リンクは、大成功を収めた前書『高勝率トレード学のススメ』(パンローリング)で初めて明らかにした戦略をもとに、市場で勝つ決め手は、計画を立て、一定の状況への対応策を前もって用意しておくことだと述べている。これこそがまさにゲームプランの役目なのだ。トレードでは単純に買ったり売ったりするのではなく、いつ、なぜそうするかを知ることが肝心だ。リンクは理解しやすい簡明な表現でゲームプランのメリットを説明している。そして最高のトレードを選び出し、トレードを監視し続けて手仕舞いし、過剰トレードを避け、集中力を維持して資金に見合ったトレードを手掛け、市場の動きに備え、最終的に売買からギャンブル要素をなくすためにプランがどんな点で役立つかを示している。
リンクは、20年のトレード経験のなかから数多くの具体例を挙げている。そこには成功したトレードだけでなく失敗も含まれ、あなたはその失敗から学び、その過程でトレードの腕前を磨くことができるだろう。
リンクが強調するように、本書は怠け者のトレーダーには向いていない。ここにはすぐに金持ちになれる方法などは書かれていないが、どのように賢く熱心に努力すれば利益を増やせるを学べるはずだ。本書を読めば、トレードという困難な営みで人の先を行く力が間違いなく身につくだろう。
マーセル・リンクは本書のなかで、成功に導くゲームプランの作成と実行方法を示すことによって、読者がトレーダーとして進歩するのを後押しする。本書では、市場が終了したあとにどんなことを検討・決定して翌日のトレードに備えたらいいか、利益を増大させるにはどのように仕掛け・手仕舞い戦略を定めたらいいかが詳しく説明されている。またトレーダーが市場の動きやそれへの対応方法についてのシナリオを作成すべき理由も検討されている。
本書を手引きにすれば、適切なトレードの実行に何が必要かがたちどころに明らかになり、その実行過程で資金管理やトレードのルール、ポジション管理がいかに重要な役割を果たしているかが学べるだろう。
監修者まえがき 謝辞 はじめに
第1章 だれにも計画が必要すっぽ抜けカーブ悪いトレーダーの例 計画を練り上げた良いトレーダーの例 トレードプランとゲームプラン 本書に関する注意事項 第2章 トレードプラントレードプランとは単純なトレードプラン なぜトレードプランが必要か? トレーダーのビジネスプラン トレードプランの作成 トレードプランの詳細 まとめ 第3章 ゲームプラン万全の準備ゲームプランの必要性 ゲームプランの基本 自分自身を知る シナリオの作成 計画の活用 まとめ 第4章 自分自身を知るさまざまなタイプのトレーダー自分の本質を見極める 自分のスタイルを知るのが大事 市場に対する2つの見方 まとめ 第5章 トレード戦略トレード戦略自分のスタイルに合った戦略 テクニカル戦略 システムの構築 意固地にならないこと 戦略が必要な理由 戦略の中身 仕掛け 手仕舞い 時間枠と保有期間 自分のトレード戦略を堅持 まとめ 第6章 市場に精通する市場の多様性トレード対象に精通する 真のリスクとは? 時間枠とチャート利用 だれが市場を動かすか 相関を知る 大局の把握 まとめ 第7章 大引け後見直しの大切さ保有中のポジション 明日について考える 完了取引 明日の準備 計画と戦略の見直し まとめ 第8章 市場が開く前にトレーダーの独自性材料の入手 市場に精通する 海外市場に注目 市場の寄り付き 調整の実行 一晩のうちに大きな動きがあったか 有望なトレードの可能性を探る シナリオの作成 サイズの調整 当日のゲームプランの作成 まとめ 第9章 シナリオの作成市場に精通する――再説大局の把握 シナリオの精密化 取引終了時 再び保有中のポジションの監視について ポジションの構築後 デイトレーダー 材料に関するシナリオ作成 保有中のポジションがある場合に考慮すべき一般的事項 まとめ |
第10章 トレードからギャンブル要素をなくす優秀なトレーダーも損することがあるトレードの2つの部分 同じ市場での2つの異なった見方 買いの仕掛け――2008年1月7日 売りの仕掛け 適切な機会を待つ リスク・リワード・レシオの測定 確率を有利にする方法 まとめ 第11章 仕掛け機会の発見トレードの計画 仕掛けのシナリオの作成 市場を後追いするのは危険 トレードのタイミング 長期的パターンの確認 リスクを知る トレードの規模の判断 まとめ 第12章 手仕舞い手仕舞い戦略をあらかじめ確立する損失を限定して利益を伸ばす ゲームプランにおけるストップの使用 リスクの計画 セットアップ ギャップのトレード 別のトレード 大荒れの日 手仕舞いの方法 中間領域 まとめ 第13章 点検と管理トレードの仕掛け後翌日に向けて トレードの点検 日記を付ける まとめ 第14章 過剰トレードの防止計画が必要な理由いつもポジションを保有している必要はない 過大なポジションをとらない 過剰なポジションをトレードしているときのゲームプランの効用 リスク管理の限度を守る まとめ 第15章 資金管理リスクを軽視してはならないもうひとつのギャンブルの例え話 資金管理の基本 トレードプランへの資金管理計画の組み入れ ゲームへの資金管理計画の組み入れ 保有中のポジションのための資金管理手順の確立 まとめ 第16章 トレードルールトレードルールルールに基づくトレードプランの実行 私のトレードルール 資金管理ルールの適用 仕掛けのルールの適用 手仕舞いのルールの適用 規律の適用 よく使われる25のルール まとめ 第17章 集中と規律トレードへの集中の維持注意散漫 ゲームプランの作成を容易にする日課の確立 プランの順守 集中の維持が難しいときにそれを可能にする方法 規律の精神面 自分を注視する 取引終了後のリラックス まとめ 第18章 勝つ方法を学ぶクローゼットを大掃除する損失を他人のせいにしない 損失ではなく経費と考える 自己破壊的な行動 失敗から学ぶ トレード、トレード、トレード 感情を抑える 損失は過去の話 トレードの選択よりも資金管理が大事 自分にごほうび 貴重な資金を保全する 撤退水準を決めておく 早めに飛び込んだり、遅すぎる仕掛け 大きな勝ちトレードを負けに変えない ルールのリストを作る 自分のスタイルでトレードする 実証済みの戦略を使う チップはバーテンにやるもの トレード対象についてできるだけ詳しく知る 学び続ける 本から学ぶ 計画に従ってトレードする 自分の考えを書く 最後のまとめ |
ギャンブル要素のないトレーディング
読者が最初の著書からすべてを吸収し、それをフィルターにかけて余分なものを取り除いたとすれば、すべての精髄としてひとつの基本概念が残る。もちろんそれは、トレードに使うトレードプランとゲームプランを作成して、それに従うことの重要性だ。このことはトレードで成功するための鍵であると考えられる。本書ではこの考え方を取り上げ、さらに詳しく述べる。
トレードをギャンブルとみなしている人は多い。たしかにリスクはある。だが堅実なゲームプランと規律を備え、万全の準備を整えたトレーダーは、プロのギャンブラーと同様、ギャンブル要素のないトレードができるようになる。(続きを読む)■はじめに
『高勝率トレード学のススメ』は成功に至る方法と罠を避ける方法を示すことによって、トレーダーが実際に進歩するための段階をたどっていけるように書かれている。扱ったトレーディングの分野は、トレードの仕掛けと手仕舞い、資金管理、システムの作成とバックテスト、トレーダーが持つさまざまな個人的欠点の克服など多方面にわたっている。
(ウィザードブックシリーズ205)
読者のご意見
ギャンブル的要素を排除し、着実に利益を上げる
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