挙げるかもしれない。しかし、企業経営で本当に大事なことは何なのだろうか。何をもってCEOの並外れたパフォーマンスと言えるのだろうか。それは、株主の長期リターンである。
本書は直観には反するが爽快な1冊だ。著者は、成功した投資家としての知恵を駆使して8つの会社とその経営者を細かく分析し、そのパフォーマンスを明らかにしている。本書で紹介する8人の個性的なCEOの会社は、株価の平均リターンがS&P500のそれを20倍以上上回っている。つまり、8人にそれぞれに1万ドルを投資していれば、25年後にはそれが150万ドルに増えたことになる。彼らの名前は知らなくても、彼らの会社は聞いたことがあるだろう――ゼネラル・シネマ、ラルストン・ピュリーナ、ワシントン・ポスト、バークシャー・ハサウェイ、ゼネラル・ダイナミクス、キャピタル・シティーズ・ブロードキャスティング、TCI、テレダイン。本書は、個性的なリーダーたちがこれほど桁外れのパフォーマンスを上げる助けとなった特徴と手法――彼らの一貫性と執ようなまでの合理性――を紹介していく。
「アウトサイダー(破天荒な者)」たちは謙虚で、気取らず、だいたいは質素で、ウォール街やマスコミを避け、新しい流行の経営方法には手を出さない。その代わりに、彼らには彼ら自身と彼らの会社を成功路線に乗せるための共通した特徴がある。収益や売り上げ成長率ではなく、1株当たりの価値を上げることにレーザー光線のように集中すること、資本と人材を配分する並外れた才能があること、報告利益ではなくキャッシュフローが企業の長期的な価値を決めるという信念を持っていることなどである。 長年にわたる調査と経験に基づいて、著者は会社を経営したい人やそこに投資して桁外れの利益を上げたい人たちに、驚くべき物語と、そこから得られる教訓と、素晴らしい選択肢を披露している。
目次
監修者まえがき
序文――シングルトン村
序章――知的な因習打破
第1章 リターンの永久機関――トム・マーフィーとキャピタル・シティーズ・ブロードキャスティング
第2章 複合企業の型破りな経営者――ヘンリー・シングルトンとテレダイン
第3章 企業再生――ビル・アンダースとゼネラル・ダイナミクス
第4章 急流のなかで価値を創造する――ジョン・マローンとテレコミュニケーションズ
第5章 後継者は未亡人――キャサリン・グレアムとワシントン・ポスト
第6章 公開LBO――ビル・スティーリッツとラルストン・ピュリーナ
第7章 同族会社の最適化――ディック・スミスとゼネラル・シネマ
第8章 CEOは投資家――ウォーレン・バフェットとバークシャー・ハサウェイ
第9章 急進的な合理主義――アウトサイダーの考え方
エピローグ――応用例とチェックリスト
謝辞
付録――バフェット・テスト
注釈
参考文献
監修者まえがき
本書はウィリアム・ソーンダイクの著した“The Outsiders”の邦訳である。ここには型破りな経営によって自社の業績を飛躍的に向上させたCEOが八人登場する。彼らのパフォーマンスは文字どおり飛び抜けているが、ほとんどのリサーチでは、通常こうしたデータは「異常値」として意識的に取り除かれてしまう。しかし、著者はハーバード大学の学生たちと共に、あえてこれら特殊なケースを丹念に調べたのである。
著者らの挑戦的な試みの結果、驚くべき事実がいくつも明らかになった。まず、こうしたアウトサイダー(異端者)のCEOたちの経営には共通点があった。つまり、優れた経営というのは定式化でき、だれにでもまねすることが可能だということだ。ここで最も重要なことは、期待収益率が高い選択肢に優先して資本を投入するということである(具体的な方法と詳細については、本書のなかで丁寧に解説されている)(つづきを読む)
著者紹介
ウィリアム・N・ソーンダイク・ジュニア(William N. Thorndike, Jr.)
ハーバード大学卒業、スタンフォード大学経営大学院修了。ボストンとサンフランシスコに拠点を置く投資会社ハウサトニック・パートナーズの創設者兼マネジング・ディレクター。それ以前に勤務していたT・ロウ・プライス・アソシエーツではビジネスサービス分野の初期の投資調査を行い、ウォーカー・パブリッシングでは取締役まで務めた。ハーバードやスタンフォードのビジネス・スクールや、欧州経営大学院、ロンドン・ビジネス・スクールなどで講義を行ったこともある。現在はアルタ・カレッジやコンチネンタル・ファイヤー&セーフティ・サービス、カリリオン・アシステッド・リビング、レメイト・バスキュラー、リバティ・タワーズ、オアシス・グループ・リミテッド、QMCインターナショナル、ホワイト・フラワー・ファームなどの取締役を務めている。また、スタンフォード・ビジネス・スクールとザ・アトランティック大学の信託基金の管財人やWGBH(ボストンのテレビ・ラジオ局)の経営監視委員なども務めている。社会に影響を及ぼす投資を共同で行う組織FARMの創設パートナーでもある。ボストン郊外に妻と2人の子供と在住。
本書への賛辞
「たぐいまれな経営者にはいくら支払っても払いすぎということはありませんが、そんな人はめったにいません」
―ウォーレン・バフェット
「あなたの実績があなたなのだ」
―ビル・パーセル(アメリカンフットボールの史上最強のコーチ)
「成功はその痕跡を残す」
―ジョン・テンプルトン卿 --序文より引用
「著者は、長年桁外れの価値を生み出してきたさまざまなタイプの興味深いビジネスリーダーを詳しく調べ、優れたCEOを独自の視点で資本の配分者として検証した。彼らはそれぞれの経験に基づいた合理性に忠実で、良い意味で反逆者になっている。著者のとらえ方は新鮮で、賢く、刺激的で、学ぶ価値が大いにある」――ジム・コリンズ(『ビジョナリー・カンパニー』[日経BP社]シリーズの著者)
「まれに見る盤石な経営理念を実践する8人のCEOと、彼らにまつわる興味深いエピソードを紹介した1冊。本書で紹介している考え方は、経営者にとっても投資家にとっても、行くべき方向を示してくれる北極星となってくれるだろう。彼らが切り開いた道をたどって成功を収めてほしい」――マイケル・J・モーブッシン(『偶然と必然の方程式』[日経BP社]の著者)
「株主のために富を生み出すことがCEOの究極の試金石ならば、本書に登場するCEOたちはそのチャンピオンと言える。名前を聞いて意外に思うかもしれないが、彼らの型破りの手法からは価値ある戦略を学ぶことができる」――ウォルター・キーチェル(『経営戦略の巨人たち』[日本経済新聞出版社]の著者)
「本書に登場する経営者は、それぞれの目的に集中し、長期間活動しなくても経営陣に報い――トラブルをわざわざ抱え込まない――素晴らしい機会が巡ってきたときにはそれを素早くつかみ取るための準備を整えている。これは極めて効果的かつ優れた戦略だ」――トーマス・A・ルッソ(ガードナー・ルッソ&ガードナー、パートナー)
「並外れたパフォーマンスを上げたいリーダーとこれからリーダーを目指す人や、企業資本の最高の管財人とタッグを組みたい投資家が必ず読むべき本」――メイソン・ホーキンズ(サウスイースタン・アセット・マネジメント会長兼CEO)
(ウィザードブックシリーズ214)
読者のご意見
配当を出し株主に還元する、買収で規模の拡大を目指すのがCEOのミッションと思っていましたが一株あたりの利益を追求するための資本配分という考え方は刺激的でした。...もっと見る
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