98年12月刊行の本書は、刊行以来10年超が経過していますが、
客観的な立場、金融取引、特に為替取引を想定しない形で、
一般金融からは一定の距離を置いた形で書かれているのが
最大の特徴です。
直接的に今後の相場動向を占うための本というのではなく、
ユーロという最新通貨に関して、客観的な知識、あるいは
知っているようで、実は余り知られていない根幹の知識を
再確認するには格好の1冊だと考えます。
ギリシャ問題で揺れている昨今のユーロですが、
表面的になぞるのではなく、ユーロという通貨の本質を
知るには不可欠の知識・情報が詰まっています。
少々ジャーナリスティック調で読み難いのが難点ですが、
温故知新の精神で読み返したい1冊です。