単なる指標の解説にとどまらず、複数の指標を組み合わせる実例や、仕掛けの実践と成績を明記しています。投資レーダー社の「チャートブック週足集」で「チャートセミナー」として連載されていた記事をまとめたものです。Chart Galleryの試用版が付属しているので、掲載されているチャートをすぐに表示できます。
はじめに(一部抜粋)
新ミレニアムの2000年相場、世紀末の1年は残っていますが、経済社会としてもすでに21世紀の感覚で動いています。日本の金融・証券体制の再生をかけた日本版ビッグバンは着々と進行中です。そしてここ数年のうちにはインターネットなどによる情報通信革命の進行によって、日本の証券市場が大きく変わっていくのは当然の流れと思います。
その再生ビックバンの三大眼目が、フリー、フェア、グローバルという謳い文句です。自由主義の市場経済の枠組みの中で、この三大眼目が、最も要求されるとともに、その機能が発揮されるのが“相場の世界”の証券市場です。 さて、証券市場、特に株式相場の変動で、マクロ的な価値観を決めるのは景気・業績・金利などのフ ァンダメンタル的な考えによりますが、現実的な相場の方向性や売買のタイミングに欠かせないのが、チャート重視のテクニカル分析です。そしてこの分析手法こそ、フリー、ファア、グローバルというビックバンの求めるところにも合致し、今後ますますその有用性が高まるのは間違いありません。
フリー。相場の歴史の積み重ねの中に、将来の方向、展開を示唆しているチャートの動きは、だれにも自由に使えて、しかも練習すれば客観的な投資判断の手法となります。
ファア。いろいろな材料や情報、あるいはデータを織り込んで画かれているチャートは、だれにも公平です。ただ相場上の勝負はそのチャートの見方で決まるため、より的確な判断力が重要となります。
グローバル。会計基準や投資尺度の国際的基準化ですが、証券市場でのテクニカル分析は、世界共通のものが大半です。その点、チャートは今や市場経済においては“世界共通語”であると言ってもいいものです。
また21世紀の経済社会においては、カネのウエイトは格段に増してくると思います。その流れから見ますと、いよいよ本格的なカネ中心の資産運用の時代の到来です。その専門家のファンドマネジャーほど実践面でチャート分析を重要視しています。こうなると一般投資家も、チャート分析による投資手法を相場の実戦的ポイントに取り入れていかなければ“相場に勝つ”ことはできません。
ただチャートの見方になりますと、どうしても自分に都合よく解釈しがちですが、それではチャート分析の本来の目的からは外れてしまいます。ともかく客観的に判断する事が必要です。さらにチャートの研究は相手が生きた相場だけに、結局は原理原則を十分に理解した上での、応用展開力ということになります。こうしたことを考えて、より実戦的な応用編にも重点を置いて解説し、いろいろな角度から分析してみようと試みたのが、この本です。
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