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本書が出版されたのは、米国株市場で巨大バブルが崩壊した直後の“失われた1930年代”初めである。
著者のリチャード・D・ワイコフは、伝説の投機家ジェシー・L・リバモア(『孤高の相場師リバモア流投機術』)やジョージ・D・テイラー(『テイラーの場帳トレーダー入門』)とほぼ同時代を生き、『新マーケットの魔術師』でインタビューされたリンダ・ラシュキをはじめ多くの「マーケットの魔術師」たちから尊敬されているトレーダーだ。
ワイコフが本書で伝えようとしたのは、株式の長期保有を目的とする「株式投資」ではなく、相場の短期的変動から収益の蓄積を狙う「株式トレード」の極意である。そこには「大恐慌の悲劇が繰り返されないように」という強い思いがあった。事実、1929年の高値から33年の安値まで、ダウ平均は87%ほど暴落し、回復するまでに約20年を要したのだ。
ワイコフ自身の血肉である「相場に取り組む姿勢」や「相場哲学」は、現代でも十分に通用する含蓄に富んだものが多い。とくにトレードの初学者には「耳寄りな噂や秘密情報をあてにせず、値動きそのものを分析する姿勢」について集中して読んでもらいたい。
[用語解説] テッカーテープとは?
※本書は『ストックマーケットテクニック』(パンローリング刊)を文庫化したものです。
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