Best Loser Wins 人間の脳に組み込まれた負けパターンを克服する方法
トム・ホウガード,
長岡半太郎,
井田京子
パンローリング
A5判 296頁 2024年5月発売
本体 2,800円 税込 3,080円
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Best Loser Wins
脳の指令に従う人はトレードではけっして勝てない
99%の人たちが経験する落とし穴を避けるためのレシピ本
トレーダーの一番の敵は太古から受け継がれた脳の指令!
目次 |
本書から出題 |
読者の声
世界屈指の個人トレーダーの内面を詳しく分析し、ここまでに至った道筋を紹介しているのが本書である。ホウガードはトレード大会で優勝を重ね、あるトレードでは2万5000ポンドを1年間で100万ポンドに増やしたこともある。これほどのパフォーマンスを上げるには、普通ではない考え方が必要になる。
では、「普通ではない考え方」とはどういうものなのだろうか。著者の言う「普通ではない考え方」とは、脳が指令することとは違う考え方や行動を身に付けるということである。99%の人と同じこと(脳の指令のままに利食いを早くし、損切りを引き延ばす)をやっていては、トレーダーとしての大成功は夢のまた夢になる。
本書は、これまでのトレード本とはまったく違う指針とひらめきを与えてくれる。書かれているのは戦術・戦略や資金管理ではなく、個人のメンタル管理に特化している。平凡なトレーダーだった著者が、テクニカル分析の探求以上に自身のメンタル管理に力を注いだことで、信じられないほどの高みに到達した。その経験について、独特かつ斬新で、初心者にも分かりやすい例を挙げながら説明をしている。
トレーダーがトレード中の心理的な起伏に伴って、脳の指令に唯々諾々と従っていてはたまにしか利益を上げることができない平凡なトレーダーで一生を終える。しかし、太古の昔から人間のDNAに組み込まれたものとは異なる考え方を会得すれば、初めて安定的に高い収益を上げるトレーダーになることができる。本書ではそのトレーダーの内面を変える方法を詳しく紹介している。これは、テクニカル分析を世界一極めるよりもかなり容易な行程である。著者いわく、「失敗するのはテクニカル分析を十分に理解していないからではない。市場がトレーダーの心に及ぼす影響を十分に理解していないからだ」。
「最高の負け方を習得した者だけが最終的な勝者になる(Best Loser Wins)」というが、著者の一番強調したいことである。これは従来の欠陥だらけのトレードに対する考え方を捨て、「Best Loser」になることができれば、トレード結果もあなたの想像レベルを超えるものになるということである!
●トレードで同じ正しい行動をとれば、長期的に見て利益になるが、その正しい行動とは下のどれか(回答はすべて間違いからすべて正しいまで複数回答可)?
- 勝ちトレードに増し玉しない
- 損切りを置かない
- 負けトレードに増し玉する
- 半分利食う
(答えは、本書のなかで)
●あなたは株Aと株Bの2銘柄を保有し、最初はどちらも100万円の価値がありました。現在、株Aは50%上昇し、株Bは50%下落していますが、急に50万円の資金が必要になりました。あなたは1と2のどちらを選択しますか。
- 株Aの3分の1を手仕舞って50万円を都合する。
- 株Bを手仕舞って50万円を都合する。
(答えは、本書のなかで)
●大手FXブローカーが顧客2万5000人の4300万回のトレードを調査した結果、一般トレーダーの勝率は以下のどちらだったでしょうか(トレードのほとんどはユーロ/ドル、ポンド/ドル、ドル/スイスフラン、ドル/円)?
- 勝率は60%を超えていた
- 勝率は25%以下だった
(答えは、本書のなかで)
■本書への賛辞
「暗殺者が次の標的に向けて準備する方法」――ラリー・ペサベント(『フィボナッチ逆張り売買法』[パンローリング])の著者兼トレーディング・チューターの創業者兼所有者)
「本書を、トレードを極めて、さらに自分自身を極めたいすべてのトレーダーに勧める」――スティーブ・ワード(投資のパフォーマンスコーチ兼コンサルタント)
■著者紹介
トム・ホウガード(Tom Hougaard)
イギリスの2つの大学で経済学とファイナンスを学び、JPモルガン・チェースに勤務後、ロンドンのシティで10年間CFD(差金決済)のブローカーでチーフマーケットストラテジストを務めた。テレビやラジオで市場に関するインタビューを多く受けているほか、トレード戦略に関して何万人もの顧客を教育している。2009年以降は自己資金でトレードしている。また、自費出版でトレード心理、プライスアクション、商品知識などに関する著作を発表している。TelegramやYouTubeでトレードを公開しているほか、トレード結果を自身のウェブサイト(https://tradertom.com/)で公開している。
■編集部の琴線に触れた部分の抜粋
(はしょったり、少し単語や短文を補っているところがあります)
- 99%の人たちが経験する落とし穴を避けるためのレシピ本だと思ってほしい。
- 私が負けトレーダーから勝ちトレーダーに変貌できたきっかけは、金融市場にバーゲンはないことに気づいたことだった。
- 金融市場のひねくれたところは、昨日よりも高いものを買うことがたいていは理にかなっていることである。
- 私は市場を見てトレードしていなかった。自分の意見でトレードしていた。
- 負けているトレーダーが負け続けているのは、変わりたくないからだ。
- もし市場がランダムならば(ほとんどの場合はランダムだ)、なぜ90%の人たちが50:50の賭け(1回のトレーダーはそれぞれ独立しているのでサイコロを振るのと同じ)に常に負けているのだろうか。答えは単純でもあり、複雑でもある。市場が彼らを負かしているのではない。彼らは単に自滅しているのだ。
- 私が10年間、顧客のトレードを観察し続けてきた結果、彼らの最大の欠陥は、トレンドに乗るにはもう遅いと考えることにあると分かった。彼らはトレンド日には常にその日の高値や安値を探そうとするが、それをした日は大きな損失を被っていた。彼らは市場が上昇していれば、何もしないか、売るところを探した。市場が下落しているときは、何もしない人もいたが、それよりもその日の安値で買おうとする人のほうが多かった。
目次
監修者まえがき
親愛なるマーケットへ
まえがき
序章
第1章 ライアーズ・ポーカー
第2章 トレーディングフロア
第3章 だれでもチャートの専門家
第4章 パターンの呪い
第5章 人間の弱さとの闘い
第6章 嫌悪感
第7章 さまよう心
第8章 スランプのときのトレード
第9章 失敗を受け入れる
第10章 うまく負けた人が勝つ
第11章 理想的な考え方
■監修者まえがき
本書は、JPモルガン・チェースやシティ・インデックスでの勤務経験があるトム・ホウガードの著した“Best Loser Wins : Why Normal Thinking Never Wins the Trading Game”の邦訳である。ホウガードは、トレードにおいては負け方の巧拙こそが最終的な成功・失敗を分けるカギであることを本書で丁寧に説いている。この主張は一見すると奇妙に思えるかもしれないが、紛れもない事実である。
一般に、投資やトレードの世界では、本当の成功者は表に出てわざわざ話をしたりしない。そんなことをするよりも仕事に専念したほうがはるかに良いからだ。だが、自らが知る真実を私たちに伝えようとする善意の人も少ないながらもなかには存在する。
(続きを読む)
■まえがき
失敗をどう受けとめるかが、人生の多くの場面でその人の成長と人生の行く末に非常に大きな影響を及ぼすと言ったらどう思うだろうか。
本書をいったん閉じて、そのことについて少し考えてみてほしい。この一文の深い意味を考えると怖くなる。
トレーダーの99%が、答えを探すところが間違っていることに気づいていない。テクニカル分析、ファンダメンタルズ分析、指標、レシオ、パターン、トレンドラインはだれでも知っているが……多くの人がみんな負けている。1%の人たちを除いて。
この1%の人たちがやっていて、残りの99%がやっていないことは何なのだろうか。(続きを読む)
(ウィザードブックシリーズ359)
読者のご意見
本書は、ブローカー出身のトム・ホラガードが、どうやったら安定的に勝てるトレーダーになれるのか?という相場にかかわる万人が、最も知りたいテーマについて、自信の体験を元に書き記した本だ。...もっと見る
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