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水野和夫 日本経済新聞社 四六判 385頁 2003年2月発売 2,000円+税 |
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今回コメントくださったお客様は 藤本 壱 さん です
Q1 オススメ書を教えて下さい。 |
日本経済がデフレに陥ってから、長い年月が経過しました。最近は株価上昇な
どでデフレ感がやや薄らいだ感じもありますが、世間を見渡してみればまだまだ
デフレ傾向が変化したようには見えません。
一方、国債残高の増加に伴って、「日本が破産する」という論調の本を見かけ
ることも多くなりました。預金封鎖やハイパーインフレなど、確かに起こっても
おかしくなさそうな状況になっています。
このように、インフレの芽もある中でデフレが続いているわけですが、デフレ
はいったいいつまで続くのでしょうか?これは投資する上で重要なポイントです。
このような中で出会ったのが、オススメとして取り上げた『100年デフレ-21世
紀はバブル多発型物価下落の時代』という本です。中世からのさまざまなデータ
を検証し、「今は500年ぶりの歴史の断絶点にあり、その流れの中デフレが起こっ
ている」ということが、この本の中心となる考え方です。
また、ここ数年は「通貨供給量を増やしてインフレを起こせ」という論調もあ
りますが、そのようなことをしても一時的な資産バブルを招くにすぎず、その後
にさらなるデフレが訪れる、といった意見も書かれています。
その他、中国や東ヨーロッパの台頭による生産過剰や、IT革命によって安い労
働力を簡単に得られるようになったこと、また中国元などの通貨の調整に時間が
かかることなどを取り上げ、デフレはまだ100年続くと主張しています。
「歴史の大きな流れに沿って、数百年単位のデータからデフレを読み解く」と
いう視点が興味深く、一気に読み進んだ一冊でした。
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Q2 5点満点で採点すると?
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読みやすい ★★★★
知識がつく ★★★★★
おもしろい ★★★★★
儲かる ★
専門的 ★★★★
総合オススメ度 ★★★★
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藤本 壱 さん パソコン・マネー関連執筆業
1969年生まれで、某ソフトメーカーを退職後、パソコン関連のフリーライター
に転身。低金利時代に入り、資産を増やそうと外貨預金や株式投資などに目覚め
る。それがきっかけとなってファイナンシャルプランナーの資格も取得し、現在
ではマネーとパソコンの両分野で執筆を行っている。2003年中には、インターネッ
トを使って全国から参加できるパソコン教室(e-gakko)も開講予定。(Webサイト: http://www.1-fuji.com)
最近出版した書籍は、『Excelでできる株価チャートらくらく分析法』
『人生設計に役立つ数学』(いずれも自由国民社刊)。
藤本さん のその他の著書はこちら
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ありがとうございました。 |
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