[オーディオブックCD] 新版 幸福を知る才能

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今すぐあなたは幸福になります。

幸福になるのも不幸になるのも本人の望み次第である。
かつてブームを呼んだ幸せバイブル「幸福を知る才能」を中心に、既刊「幸福は幸福を呼ぶ」「私の幸福論」「行動することが生きることである」を加え、再編集・再構成。

日常のちょっとしたところにこそ"本当の幸福の真理"があります。
そこに気づくか気づかないか。
いや。気づきたいか気づきたくないかによって、あなたが本当に簡単に幸せになれるかどうかが決まるのです。

「幸せになりたい」とこぼす人は大抵、「不幸せな自分が好き」な人が多い。

人が、とりわけ女性のあなたが幸せになるために。
心の視点をちょっと変えてみませんか？

【 人は自分の信じた通りの人生を生きる 】

〜本書抜粋〜

おかしな言い方であるが、不幸になるのも幸福になるのも、
本人の望み次第で、私の好き勝手になれるのだと言う気がしている。
その人の不幸なのは、神様が不公平であったり、他人が意地悪だったりするためでなないようだ。

〜中略〜

私は、勿論不幸は好きではない。しかし正確に言うと、自分を不幸だと思うことの方が、もっと好きではない。
私が一番嫌いなのは、そう大して不幸でもないのに、自分をよっぽど不幸だと思わないと安心出来ないような人である。

よく嘘をつく人に、「あなたは嘘つきねえ」とは、決して言わないようにしよう。反対に、「あなたは嘘をつかないから、好きよ」と言って見るが好い。
おや、なんだって。私のことを、うそをつかないから、好きだって。この人には、私が嘘つきではないように見えるのかしら、と思ったとしても、そういった人に対しては、多少とも、嘘をつく回数が少なくなること請合である。

やさしいといわれた男が、よし、多少はやさしくない心を持っていたとしても、その言葉によって、なんとかやさしく思われるような行為をしようと、無意識にでも思わないだろうか。美しいといわれた女が、よし、多少は美しくないとしても、その言葉によって、なんとか美しく思われるような表情になりたいと、無意識にでも思わないものだろうか。

目次

第1章 幸福を知る才能
（幸福になるのも不幸になるのも本人の望み次第である/人は誰でも幸福になる権利がある）/
第2章 幸福は幸福を呼ぶ
（人の心は忽ち伝染する。自分にも他人にも幸福だけを伝染させて生きて行こう/人は自分の信じた通りの人生を生きる）/
第3章 生きる願望
（人生とは行動することである/一歩踏み出せばすべての行動が愉しい）/
第4章 おしゃれ上手生き方上手
（おしゃれは女の生き甲斐。毎日を生き生きさせてくれる/食べる愉しみ、作る愉しみは若さのバロメーター）/
第5章 本当の愛を求めて
（人は愛のある場所だけを探し出して生きる/女はその全生涯が結婚適齢期である）

【禁制第一条】 妻はその新婚生活の始めから、ただの一刻も良人の傍を離れること勿れ。
男女間の生活を、一番強く支配するものは習慣です。
ちょっとおくさんの姿が見えなくなると、まるでお母さんのいなくなった赤ん坊みたいになる、そう言うオシドリ夫婦のしゅうかんを、しっかりとつけておくことです。

【禁制第二条】 妻はその良人の最初の浮気のとき、徹底的に、めちゃくちゃにヤキモチを焼くこと。夢にも、「あたし、あなたを許すわ」などということ勿れ。
ヤキモチやきのコツは、それがどこまでも大ゲサで、陽気で、可愛いこと。
夢にも憎悪をムキダシにして、良人の罪を責めたたてること勿れ。ただどこまでも、相手の浮気に対する悲嘆の反応を大ゲサに現わして、めちゃくちゃに泣くことです。

【禁制第三条】 家庭の中を警察署にすること勿れ。
お酒を飲んで、夜おそく帰って来るご主人の様子を、あなたはご存知ですか？
靴音を忍ばせて、こっそり玄関の扉をあける。まるで泥棒みたいに奥さんに知られないようにそっと寝床にもぐり込む。「こんなに遅くまで何してたの？」「まァ臭い、またお酒ね。あなたったら、何てだらしがないんでしょう」。
二人の生活の休養所であるはずの家庭が、絶えず良人の非を鳴らす警察署になってはおしまいです。

【禁制第四条】 ケンカしてむしゃくしゃしたときに、すぐに表へ飛び出すこと勿れ。
何かと言うと、すぐ家を飛び出す癖のおくさんがあります。
ほんとに別れる積りなら格別ですが、家を飛び出すのが習慣みたいになってるおくさんは、思わぬ損をするものです。
ぱっとオモテへ飛び出したいのを一瞬間ガマンして、まず自分の部屋の中を、鏡台の抽出しだの、手箱の中だの、それから押入れの中だのを、少しずつ片付けて見るのです。
まァ、あなたもだまされたと思って、この方法を実験してごらんなさい。つい一瞬間前までのクシャクシャが、嘘みたいに消えて了うから不思議です。

【禁制第五条】 「あなたと違って、あたしだけはいつも正しい人間よ」と言う風をすること勿れ。反対に、妻はいつでも、良人の悪いことの共犯者になることです。
女の人はどうしても道徳家ぶるのが好きなんですね。
パチンコでも、お酒でも、競輪でも何でも、良人の好きなことは自分も一緒にやって見ること。まず、おくさんよりもさきに、彼氏の方を道徳家にさせるのが、おくさんの手腕、と言うものです。

【禁制第六条】 良人の描く夢を、片っ端から叩きつぶすこと勿れ。
家庭上のことでも、仕事のことでも、良人が何か新しい計画を立てるごとに、良人の夢を叩きつぶす妻に呪いあれ。

【禁制第七条】 良人の欠点を夢にも言葉に出す勿れ。また心の中ででも、繰り返して考えること勿れ。良人に関してはオノロケ以外は口に出すこと勿れ。
世にも不思議なことですが、夫婦でも友だちでも、人間はその相手の思っている通りに、相手のふだん口にしている通りの人間になる傾向があるものです。

【禁制第八条】 絶えずブツブツこぼしていること勿れ。

【禁制第九条】 いつもどこか体の調子が悪い、と言って訴えること勿れ。

【禁制第十条】 何事にも、陰気で深刻な表現をすること勿れ。

著者紹介

宇野 千代(うの・ちよ)
1897年山口県生まれ。1914年岩国高等女学校卒業。21年処女作「脂粉の顔」で懸賞短篇小説一等入選。作家活動に入る。35年名作「色ざんげ」を発表。36年スタイル社設立。ファッション専門誌「スタイル」刊行。57年代表作「おはん」で野間文芸賞受賞。58年女流文学賞受賞。72年芸術院賞受賞。83年「生きて行く私」を発表、ベストセラーとなる。90年岩国市名誉市民となる。文化功労者として顕彰される。96年没。勲二等受勲。享年98歳。

※本商品は、「幸福を知る才能」(海竜社【刊】 宇野千代【著】) ISBN：978-4-7593-0864-8 1,575円(税込))をオーディオ化したものです。 （C）2002 Chiyo Uno

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