株式投資 完全入門 「銘柄→潜在力→財務→事業評価」がわかる銘柄選択の極意
ジョシュア・パール,
ジョシュア・ローゼンバウム,
藤原玄,
長岡半太郎
パンローリング
四六判 350頁 2021年5月発売
本体 2,800円 税込 3,080円
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読者の声
個人投資家のための高クオリティー銘柄発掘の全プロセス公開!
プロの銘柄発掘法を個人投資家に伝授
お気づきであろうが、世の中には膨大な数の投資本が存在する。それらの多くは世界で最も偉大な投資家たちが著したものである。では、なぜわれわれの著書を読むべきなのだろうか。証券口座、ETF(上場投資信託)、投資信託、または年金積立制度などを通して、直接・間接を問わず、株式投資は今まで以上に多くの人々に普及している。それにもかかわらず、ほとんどの個人投資家は銘柄を選択する方法についてまったく訓練を受けていない。そして、今日に至るまで、個人投資家の助けになるような、容易に入手できて理解しやすい情報源が存在してこなかったのだ。本書はこの真空地帯を埋めるために書かれたものである。
われわれの銘柄選択の枠組みが持つ簡潔さと使いやすさは本当に独特なものだと思っている。実際の例やウォール街でプロたちが利用しているモデルを用いて、極めて論理的な進め方で一歩ずつ銘柄選択の方法を伝授していく。われわれの目標ははっきりしている。つまり、最良のリスク管理手法をもってポートフォリオを守りながら、クオリティーの高い銘柄を見つけるために必要なスキルを伝えることである。
われわれの実践的なアプローチは、ともすれば威圧的ともなりかねない投資プロセスを分かりやすく説明する一助となることを目指している。このトレーニングによって、ほとんど目を閉じて飛んでいるような多くの投資家たちから抜きん出ることができるようになるであろう。
航空機のパイロットはライセンスを得る前にいろんな訓練をしなければならない。医師は医学部を卒業後に何年も研修に励む。投資アドバイスを提供するプロたちでさえ認証を取る必要があるのだ。だが、まったくトレーニングを受けていなくてもだれでも株式を買うことはできるのである。直感で株を買い、そして祈りの言葉を捧げても、生命の危険こそないかもしれないが、確実に自らの資金をリスクにさらすことになるのだ。
本書への賛辞
「多くの者たちの考えに反するが、投資は必ずしもランダムウォークになるとは限らない。市場に打ち勝ちたい将来のストックピッカーたちに向けて、本書はその目的の達成に大いに役立つプロセスを分かりやすく教えてくれる」――スタンレー・ドラッケンミラー(デュケイン・ファミリー・オフィス創業者兼CIO)
「2人のジョッシュが簡単明瞭な投資ガイドを生み出した。彼らは投資における最も複雑なコンセプトを、容易に理解し、利用できる枠組みへと昇華させた」――ネルソン・ペルツ(トライアン・ファンド・マネジメントCEO兼共同設立者)
「本書は、賢明かつプロ並みの方法で銘柄を選択し、ポートフォリオを構築する方法を学ぼうとしている投資家にとっては価値ある手引書である。筆者たちは、アイデアの創出に始まり、企業業績、銘柄のバリュエーション、そして潜在的なリスクの分析へと重要なステップを分かりやすい方法を提供している」――アビー・ジョセフ・コーエン(CFA兼ゴールドマン・サックス・アドバイザリー部門ディレクター兼上級投資ストラテジスト)
■著者紹介
ジョシュア・パール(Joshua Pearl)
ロングショートの株式運用を行うブラフマン・キャピタルのマネジングディレクター。彼はファンダメンタルズに基づいた手法を用いて公開株やスペシャルシチュエーションに特化した運用を行っている。それ以前にはUBSの投資銀行部門のディレクターとして高利回り債の組成やLBO、リストラクチャリングに取り組んだ。UBSに勤務する以前にはモーリス・アンド・カンパニー、ドイチェバンクに勤務していた。インディアナ大学ケリー・スクール・オブ・ビジネスで修士号を修得している。
『Investment Banking 投資銀行業務の実践ガイド』(翔泳社)の共著者でもある。
ジョシュア・ローゼンバウム(Joshua Rosenbaum)
RBCキャピタル・マーケッツのマネジング・ディレクターであり、同社のインダストリアル&サービセズ・グループの責任者。彼はM&Aやコーポレートファイナンス、資本市場取引の組成や助言を行っている。それ以前はUBSの投資銀行部門や国際金融公社に勤務していた。彼はハーバード大学で文学士を、またハーバード・ビジネス・スクールでMBAを修得、ベーカー・スカラーを受賞している。
レイモンド・アジジ(Raymond Azizi、編集担当)
ワイス・マルチストラテジー・アドバイザーズのファンドマネジャーで、株式のロング・ショート・ポートフォリオを運用している。ラトガース大学で経営学士を、ペンシルベニア大学ウォートンスクールでMBAを修得。
ジョセフ・ガスパッロ(Joseph Gasparro、編集担当)
クレディ・スイスのキャピタル・サービス部門のバイス・プレジデントで、オルタナティブ運用を行うファンドマネジャー向けに資金調達やオペレーションの助言を行っている。ゲティスバーグ大学で学士号を、ラトガース大学ビジネススクールでMBAを修得。
目次
監修者まえがき
まえがき ハワード・マークス
謝辞
免責事項
序章 本書は他の投資本とどこが違うのか
本書の構造
ステップ1 アイデアを創出する/ステップ2 最良のアイデアを見いだす/ステップ3 事業と財務のデューデリジェンス/ステップ4 バリュエーションとカタリスト/ステップ5 投資判断とポートフォリオ管理
第1章 ステップ1 アイデアを創出する――どのようにして投資アイデアを見いだすのか
スクリーニング
ボトムアップのアプローチ
財務パフォーマンス/合併買収(M&A)/スピンオフ・事業売却/リストラクチャリング・事業再生/自社株買い・配当/IPO/インサイダーによる株式買い付け・株式保有/実績ある投資家・アクティビストの追跡
トップダウンのアプローチ
サイクル、ブーム、バスト/経済学・地政学/長期的変化/産業の変曲点
重要なポイント
第2章 ステップ2 最良のアイデアを見いだす――投資アイデアのリストを手にしたら、次は何をするべきか
投資アイデアを見直す枠組み
一.投資テーマ/二.事業の概況/三.経営陣/四.リスクと留意事項/五.財務とバリュエーション/類似企業/予備評価
重要なポイント
第3章 ステップ3 事業と財務のデューデリジェンス――最良の投資アイデアをさらに掘り下げる
事業のデューデリジェンス
一.その企業は何をしているのか/二.どのようにしてお金を稼いでいるのか/三.モートや競争上の立場はいかなるものか/四.顧客と供給業者の関係はどれほど強いか/五.事業の主たるリスクは何か
財務のデューデリジェンス
一.企業の現状はどのようなものか/二.将来どのようになるか/三.バランスシートは健全か/四.安定したフリーキャッシュフローを生み出しているか/五.経営陣はどのように資本を配分しているか
重要なポイント
第4章 ステップ4 バリュエーションとカタリスト――株式にどのような価値があるか
バリュエーション
市場評価と本源的価値によるバリュエーション
類似企業比較/ディスカウントキャッシュフロー/まとめ/サム・オブ・ザ・パーツ/純資産価値
バイアウトバリュエーション
前例分析/LBO分析/LBOではどのようにリターンが生み出されるか/EPSの希薄化分析
カタリスト
決算/投資家説明会/M&A/スピンオフ・事業売却/リストラクチャリング・事業再生/自社株買い・配当/借り換え/経営陣の刷新/アクティビスト投資家/新製品・新顧客/規制/カタリストがデルファイの株価にどのような影響を与えたか
目標株価を設定する
重要なポイント
第5章 ステップ5 投資判断とポートフォリオ管理――引き金を引くべきときだろうか
投資判断を下す
買い/空売り/要観察/見送り
投資を監視する
四半期業績
ポートフォリオ構築
投資目的/リスク許容度/ポジションの規模/セクターと地域/投資テーマ/為替/コモディティ/金利/レバレッジの水準/ポートフォリオのまとめ
ポートフォリオとリスク管理
イクスポージャー制限/損切り/利益確定/リバランス/ヘッジ/ペアリング/オプション/ストレステスト/パフォーマンス評価
重要なポイント
事後検証――デルファイ・オートモーティブ
スピンオフ後、二〇一九年、そしてその後
セクター/アプティブ(親会社)/デルファイ・テクノロジーズ(スピンアウトした企業)
参考文献と推薦図書
監修者まえがき
本書は、ジョシュア・パールとジョシュア・ローゼンバウムの共著である“The Little Book of Investing Like the Pros : Five Steps for Picking Stocks”の邦訳である。見かけとは少々異なり本書は初心者向けの入門書というよりも本格的な解説書であり、資産運用のプロフェッショナルと同じプロセスで株式投資を行う方法が記されている。こうした切り口はとても斬新なものだが、ここでの著者らの姿勢は至って謙虚で、投資プロセスを簡略化して考察することについても、「議論の余地はあるのかもしれない」と述べている。しかし、この形式での解説は実際とても良くできていると感心せざるを得ない。(続きを読む)
まえがき ハワード・マークス
2011年、私は『投資で一番大切な20の教え――賢い投資家になるための隠れた常識』(日本経済新聞出版)という本を書いた。投資においては最も重要なことが一つだけということはないので、私は題名に幾ばくかの皮肉を込めたつもりであった。あらゆる投資判断には無数の要素が考慮されなければならず、そのプロセスも詳細かつ広範にわたるもので、系統的でもあり創造的でもあるべきだ。
では、投資を志す者たちはどのようにしてこれらすべての要素について学び、それを自らの方法論に落とし込むことができるのだろうか。ジョシュア・パールとジョシュア・ローゼンバウムによる本書はその点で大いに参考になる。本書によって株式投資を志す者たちはあっという間に学習曲線を駆け上がり始めることであろう。
簡潔に言って、本書ほど投資のプロセスについて完全かつ思慮に富んだオリエンテーションを提供する本を目にしたことがない。本書は、投資家が知っておかなければならないことに関する明快かつ論理的で、きちんと整理された簡潔な入門書である。本書はまず、投資候補を見いだし、その潜在力を評価することから始めている。そして、当該企業の財務状態を調査し、その事業の潜在力の評価へと進む。
次に、見いだされた特性が株価に過大に反映されているか、それとも割安となっているかを評価するという重要な要素へと進む。
さらに、投資家のポートフォリオにおいて株式が担い得る役割を見極める方法についての考えも示されている。本書は全体を通じてこれらの教訓を企業の実例を挙げて説明しているのだ。
本書は、投資というシンプルとは程遠い分野のシンプルな入門書であると思う。(続きを読む)
(ウィザードブック314)
読者のご意見
世に多くの投資本が出ているが、その手法は著者の才能に負うところが多く、なかなか読者には実行が難しいのが実情である。
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